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ヘルスデータサイエンティストが担う未来とは?【Society5.0時代に向けて】

社会は今あらゆる物がインターネットにつながるIoT(Internet of Things)や人工知能(AI)、ビッグデータなどの科学技術を活用する第4次産業革命の時代に突入しています。

医療・介護領域でもデータが集積されてきており、適切に利活用すれば課題解決につながることも増えてきました。

しかし日本ではデータサイエンスのリテラシー教育がほとんど行われておらずデータを適切に利活用できるデータ人材が限られているのが現状です。

そこで現在はヘルスデータサイエンティスト協会を始め大学や大学院にて専門職育成に向けて取り組みを進めています。

単なるデータサイエンスではなくヘルスデータサイエンスに特化した研究科を設置するところも出て来ており今後この分野はより活発に動いていくはずです。

ヘルスデータサイエンティスト(HDS)については以前にも記事にしましたが

(⇒⇒⇒ヘルスデータサイエンティストって何?【食いっぱぐれること0%】

今回はもう少し深掘りして見ていきたいと思います。

ヘルスデータサイエンティストが担う未来とは?【Society5.0時代に向けて】

結論

今後ヘルスケアの領域ではヘルスデータリテラシーと活用力を持ついわゆるデータサイエンス力を備えた人材=ヘルスデータサイエンティストが数多く必要とされてきます。

ヘルスデータサイエンティスト

データサイエンティストの必要性

ビッグデータ、IoT、AI等の急速な技術革新の中でSociety5.0と言われるデータ駆動型超スマート社会に向けた政府の改革が大きく展開され我々の生活及び産業様式の質向上と効率化が図られています。

経団連による提言「Society5.0時代のヘルスケア」では社会全体での健康寿命延伸を目指す新時代のヘルスケアの特徴を次の3点としています。

・未病ケア・予防

病気の治癒を目的とした医療から病気の前段階である未病段階をケアし病気を予防する医療へと重点をシフトする

・個別化

治療や予防が平均効果が期待される標準的なものからより個人の特性に応じた治療に個別化(最適化)される

・個人の主体的関与

健康や病気のケアに対して個人が主体的にITやデータを活用しライフコースに渡って自身の健康を管理する

このようにヘルスケアの次世代化の基盤を支える為には個人を単位としたヘルスビッグデータの整備と利活用が不可欠です。

ですので法整備や健康、医療情報データベース等の構築等というハード面での改革が必要なのはもちろんですがそれに加えてそれらを扱う人材というソフト面での改革が急務なのです。

データサイエンティストの不足

我が国ではデータサイエンティストは大幅に不足しています。

データサイエンティストの育成体制がまだまだ整っていないのが現状です。

ですのでデータサイエンティストの育成が喫緊の課題となっています。

そして次の3点を明確にしておく必要があります。

・育成すべきデータサイエンティストが持つべきスキルや能力の特定

・データサイエンティスト育成の為の方策

・産業界、アカデミアからの要請の把握

データサイエンティストのスキルレベル

データサイエンティストの必要なスキルとしては以下のものが考えられます。

・データサイエンス力(統計学、機械学習、最適化などを理解し使える力)

・データエンジニアリング(データサイエンスを実装する力)

・ビジネス力(課題を理解し問題設定し解決する力)

ヘルスデータサイエンティスト

データサイエンスとは統計・数理サイエンス、コンピュータサイエンス及びデータの背景となる固有領域のサイエンスの融合領域です。

従ってデータサイエンススキルとはデータベースやICTの技術や統計学的技術などだけでなく社会価値の創造に向けて個別具体的な領域固有の諸現象に対する専門的知識や経験が重要です。

そしてヘルスケア領域に関してはデータを読み解く上で背景となる健康、医療に関する高い知識と経験が必要とされます。

その為ヘルスデータサイエンティスト育成に関しては次世代型ヘルスケアシステム、

特にPHR(Personal Health Record)等が本格化し始める今その継続的な職能育成と質保証の仕組みを具体化することが急務なのです。

アナリティクス人材の育成

ビッグデータが飛びかう時代にあっても医療分野でのデータ活用では異なる対応が必要です。

疾患毎、病院間、患者間における概念、基準値、データ分布の相違などの細かな対応が不可欠となります。

単に機械学習やAIで処理することは不可能であり統計解析手法などを再構築していく必要があります。

その為のアナリティクス人材の育成が期待されています。

ヘルスケアデータ人材の本質とは

・統計学などの基礎知識

・データマネジメントとその分析結果のフィードバック

・医療、介護領域の専門性に基づく研究デザイン

・臨床研究を実践し科学的立案、実行、評価、改善作業を行うPDCAサイクルを確立

が出来る人材です。

まとめ

ヘルスデータサイエンスというとDPCデータやレセプトデータの解析法を研究するという側面ももちろんありますがそれはあくまで一部分です。

ヘルスデータサイエンティストの本質はデータ定義、データ収集、データ加工、データ分析、解釈・提案といったところにあります。

つまりデータを解析できるデータアナリティクス力、データを生成・加工できるデータエンジニアリング力、分析結果の解釈力・問題解決能力が肝なのです。

ヘルスケアの知識、データ処理技術、解析力、思考力とどれも高度なスキルレベルが求められますがそれに見合う価値と将来的な需要があることは間違いありません。

ヘルスデータサイエンティストを目指さなくてもその周辺知識を身につけるだけでも大いに役立つスキルとなるでしょう。

 

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