これから資格取得の為に勉強する人、働きながら勉強する人、新たな知識を増やしていこうと勉強する人、様々いらっしゃると思います。
人は常に学びの姿勢を持っていなければ成長というのは止まってしまいます。それは何歳になっても同じことです。
とは言っても私ぐらいの年齢になるとなかなか物を覚えるのもたやすくはありません。
世間では勉強法なるものは山ほどあり実際何がいいのか分からなくなります。
そこで科学的エビデンスに基づいた方法だけを抽出してご紹介します。
結構当たり前と思ってしている行為が根拠も何もない思いこみのものだった、とかいうのも出てくるかもしれません。使うか使わないかは皆さん自身の判断ですが試してみる価値はあると思います。
なお、本日の元ネタとなっているのは「実験心理学が見つけた超効率的勉強法」という本です。そこに少しアレンジしたものを紹介していきます。
赤ペンは使わない
頭を使う作業には赤ペンはNGです。
赤色には人間を消極的にする効果、物事を避けさせる効果、思考力を落とさせる効果があります。
テストの氏名欄の枠を赤にするだけでも点数が下がったという研究結果もあるくらいです。ですので実は赤ペン先生は生徒の成績を下げさせていた可能性もあるのです。
勉強に使用するのなら黒、青、緑が向いています。
勉強は間が大事
勉強には2種類あります。集中学習と分散学習です。
集中学習とは学習したことをすぐに復習する勉強方法です。
分散学習とはある適切な時間間隔を空けて復習する勉強方法です。
あと人間の記憶には短期記憶と長期記憶があります。
資格試験などでは長期記憶として頭に入れておかないと試験問題は解けません。
ですが習ったことを繰り返し復習するという集中学習では短期記憶にしかなっておらずいつになっても長期記憶には入ってこないのです。
ではどうしたら長期記憶に入ってくるのか。長期記憶にするには思い出す作業というのが必要になります。
忘れるか忘れないかのタイミングで手がかりを元に思い出す、つまりすぐに復習ではなくて一定の時間間隔を空けた分散学習が効果的だということです。集中学習は出来たような気になっているだけなのです。
分散学習のメカニズム
分散学習がなぜ効果的なのかを説明します。
ある事柄△を覚えたとします。覚えた瞬間に△の内容は脳に蓄えられると思われるかもしれないですがそうではありません。
どんな事柄でも脳に記憶されるのには時間がかかります。ですので△を覚えた直後に△に関する復習を繰り返してもしっかり記憶されたことにはならないのです。
それよりも△をしっかり記憶する為に脳がひそかに働いているとき、つまり△を覚えた数日後に△を復習することが効果的なのです。
なぜならその復習は脳のひそかな働きを助けることになり結果としてよりしっかりとした記憶が出来上がるからです。
1:5の法則
それでは覚えた数日後とはどのぐらいなのか。これは1:5がいいとのことです。
例えば、今日覚えた事柄のテスト本番が35日後である場合で復習日が1回しかとれないのであればその復習日は7日後がベストとなります。
カプリッケの研究
最初の復習日は5:1で以降は7~10日ごとの一定の間隔で行うのが良いという研究結果がカプリッケという科学者から出されています。
ツァイガルニク効果
ツァイガルニク効果というのがあります。
これは人は達成出来なかった事柄や中断している事柄に対してより強い記憶や印象を持つという心理効果です。
例えば街中でよく目にする、「続きはWEBで」の台詞で締めくくられた広告。
興味がなかったはずの広告でも、中途半端なところで切られたせいで、なんだか続きが気になってしまう、ということもツァイガルニク効果です。
仕事や勉強でも中途半端に終わらせてしまった後のあのモヤモヤした感じ、そうあんな感じの心理状態です。
そういう中途半端に中断している状態の方がより記憶に残るというこの効果を上手く使う方法があります。
問題を解いたあとの答え合わせをすぐしないという方法です。
答え合わせを遅らせるとすぐやった場合に比べて記憶の定着率が1.5倍上がるとのことです。
これは答え合わせまでに間隔をとることで問題に何回もふれることにもなり記憶の定着化にもつながります。
ですのでやり方としては、夜問題を解いてそのまま寝て朝に答え合わせをする、などが効果的です。
系列位置効果
また勉強する時の順番が記憶の定着に作用します。
要は最初と最後は頭に残りやすく真ん中が最も頭に残りにくいということです。
ですので苦手な科目や項目は勉強の最初か最後に持ってくるのが効果的だということです。
まとめ
勉強とは量ももちろん大切ですがもっと大切なのはその質です。
そしてどのような方法が一番効率的かということをエビデンスに基づいて知っているのといないのとでは大きな差となって現れます。
資格試験にしろ何にしろ勉強時間は限られてきます。その中でいかに効率的に学習するか、そこがポイントです。
勉強とは一生続けるものです。そうであるならば自分に合った学習スタイルを確立しておくべきです。
そういう点で今回の方法論が少しでも役に立てれば幸いです。