仕事をするのに年を気にしている時点で負けです【医療事務と年齢】

医療事務には特別な資格は必要ありません。

自分がやろうと思って雇ってくれる医療機関があれば明日からでも医療事務員になれます。

ですので同じ医事課の職員といってもそこにたどりついた経緯は人それぞれで様々です。

大卒、高卒、専門学校卒、異業種からの転職組と経歴も幅広ければ年代も幅広いです。

高卒未経験で18歳の人もいれば医療事務未経験で40歳の人もいます。

ですので医療事務の入口の敷居は限りなく低いです。

医療事務自体は一般事務とは一線を画しているのでなんの知識、経験もない状態で入ってきてすぐに戦力になるかと言われればそうではありませんが、未経験者でも採用してくれるところはあります。

そういう意味ではあとはもうやる気の問題となってきます。

今回はそのモチベーションの部分と年齢との関係、考え方にフォーカスして述べていきます。

仕事をするのに年を気にしている時点で負けです【医療事務と年齢】

結論

医療事務では年齢とは単なる数字です。何の目安にもなりません。

仕事と年齢

年齢

「何かを始めるのに遅すぎることなんてない」ということを耳にしたことがある人もいるかと思います。

確かにその通りです。

とかく日本社会はきちっとした枠にはめたがります。

そして異端を嫌います。

最近になってフリーランスという言葉もよく聞くようになってきましたが依然転職を繰り返していると良いようには捉えられませんし、まして組織に属していないとやっていけないという強迫観念みたいなものも残っているのも確かです。

そして年齢バイアスというものが確実にあります。

つまり40歳から異業種へ転職なんて無理、50歳から新たなことを学ぶことなんて出来ないという思い込みです。

これらは全て思い込みです。

何かの根拠があってそう思っているというのではありません。

そこにあるのは思考停止の自分だけなのです。

偉人達

測量家・伊能忠敬が測量技術や天文学を本格的に学び始めたのは51歳の時だったと言われています。

これは当時では既に老人とされていた年代です。

周りからは「そんな年齢になって測量なんてやめてくれ」と反対されましたが彼は「わしは51歳になったばかりだ」と言い年下の学者に弟子入りします。

そして地図の測量を56歳の時に始め72歳まで続けました。

中国の画家・黄公望は元時代の有名な水墨画家です。

後世に広く影響を与えるほどの素晴らしい画家です。

この人は50歳で絵を描き始めたそうです。

そして80歳にして生涯の最高傑作と呼ばれる富春山居図を3年がかりで完成させています。

また、カーネル・サンダースがケンタッキーフライドチキンを立ち上げたのは65歳の時です。

レイ・クロックがマクドナルドを起業したのは52歳の時、ポール・セザンヌが初個展を開いたのは56歳の時です。

これらを見てみると分かる通り年齢を重ねた後からイチから始めても十分成功には間に合うのです。

大事なことは彼らは年齢を基準、目安に置いていないということです。

経験

スキルとは知識に経験が掛け合わさって出来ています。

ですので知識を増やすことも経験を積むことも両方大切です。

医療事務ではまさにその通りです。

いくら知識を持って資格も多数取得した新卒の人でも現場でいきなり活躍出来ることなどまずありません。

まずは経験を積み重ねることが必要です。

そうやって請求のノウハウ、接遇、コミュニケーションの方法などを学んでいく訳です。

そしてこれはここまで出来たらOKという到達点はありません。

常に経験から学び登っていかねばならない山なのです。

そこに対して学びを見出せなくなった人はその場にとどまるか、悪ければ下山していくことになります。

たとえ知識、経験が豊富でもそのことを当然ととらえ学ぶことをしなくなった人は実際は頂上にはほど遠く、むしろ下山している場合だってあるのです。

医療事務の年齢論

私は医療事務歴が20年ほどあります。

医療事務に関係する業務にはいろいろと携わってきました。

ですので経験が10年の人よりは当然知識も経験もありますし、レセプト業務のみしてきた職歴30年の人よりも医療事務業務のことを幅広く深く理解しているとの自負もあります。

しかしこれはこれまでの時代の流れだったからこそ当てはまっているともいえます。

どういうことかというと、これまでの医療事務はマンパワー、個人の能力に依存する割合が高かったのです。

悪く言えば質より量でなんとか補える部分が確かにありました。

紙レセ時代でいうとレセ期間に大量のマンパワーを投入し残業によって必要な時間を確保すれば請求業務は成り立つものと考えられていましたし現にそれで成り立っていました。

歩く点数表とかレセプトのプロ中のプロとか呼ばれていたおばちゃんがすごく重宝され幅を利かせていた時代でした。

その時代であればレセプト経験5年の人より10年の人の方が能力は上でした。

それは全てが人の目を使って行う業務であり蓄積された知識、経験則に依存する割合が高かったからです。

しかし今後その方程式は通用しません。

レセプトチェックの大部分がコンピュータ化すると歩く点数表という人の価値はもうなくなるからです。

ググって分かる情報ならばわざわざその人に聞く必要もないからです。

だとするならばこれから必要な能力は医療事務の専門知識の蓄積よりもITスキルや情報を取捨選択出来る能力、そして最も大事なものは変化に対応していける能力、のぞんでいける能力です。

そうなると結論で述べたように年齢は単なる数字でしかなくなるのです。

医療事務の経験年数なんてなんの目安にもならなくなるのです。

これはかなりの極論に聞こえるかもしれません。

確かにしっかりとした目的意識を持っていて常に成長志向で自己研鑽している人ばかりだと経験年数は目安になります。

ですが実際そのような人は少数派です。

多くの人はある程度の能力、経験があると仕事はこなせると感じ学ぶことへの執着がなくなります。

それが悪化するとルーチン化した業務が自分の仕事だと思い込み一切の成長が止まってしまいます。

本人は8合目まで登ってきたと思っていても実際は3合目なんてことはザラに起こります。

結局大事なのは学び続ける姿勢と自分を客観視する目、メタ認知です。

ですのでたとえ経験3年でもこれらを持っているのならば仕事が出来る人になっていけるでしょうし、逆に10年の経験があってもそのマインドがなければ経験年数なんてなんの意味もないのです。

まとめ

とはいっても医療機関が医療事務員を募集する場合には経験者を欲しがります。

だったらやっぱり経験って大事じゃんって思うかもしれませんがそれは医療事務という仕事を大まかに一通り分かっているという経験です。

やはりかなり特化した事務業務であることは確かなので保険制度や請求の流れ、院内の動きなどがある程度分かっている人の方が即戦力になりやすいということは事実です。

ですがこれもマインド次第です。

全く未経験でも必死で覚えていけば経験者に追いつくことも追い抜くことも可能です。

追い抜くことについていえばレセプト業務は特にそうです。

レセプト業務歴30年の人の蓄積された知識と経験のアドバンテージなんてこの先もうありません。

蓄積された知識の中で実際に役に立つ割合なんてほんの数パーセントでしょう。

残りの大部分は今後はコンピュータチェックでまかなわれてしまいます。

そうすると今後必要なスキルはレセプトスキルよりITスキルの方なのです。

そしてもっと必要なスキルはその変化していく時代に対応出来る能力、挑んでいくマインドです。

はっきりいってこれがない人は20代でも30代でも若者ではありません。

もう終わっている大人です。

ですので年齢なんてなんの価値基準にもならないのです。

実年齢には意味はありません。

自分の価値年齢は自分で決めるものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。