医事関連のテーマを中心に感じたこと、考えたことを綴っていきます

スイッチOTC医薬品って何?【2020診療報酬改定】

健康保険組合連合会(健保連)は先日、健保組合のレセプトデータを基にした「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究IV」を公表し2020年度診療報酬改定に向けた5つの政策提言を発表しました。

先日はその中の1つのリフィル処方の導入について見ていきました。

⇒⇒⇒リフィル処方箋って何?【2020診療報酬改定】

今回は「花粉症治療薬の保険適用範囲 についての検討 」という項目においてOTC医薬品、スイッチOTC医薬品、OTC類似薬について見ていきます。

スイッチOTC医薬品って何?【2020診療報酬改定】

 

結論

まずはセルフメディケーションをわが国に根づかせることが先決です。

 

OTC医薬品、スイッチOTC医薬品、OTC類似薬

OTC医薬品

OTC医薬品は「Over The Counter」の略です。

医師の処方箋がなくてもドラッグストアや薬局で直接購入できる医薬品のことを指します。

これらは医療用医薬品と区別して考えられています。

スイッチOTC医薬品

スイッチOTC医薬品とはもともと医療用として使用されていた医薬品を有効成分や服用方法、用量が全く同じまま市販されている医薬品のことを指します。

OTC類似薬

特に指定しない限り市販品と同一の有効成分の治療薬を指します。

提言

スイッチOTC医薬品がある医療用医薬品については保険適用の除外や自己負担率の引き上げを進めるべき。

市販のスイッチOTC医薬品を購入して治療している患者との整合性を図る為、同様の医療用医薬品のみを投薬する場合は保険適用から除外するべき。

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薬剤費の削減

保険適用外になればこれまで1~3割で済んでいた患者の自己負担は増えることになりますが健保連によるとスイッチOTC医薬品の購入価格は医療機関を受診して同様の医療用医薬品を処方された場合の自己負担額に比べ大きな差はなく安い場合もある、とのこと。

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セルフメディケーション

健保連は市販薬で済むと考えられる薬剤費は年間約2100億円と推計。

国はスイッチOTC医薬品を使って患者が自ら治療するセルフメディケーションへの誘導を図りスイッチOTC医薬品の購入額が一定額を超えた場合は所得控除するセルフメディケーション税制を設けています。

セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組(インフルエンザなどの予防接種を受けるか、健康診断を受診して健康増進の取組)を行う個人が、平成29年1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。

控除額は、購入にかかった金額 - 12,000円 = 控除額(ただし、88,000円を上限)

進まないセルフメディケーション税制

調査によると同税制の認知度(聞いたことがあるを含む)は71.3%、同税制を利用したいという利用意向は11.0%で認知度と利用意向が相関しない結果となっています。

これは最低でも12,000円以上の購入額が必要なこと、上限額があること、と確定申告が必要なのが大きな要因です。

簡単に言えば時間をかけて手間をとられて事務手続きをしても税制のメリットがほとんどないのであればやっても大して意味がない、と多くの人が思っているということです。

まずは金額範囲の縛りをはずすことを考えるべきです。

まとめ

今回の提言に対して日本医師会は反対のコメントを出しています。

「患者が医療機関への受診を控えるようになってしまう結果、かえって重症化を招くリスクが高い。

市販薬でも危険な副作用を起こす可能性があり安全面のデメリットも生じる。」

この問題の根本は増大し続ける医療費に対しどう対策していくかということです。

ですが医療費削減ありきのロジックでは意味がない訳で健保連も医師会も賛成、反対への建設的な意見を出し合って進めていってほしいと思います。

双方お互いの利権争いをしている風にしか見えないので主役は国民なんだと、患者ファーストな議論を展開して頂けるように期待します。

 

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