医事関連のテーマを中心に感じたこと、考えたことを綴っていきます

必要度は必要なのか?【診療報酬改定と看護必要度】

「重傷度、医療・看護必要度」は2008年度診療報酬改定で急性期などの患者について手厚い看護の必要性、つまり手のかかり具合を測る為の指標として「重症度・看護必要度」として導入されたのが始まりです。

急性期一般入院料の算定要件の一つに「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合の基準があり現在は急性期一般入院料1なら「重症度、医療・看護必要度I」の該当患者割合が30%以上か、または「重症度、医療・看護必要度II」の該当患者割合が25%以上のいずれかを満たすことが要件となっています。

前回の診療報酬改定時にも「重症度、医療・看護必要度」(略して看護必要度)をどうするのかという議論はさんざんされていました。

該当基準割合の高低や評価方法などはたしてどうしていくのが最善かを模索しつつ現在の形にひとまず落ち着きました。

しかし2年はあっという間に過ぎるものでもう時期改定が迫ってきます。

前回改定から1年以上経った今結果として分かっていることは、7対1病床はほとんど減らせていないという事実と7対1病床の医療機関が看護必要度の基準をクリアするのにそれほど苦労していない、ということです。

これらの事実を踏まえた上で今秋よりいよいよ具体的な議論へと突入していきます。

看護必要度は一体どのような形で進んでいくのか、注目すべき点を見ていきます。

必要度は必要なのか?【診療報酬改定と看護必要度】

結論

看護必要度にB項目は不要です。

看護必要度

診療報酬改定

入院医療に関する診療報酬改定論議はまず「入院医療分科会で技術的課題などを整理する」次いで「中医協で具体的な改定内容を検討する」という2段構えで行われます。

診療報酬改定の内容は、最終的には「中央社会保険医療協議会・総会」で決定されます。

ただし検討内容が非常に広範な為、分野を絞った調査・分析、技術的課題の整理などを下部組織で行いそれを踏まえて中医協・総会で具体的な改定議論を行うことになっています。

入院医療分科会では2020年度の次期診療報酬改定に向けて「入院医療」と「DPC制度改革」に関する技術的課題の整理を行います(従前の入院医療分科会とDPC評価分科会を統合)。

前者の「入院医療」については2018年度診療報酬改定の影響を調査し課題等を整理することになっています。

B項目

看護必必要度の項目自体が見直される可能性があります。

2018年度改定では看護必要度の該当患者割合の判定についてDPCの診療実績データを用いた評価方法(看護必要度Ⅱ)も選択出来るようになりました。

現時点では改定前の7対1と10対1の中間的な評価として新設された入院料2・3以外では看護必要度ⅠとⅡのいずれかを病院自身が選べます。

しかし将来的に医療現場の負担軽減やデータの客観性担保の観点から看護必要度Ⅱに統合されていくのはまず間違いないと見られています。

そこで次期改定で論点にあがりそうなのが寝返りや移乗、食事摂取の可否などの患者の状態を評価するB項目の扱いです。

看護必要度ⅡではDPCの診療実績データ(EFファイル)を用いることで医療現場でのA項目(モニタリング、処置等)とC項目(手術等)の評価の手間がなくなります。

しかしEFファイルではB項目の患者の状態は評価出来ず改定前と同様に現場で各患者について評価する必要があります。

看護必要度Ⅱが現場の負担軽減やデータの客観性担保の観点で導入されたことをみると次期改定ではB項目について評価プロセスの簡素化を図る見直しがあってもおかしくありません。

もしくはそれ以上にそもそも急性期医療の必要性を反映する指標としてB項目が適切なのかどうかという意見もあり、B項目を削除するといった議論に発展する可能性も残されています。

看護必要度Ⅱ

看護必要度Ⅱはモニタリング、処置等を評価したA項目と手術等の医学的状況を評価したC項目について従来の看護必要度データ(Hファイル)の代わりに診療実績データ(EFファイル)を用いて評価を行うものです。

看護必要度の日次評価は医療現場において大きな負担となっています。

その為評価項目の一部をEFファイルで代替出来るのであれば負担軽減に大きく貢献することになります。

とりわけ在院日数短縮化、病床高回転化により病棟看護師の業務負担が重くなっている昨今の事情を踏まえると負担軽減策はとても優先度の高い取り組みとなります。

前回の2018年度改定の看護必要度Ⅱ導入においては看護必要度ⅠとⅡを選択可能としたことからあくまでも試験的な導入と見ることも出来ます。

しかし急性期一般入院料2、3を届け出る場合には看護必要度Ⅱを必須としたことから将来的には看護必要度Ⅱに統合することを視野に入れていることは間違いないようです。

働き方改革など医療現場の負担軽減への流れを見ると看護必要度Ⅱは避けては通れそうもありません。

B項目不要論

将来的には看護必要度Ⅱに統合されていくのであればいっそのことB項目をなくしてしまえばいい、という意見も聞かれます。

看護必要度Ⅱが新設されたことによってA項目とC項目についてはEFファイルで代替可能となりました。

これだけでもかなり看護師の業務負担の軽減につながりますがそれならB項目をもうなくしてしまえば全ての評価から解放され更なる負担軽減につながるという意見です。

これにはまさしく同意ですし、世間の風潮、時代の流れからみるとそちらにいく可能性は少なくないと思います。

そもそもB項目が重症度、医療・看護必要度の正しい指標として機能しているのか、医療の必要度をきちんと反映しているのか否かという意見も少なからずあります。

ここの検証がきちんと出来てB項目の与える影響度が高くないという結論に至れば働き方改革の風もありB項目がバッサリ切り落とされるということもありうる話です。

まとめ

B項目不要論の前にそもそも看護必要度は必要なのかという意見もあります。

看護必要度にかける看護師の平均的な時間は1人あたり必要度の評価に約5分、看護記録に約15分であるとのことです。

これを1人1人に全て、毎日行う必要があるのです。その部分の時間を削減しようと看護必要度Ⅱが創設されました。

まだ出来て間もないので看護必要度Ⅰとの乖離が想定よりも大きいだとか医事データの精度の問題などまだまだ解決していかなければならない点は多いです。

ですがそこがクリア出来ればDPCデータのみに代替出来るのではないかと思うのです。

目的達成の為の手法は1つではないはずなので現在のやり方にこだわらずいろんな可能性を探ってもらえばいいと思います。

どんなゴールにたどりつこうとも医事データの質、精度がものすごく問われるのは間違いないので当事者としてその部分はしっかり取り組んでいきたいと思います。

 

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