働いている限り仕事とストレスは切っても切り離せないものでありそれは医療事務でも同様です。
当ブログでも過去にストレスについていくつも記事にしてきました。
⇒⇒⇒不安、ストレス、人間関係が嫌で辞めることについて【原因はどこに? 】
⇒⇒⇒医療事務のストレス対策3選【辞める前にまず試してみよう】
今後も定期的にストレスについては記事にしていくとは思いますが、なぜそこまで繰り返し述べていくかといえば誤った認識をしている人が意外に多いように思うからです。
それは非常にもったいないし損なことだと思います。
なにより間違った思い込みのせいで自分が傷ついているとすればそれはとても残念なことです。
やはり大切なことはエビデンスのある情報にふれることです。
そしてそこから正しい学びを得ることです。
その為に当ブログも少しでも役に立てるように努めていきます。
さて今回はストレス無害説について解説します。
これは言葉どおりストレスは無害です、という主張です。
これはどういうことなのか?
その点を見た上でストレスとの関わりを考えたいと思います。
ストレス無害説って何?【医療事務とストレス】
結論
ストレスは無害です。
ストレスが有害だと信じることが有害なのです。
ストレスとは何か?
ストレスマインドセット
マインドセットとは簡単にいうとものの見方、考え方のことです。
マインドセット次第で全てが変わってくるということは過去に記事にしました。
そしてストレスに対するマインドセットについて次のような結果が示されています。
アメリカで3000人を8年間統計をとった結果前年にストレスを感じた人の中で「ストレスが健康に良くない」と信じている人の死亡リスクが43%高くなりました。
その8年間の統計で「ストレスは害」と意識して亡くなった人の総数が約18万人。
これはつまりストレスが原因で亡くなった方が18万人もいたということです。
それとは逆にストレスを感じてはいても亡くならず、反対に健康になっている人々が存在します。
その違いはストレスを有害と信じているか、無害と信じているかだけの差だということです。
つまりストレスそのものが健康の害になる訳ではなくて「ストレスが健康の害になる」と信じている人が病気になる、ということです。
ストレス反応
ストレスを受けた場合のストレス反応には次の3つがあります。
①脅威反応(闘争・逃走反応)
ストレスを感じたときに交感神経系が活性化し心拍数と呼吸速度がアップして筋肉が緊張する反応です。
これは人間がもともと持っている本能でもあります。
たとえば古代のアフリカの草原に暮らしている人がライオンに出合って一目散に逃げる。
またはどう見ても逃げ場がないので腹をくくって槍を握ってライオンと戦う。
こうした場面でいつでも戦うかまたは逃走出来るように準備するのが闘争・逃走反応です。
脅威反応の時は体中の血管が収縮します。
迫りくる戦いによる出血を最小限に抑える為です。
身体はどんどん炎症を起こし免疫細胞を活性化して早く回復出来る準備をします。
②チャレンジ反応
ストレスがかかっていても差し迫った危険がない状態では闘争・逃走反応からこのチャレンジ反応に切り替わります。自信
が強まって行動力が高まり最終的に経験からたくさん学ぼうとします。
確かにストレスに直面してはいますが困難を乗り越えることを楽しんでいる状態ともいえます。
また難しい仕事に取り組んでいるが不安や恐怖は感じずむしろその仕事に夢中で没頭している状態も同様です。
チャレンジ反応の時は身体はまるで運動しているような反応が起こります。
危害を予期していない為に体はリラックスし血流量は最大となり大きな力を出せるように準備します。
血管は開いたままで心臓の鼓動も力強くなります。
脅威反応の時よりも力がだせる状態です。
③思いやり・絆反応
ストレスを感じた時に人とのつながりを求める気持ちが強くなり社会的な結び付きが強くなるという反応です。
災害時には平常時とは比べものにならないくらい被災者同士の助け合いが活発になりますがこれも思いやり・絆反応です。
この思いやり・絆反応ではオキシトシンというホルモンが脳の下垂体から分泌されます。
オキシトシンは別名「幸せホルモン」「抱擁ホルモン」とも呼ばれます。
オキシトシンが出ることによって癒されたり他人を気遣ったり出来たりする効果や心臓を強くする効果もあると言われています。
ストレスが心臓発作を引き起こすことはよく知られていますが思いやり・絆反応によってオキシトシンが出ると心臓の健康状態が良好になって心疾患のリスクが低下すると言われています。
チャレンジ反応を引き出せ
上記の脅威反応とチャレンジ反応は真逆の効果があります。
いわゆる私達が普段使っているストレス反応の意味は脅威反応ことです。
これは生存の為には必要な反応です。
そして短期的な事柄に対しては決してマイナスなことばかりではありません。
ですがこれが慢性化するとフィジカル、メンタルの両方に悪影響なことは知ってのとおりです。
ですのでストレス反応としては脅威反応ではなくてチャレンジ反応を引き出すことが必要です。
そうすることでストレスはプラスに働きます。
そしてプレッシャーを感じた時にどのストレス反応が起こるかを決定づける最大の要素はプレッシャーに対応出来る自信を持てるかどうかであることが研究によって分かっています。
人はストレスの多い状況に直面するとその状況と自分の力量を天秤にかけます。
この作業は無意識のうちにも頭の片隅で必ず行っています。
一瞬のうちに自分の対処能力を評価しています。
この評価こそがどのストレス反応が起こるかのカギとなります。
自分の手には余る状況だと思った場合には脅威反応が起こります。
しかし自分の力で対処出来ると思えばチャレンジ反応が起こります。
そしてプレッシャーに対応出来る自信を持つ為にはマインドセットがとても重要なのです。
そもそもストレスは害になると思い込んでいると体が危害を予期して体中の血管が収縮していく脅威反応が起こりやすくなります。
ですのでストレスがかかっている状況をポジティブにとらえられるかどうかが大事なのです。
ストレスは「悪」「避けるべきもの」と思っている限りなかなかチャレンジ反応には入っていけないのです。
医療事務は挑戦の職業
チャレンジ反応を引き出すにはストレスをポジティブにとらえることが大切。
そんなこと言われても出来ねえよ、という意見はあると思います。
ですがこれは堂々巡りになってしまいますがマインドセットが大切なのです。
ストレスをポジティブにとらえるということ自体バイアスがかかっていてこれはそもそもストレスをマイナスに見ているのです。
上記で述べたようにストレスはマイナスではない、むしろプラスなんだという考え方が出来るか出来ないかなのです。
そしてここでもう1つ大切なマインドセットがあります。
挑戦して挫折しよう、ということです。⇒⇒⇒挫折なしで成長なんか出来ない【倒れても起き上がればいい】
医療事務に関して言えば10年後にはなくなる職業だとかそうでなくてもどんどん人は減らされていくだろうと言われています。
そうした未来を考えた時、常に昨日を超えていくという気持ちでないと自分の成長はないし当然淘汰されていきます。
まして2年に1度診療報酬は改定されますし、この業界は日々動き続けています。
その中での現状維持はすなわち後退です。
ですので昨日と同じ知識しかないのであれば今日新たに1つ追加する、前月のやり方を教訓として今月のレセ期間の業務のやり方を変えてみる、今まで経験してこなかったプロジェクトに加わってみるなど何かしら挑戦してみることが大切です。
というか必須です。挑戦しない医療事務員は今後必要とはされません。
大事なのはやろうとするかどうかです。
出来る出来ないは別問題です。
正直この「まずはやってみよう」と思う人がかなり少ないように感じます。
働きアリの法則(⇒⇒⇒【働きアリの法則】医療事務員はアリではない【医事課という人間社会】)
によってやらない人は必ず一定数出てくると言う人もいますが、
私は働きアリの法則はあくまでアリの法則だと思っています。
そんな組織論は関係なくて要は個人個人がどういうマインドで仕事に向き合っているかということなんです。
医療事務は守りの職業なんかではありません。
むしろ攻めの職業なのです。
そして失敗したところで死にはしません。
責任をとって辞めさせられもしません。
だったらおもいっきり挑戦して挫折して成長していけばいいのです。
まとめ
ストレスは無害です。
ストレスが有害だと信じることが有害なのです。
大切なので2度言いました。
ストレスは自分の力になるということを忘れないでほしいなと思います。