医事関連のテーマを中心に感じたこと、考えたことを綴っていきます

【Win-Lose】医療事務員こそ俯瞰せよ!その2【仕事と俯瞰力】

以前に「医療事務員こそ俯瞰せよ」という記事を書きましたが今回はその第2弾です。

【メタ認知】医療事務員こそ俯瞰せよ!【仕事と俯瞰力】

Win-Loseの意味を考えてもらおうという内容になっています。

ごまお

Win-WinとWin-Lose

【Win-Lose】医療事務員こそ俯瞰せよ!その2【仕事と俯瞰力】

結論

やはりメタ認知力(俯瞰力)に帰結します。

<この話はフィクションです。>

直談判

これはある病院の診療情報管理室の話です。

当管理室には診療情報管理士が3名所属しています。

内訳は主任である7年目のAさんと2年目のBさん、新人のCさんです。

(室長は定年退職となりその補充として今年Cさんが入職しました。)

体裁上3名とはなっていますが実質ほぼすべての業務を行っているのは主任であるAさんです。

BさんもCさんもAさんの指示、指導がないと完全には業務を回せません。

主任のAさんは長らく自分の給料が自分の働き、頑張りに見合っていないと思っていてそれがずっと不満でした。

最近外部評価により診療記録の質的点検が不十分との指摘を受け院内で新たに委員会を立ち上げ医師、診療情報管理士が中心となって質的点検の強化に取り組む話が進んでいるところでした。

お世辞にも人に物を教えるのが上手いとはいえず、なんでも自分でやってしまうたちのAさんはこう思います。

「今でも大変なのにこれ以上仕事を増やされたらやってられない」

「こんなに給料は安いのにこれじゃ納得いかない」

Aさんは数年前から転職も視野に入れつつ働いていました。

「もう本当に転職する時期かもしれない」

「でもできれば慣れたこの職場で続けたい」

「給料を上げてもらうよう交渉できないか」

考えた結果Aさんが出した答えは給料アップの交渉でした。

「今自分に辞められたら困るんじゃないか。ダメもとで言ってやる。」

Aさんは診療情報管理室の現状、自分がやってきた業務と今後の展望、予測そして要望が受け入れられない場合は転職の意向であることを上司に伝えました。

後日伝えられた結果は給料のアップでした。

「頑張ってきてくれたことは認める。係長に昇進しての手当というのは無理だが職務手当として特別につける。」

なかば諦め半分だったAさんは大喜びです。

「交渉して正解だった。やっぱり自分がいないとダメなんだ。」

Aさんは交渉に勝ったという満足感でいっぱいでした。

舞台裏

医事部長「Aさんも思い切ったことをしますね。マジメなだけかと思っていましたが」

事務長「まわりがちっとも見えていないね。そして自分が辞めたら困るでしょという勘違いがはなはだしい。」

医事部長「実際今辞められると困りますがね。」

事務長「今はね。だが後輩を育てず全部自分でやってしまっていることをどう思っているんだろうね。」

医事部長「ひとりの診療情報管理士としては優秀なんですがね。」

事務長「今は主任だからねえ」

医事部長「実際どうしますか?」

事務長「別に辞めてもらってもいいが後任が見つかるまで残りの2人に任せるのも荷が重すぎる」

医事部長「彼はリーダーには向いていませんでしたが診療情報管理士としては仕事はできます。今の状況と今後のことを考えれば置いておくのもひとつの案です。」

事務長「平では優秀だが、主任では無能ということか。

まさにピーターの法則だな。

【有能な人はいなくなる?】組織って無能の集まりなの?【ピーターの法則】

しかし今は残ってくれる方がメリットはある。」

医事部長「このままの給料では辞めるとのことですが。」

事務長「今回だけは特別に職務手当ということで認めよう。」

医事部長「いいんですか。例外中の例外ですが。」

事務長「背に腹はかえられん。これからが大事な時期なんだから彼にはもっと活躍してもらおうじゃないか。もちろん一人の診療情報管理士としてだがね。」

医事部長「主任としての期待は?」

事務長「今回のことで明らかになったじゃないか。後輩育成を怠り、自分のことしか見えていない者には無理だったということが。」

医事部長「将来の室長候補だったんですがね。」

事務長「彼には目先のことしか見えていない。

それに今の自分の能力はすべて自分の頑張りによるものという思い込みが強すぎる。

もちろん一生懸命頑張ってきたのはたしかだろう。

しかし彼自身も新人の頃は右も左も分からず一人前には程遠かった。

そこをサポートし育ててくれたのは前室長だったということは彼が一番良く知っているはず。

なのに今回こういう行動をとったということは残念でならない。

なぜ、ながらく主任のままなのか、給料が上がらないのか。

その点に疑問を投げかけ自分と向き合う姿勢がない者の評価は落ち続けるしかない。」

医事部長「それでも今回は手当をつけた上で残すと?」

事務長「あくまで急場しのぎさ。

医療の質向上に向けて診療記録の質的点検は最重要のもののひとつ。

この部分の強化は必須だ。

そしてこれには診療情報管理士が中心の一端をになっている。

残念ながら今の時点でそれを任せられるのは彼だけだ。

彼が自分で変わらなければ今後役職が上がり手当がつくということはないだろう。

なぜ今回役職手当ではなく特例の職務手当となっているのか。

彼に考えてもらうラストチャンスという意味あいも含んでいる。

はたして彼がそこまで深く考えるかどうかだがね。」

医事部長「考えないでしょうね。自分の主張がとおった、自分の実力が認められたと勘違いする可能性が高いですね。」

事務長「社会にそんなうまい話なんてないんだがね。

まして個人対法人で個人の言い分がとおることなんて普通ないんだから、逆に勘ぐらないといけないんだがね。

彼は今回のことで目先のお金は得たが代わりに大きなものを失った。

しかしそのことには当分気づけないだろう。

長い目で見た場合、今回彼がすべきだったことは次のとおりだ。

1.後輩の育成

 

2.診療情報管理士ではなくて診療情報管理室としての目線

 

3.自分の市場価値への客観的評価

もっと俯瞰することができていたら結果は大きく変わっていただろうね。」

医事部長「現時点での彼への我々の評価はものごとを俯瞰できず、人材育成もままならないリーダー不適合者という最悪なものですからね。」

事務長「まさか自分の評価がそんなものだとはつゆほども思っていないだろう。

だって自分の言い分が通っているんだからね。

さっきも言ったように自分の言い分が通ったときほど気をつけた方がいい。

それは相手側に立つことができれば分かることなんだ。

なぜ引いたのか、譲ったのか。

それはそうした方が最終的にはメリットがあると判断したからだ。

逆に言えば言い分が通っている方にも必ずデメリットがあるということだ。

そして結果的にはそちらの方が失うものは大きい。

自分の待遇が悪い、環境が悪いと嘆く人こそものごとはもっと広く見なければいけない。

自分目線じゃダメなんだ。

主観で見てしまうとものごとは見誤る。

そしてそのことには自分では気づけない。

客観的に見て本当に環境が悪ければ転職すればいい。

だが今回の彼のように自分の損得勘定だけで行動してしまうと確実に失敗する。

相手関係がある中で100%正しい、100%通る話なんてないということを肝に銘じること。

逆に100%通ったと感じたらのちのち70%ぐらいは返さないといけないと覚悟しておくことだ。

結局メタ認知を高めておかなくては仕事も人生も損をする羽目になる。」

医事部長「でもメタ認知が低いから損をしていることすら気づかない。」

事務長「Aさんにはそうならないように願うがね。でさっそくだが彼の上司の求人を出しておいてくれるかね。」

まとめ

今回のAさんは今の慣れた職場環境をキープしたまま給料アップを試みました。

ですが何も失わず何かだけ得るなんてことは社会ではありえないのです。

ですので今回Aさんは上司からの信頼を失っています。

これは目先のお金など比較にならないほどの大きな損失です。

Aさんのような思い切った行動に出る人は多くはないと思いますが自分を過信しているベテランはかなりいると思います。

簡単にいえば自分はできると思っている人です。

その人たちに高めていってほしいのがメタ認知力(俯瞰力)です。

俯瞰できない人は仕事ができない人。

でも仕事ができない人は自分では仕事ができないとは思っていません。

ここが一番不幸です。

そして意識して行動していかないと一生そのままです。

仕事にはマストなスキルであるメタ認知力(俯瞰力)をぜひ鍛えていってほしいなと思います。

ごまお

本質を見極めるにはメタ認知が必須

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です