このブログでは今まで仕事との向き合い方や仕事観というものを多く書いてきたのですが今回はもう少しその枠を広げて人生観、生き方という点について述べていきます。
目次
人生はトレードオフ【ハマる大事さ】
結論
何かを得たいのであれば何かは捨てること。
ハマる経験は大事。
バランスと偏り
昨日の記事では生産性について書きました。
その中のアウトプットの話で仕事はシングルタスクであるべきだが医療事務って圧倒的にマルチタスクなんだよね、ということを書きました。
これはどうしようもない事実なのでそのマルチタスク業務の中でいかに生産性を上げるかの手段はいろいろ考えていく必要はあります。
これはまた別の機会に述べたいと思います。
でそこでも書いたのですが本来ものごとはすべて圧倒的にシングルタスクであるべきです。
マルチタスクってオールラウンドにできているつもりなだけであって切り替えるごとに集中力が切れている状態です。
A・B・Cという仕事があってその3つを等分して1日の1/3をA、1/3をB、1/3をCとしそれを3日間するよりはまずはAのみを終わらすために注力し、それが終わればB、またそれが終わればCとやる方が圧倒的に効率的です。
それは1日のうちで何度も作業を切り替えるとその切り替えごとに集中力がとぎれ、ものすごく生産性が落ちるからです。
ですので集中力、意志力をフルに活用したいのなら使うべきはシングルタスクなのです。
でなぜこんなにシングルタスク、マルチタスクの話をするのかというと仕事ではシングルタスクでも人生においては大半の人がマルチタスクですよねということです。
そして世間もマルチタスク的な生き方が一般化しています。
つまりバランスの良い生き方です。
多くの人はすごくバランスを気にします。
バランスのとれた暮らし、バランスのとれた食生活そして仕事においてもライフワークバランスがとても大切と言われています。
すべてにおいて社会はバランス、調和というものを重視しています。
ですので仕事も家庭も趣味も全部バランス良く充実させることが幸せだという見方が強いです。
確かにそれがかなえば最高でしょうがそれはムリです。
私たちは知っているはずです。
そんないいとこどりの人生なんてありえないと。
ひとりが使えるリソースは限られています。
それの合計が100だとして仕事に30、家庭に30、趣味に40としてみます。
もうこれですでに100です。
ですのでここに新たにもう1つの趣味をつけ足すとなるとどこかを削る必要があります。
これは当たり前の話です。
ものごとはすべてトレードオフで成り立っています。
新たな何かを始めるのであれば今まで割いていた時間の一部はそちらに割く必要が出てきます。
何かを得るためには何かを捨てなければなりません。
ですが誰もが当然捨てるのは惜しいわけです。
そうすると今あるものを手放すことなくかかえ込む。
そうやってかかえるものだけが増えていってひとつひとつに割り当てられるリソースはますます少なくなっていく。
そして人はそれをバランスを保って維持しようとしているのです。
これは完全に無理筋です。
いやできなくはありません。
小分けにすることは可能ではあります。
しかし、仕事20、家庭20、趣味(ゲーム)20、趣味(旅行)20、趣味(ボルダリング)20だとしてそれが充実した生活と言えるのでしょうか。
これは人の価値観によるので多趣味で人生満喫しているな、という見方もできるでしょう。
ですが私の見方はそんな全部中途半端にかじって楽しいですか、ということです。
これは多趣味の人を批判しているのではありません。
要は生産性の話です。
前述したとおり圧倒的に生産性が高いのはシングルタスクです。
ですがこの例の場合は完全マルチタスクです。
「いやいやそんなシングルとかマルチとか知らねえよ。好きでやってるんだからほっといて」という声もあるかと思います。
ですが好きでやっているのなら余計にシングルにすべきなのです。
ホントにゲームが好きなら100突っ込むぐらいの気持ちはあるべきなんじゃないでしょうか。
それは極端だとしても50ぐらいはそこに突っ込む必要はあると思います。
でないとそのものの本当の楽しさなんて絶対に分からない。
バランスを考えて一日一時間はゲーム、一時間はボルダリング、一年に一回は旅行へ。
それはそれでその人が満足してればいいんですが、ゲームとかスポーツとかは一定のフロー状態に入っていなければなかなか上達しませんし、まず本当の楽しさが味わいづらいと思います。
なぜそう言えるのかというと私がそうだからです。
私はこのブログを始める前までマラソンが趣味でした。
でしたというのはもうすでに辞めているからです。
マラソンは10年続けました。
フルマラソンはサブスリーを達成しましたし、100キロマラソンも200キロマラソンも完走できました。
10年間年中ケガ、故障だらけで大変な思いもしましたが振り返るといい思い出しかありません。
そしてこの10年間私の生活は仕事とマラソンのみでした。
働いて帰りは20キロを走って帰る。
もう365日ほぼこの生活でした。
それこそ病院では変態として知られ、院内を歩いていれば「今日も走って帰るの?」ばかり聞かれていました。
もう最後の数年は逆にもはや誰も何も聞かないという完全イッちゃた人認定を受けていました。
私の例は極端かもしれませんが、経験して分かったのは本当に充実度を感じたいなら、本当に楽しもうとするならばある程度の集中度をもってやってみないとそれは分からない、ということです。
そしてある程度は突き抜ける部分がないとその本質は理解できないし、何も成し遂げることはできない、ということです。
逆に言うとバランスよく調和している状態ではいつまでたってもその地点には行けないということです。
医療事務とバランス
これは仕事でも同じことが言えます。
医療事務をそつなくまんべんなくこなす人というのは確かにいます。
そしてそれはそれで優秀だなとも思います。
ですがこの先医療事務ではそのような人材の需要は減っていきます。
それはAIの普及、ICT化の加速が進むからです。
そこで必要な人材はコンピューターでは替えがきかない人材です。
つまり付加価値が高い人です。
そのためにはどこか一点は突き抜けている必要があります。
診療報酬に詳しい、接遇が優れている、他部署とのコミュニケーション能力にたけている。
どれでもそれが突き抜けていれば大いなる武器になります。
反対にどれも平均点なら価値ある人材との評価は得にくいです。
だからこの先の医療事務ではオールラウンダーよりもとんでもなく偏ったどんでもなく突き抜けた人材の方が活躍できる可能性は高いです。
ですがそんなに突き抜けられないという人もいるでしょう。
そういう人におすすめは×(掛ける)医療事務です。

要は2つのスキルの掛け合わせです。
レセプト業務にはある程度自身はある、でもさすがに10年選手にはかなわない。
それだと市場価値はそこまで高くありません。
ですがプラスITスキルも併せ持っているとなると一気に市場価値は高くなります。
それでなくても今後のレセプト業務はコンピューターの独壇場となっていくことは明かです。
それがまだ10年後、15年後の話だとしても遅かれ早かれその流れは変えられません。
だとすればレセプトスキルとITスキルを併せ持っている人の需要が高まるのは当然の話なのです。
また経営的スキルを併せ持っている人の需要も高まると思われます。
将来的にはデータどりはすべて機械が行いその分析、計画、立案を人が行うという図式はより明確になっていきます。
単純作業、ルーチン作業はAIの独壇場になりますので、そこから上がってきたデータ結果をどう経営に活かすか、戦略を練るかが人間が担うとても重要な役割となります。
そのとき診療報酬と経営の両方に強い人材なら非常に高い市場価値となります。
ですので医療事務の中のたったひとつの武器で戦うのではなくて他分野と横断的に行き来できた上でアウトプットが行えるようにしておくことはとても価値あることなのです。
医療事務の中のひとつの分野を突き抜けるとしても、新たな他分野を習得するにしても必要なことはインプットの集中化です。
つまりバランスをとっていてはそこにはたどり着かないということです。
そしてそこではトレードオフが必然ということです。
ここで考えるべきは人生においてどうトレードオフさせるかということです。
そしてその配分は人それぞれです。
今後も「医療事務にコミットしてバリバリ働きたいんだ」という人は医療事務にその時間を割くべきです。
かたや「家族との時間を最優先に考えたい」という人は毎日定時に帰るようにしてその時間を家族に割くべきです。
そしてその場合、医療事務に割くのなら家族との、家族に割くのなら医療事務へ投下する時間は削られます。
そしてそれは想定の範囲内とすべきなのです。
でないと仕事も家族も趣味もすべてとなると間違いなくすべて中途半端に終わります。
「別に医療事務だけが仕事じゃないし、そこまで必死に頑張ろうとも思わない。出世にも興味ないしそれよりプライベートを充実させたい」と割り切れている人はそれでいいのです。
また「俺は事務長を目指す。そこまでは医療医務にフルコミットする。だから家族には悪いが当分仕事だけを頑張る」と割り切っている人もそれでいいのです。
一番ダメなパターンが出世もしないが家族サービスもしないという場合です。
これはインプットが中途半端だからアウトプットも中途半端なのです。
つまり生産性が悪い生き方です。
人生100年時代と言われています。
そのうちの数年をたったひとつのことに費やしたところでそれは全体の人生からみればほんのひとときのことです。
だったらある一時期は自分がしたいこと、成し遂げたいことだけに偏って時間を投下してもいいと思うしそうすべきだと思います。
ハマらないと絶対分からないことってあります。
ハマる手前で辞めちゃうことってすごくもったいないことだと思うのです。
それはそのものの本当の価値を知らずに終わってしまうから。
ちょっとたとえがズレているかもしれないですが、大学を出た人が「大学の勉強って意味ないよな」と言うのと似ています。
これは卒業しているから言えることなのです。
大学に行っていない人が「大学なんか行く意味ないよね」と言うのとは全然違います。
それは4年間通ってきちんとその価値を知ってはじめて言えることなのです。
ですので大学生ってシングルタスクなのです。
大学生活に没頭、集中化できる環境にありますので。
そして仮にバイトも何もしていなければ大学に通うだけのかなり偏った生活になります。
そこにはバランス良くなんて考えはないのです。
ですがそれでいいのです。
4年間そこにハマることにより本当に自分にとって手に入れたいものは何か、価値あるものは何かが見えてきます。
バランスを考えるより偏っている方がそのものごとに対しては明確に見えてきます。
まとめ
人生はトレードオフである。
これは真理です。
大切なことは捨てる勇気を持つことです。
そして何かにハマることです。そうすれば本当の自分が見えてきます。
本文中に生産性やらシングルタスクやらいろいろ書きましたが、それらを抜きにしてもハマることは必要、大事だと思います。
理屈抜きにハマることは楽しいです。
時間があっという間に過ぎていく感覚って日々味わっていますか?
それがあると時間の大切さがより分かるし、充実感というのも得られます。
私にとってはそれがこのブログです。
ブログをはじめて分かったのはこれはマラソンだということです。
日々の積み重ねがいつか結果となる。
私がこのブログを続けている理由は、自分の経験したこと、学んだことをアウトプットすることによってそれが少しでも誰かの役に立つのならその意味はあるかなって思うからです。
私は医療事務業界しか知りませんからそれこそ医療事務に偏った人間です。
ですがだからこそ伝えられることがあるんじゃないかなって思っています。
走るマラソンは辞めましたが書くマラソンはこれからも日々続きます。
こんな私の記事でも日々読んで頂いている方には本当に感謝します。
私自身もっと知識もライティング能力も上げられるようにより一層学んでいきます。
今後もよろしくお願いします。
ごまお