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終息はいつ?~麻疹(はしか)への対応~

麻疹(はしか)の患者報告数が200人を超えたことが26日、国立感染症研究所の報告で分かりました。

8割近くが国内で感染したと推定されています。

医療機関や公共施設など不特定多数の人が利用する場所で感染するケースが絶えず患者の増加が止まらない状況が続いています。

同研究所によると2019年の患者報告数(20日現在)は222人。過去10年間で最も多かった2009年を上回るペースで増えているとのことです。

都道府県別では、大阪が77人で最も多く、以下は三重(49人)、愛知(20人)、東京(14人)、京都(9人)、神奈川(8人)、和歌山(7人)、岐阜と広島(共に5人)、千葉(4人)、北海道、茨城、静岡(いずれも3人)と22都道府県に及んでいます。

渡航先のフィリピンやベトナムといった東南アジアでかかったとみられる人が目立っています。

近畿圏や首都圏で患者が増加傾向で大阪府は2019年の患者報告数について「昨年1年間の報告数の5倍以上」としています。

いまだ終息の目途どころかまだ増えていきそうな勢いもある感じですが、一般の生活者としての対策、対応と医療機関側としての対応を見ていきます。

麻疹(はしか)とは

はしかは、ウイルスに感染後、約10~14日間の潜伏期間を経て、38度前後の熱やせきなどの風邪に似た症状が出ます。

その後2~4日間症状が続き一度は熱が下がりますが再度39度以上の熱や発疹が出ます。

熱が下がってからも3日程度は人にうつす恐れがあり、患者のくしゃみなどで空気中に浮遊するウイルスを吸い込んだだけでもかかってしまいます。

また、手洗いやマスクでは防げず、免疫がなければほとんどの場合(約90%)発症します。

麻しんは空気感染によって拡がる代表的な感染症でその感染力は強く、1人の発症者から12~14人に感染させると言われています。

麻しん発症者が周囲の人に感染させることが可能な期間は、発熱等の症状が出現する1日前から発疹出現後4~5日目くらいまでです。

治療薬はありませんが、ワクチンを2回接種することが有効とされています。

現在は、1歳児と就学前に2回、予防接種を受けることになっています。それでも感染することはありますが、症状は比較的軽くて済み、感染力も弱まります。

また、麻しんの患者に接触した場合、72時間以内に麻しんワクチンの接種をすることで、麻しんの発症を予防出来る可能性があります。

なお一度典型的な麻疹を発症した人は、通常は生涯にわたる免疫(終生免疫)が獲得され再び麻疹を発症することはありません。

医療機関での感染

麻疹の患者増加に伴い医療機関の外来、入院患者から感染が広がるケースが相次いでいます。

患者や職員が感染した病院では、他の患者との行動経路を別に確保したり職員への感染を阻止するためにワクチンを追加投与するといった対処をしています。

麻疹の疑いや麻疹と患者が診断された場合

発熱や発しんを呈する患者を診察した際は、麻しんの可能性を念頭に置き海外渡航歴及び国内旅行歴を聴取し麻しんの罹患歴及び予防接種歴を確認するなど、麻しんを意識した診療を行う必要があります。

また麻しんと診断した場合には、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第12条第1項の規定に基づき管轄の保健所長へ速やかに届け出るとともに院内感染予防対策を実施が必要となります。

麻疹の疑いの患者が来院された場合

麻疹の発症が疑われる患者から受診の連絡を受けた場合は、来院後に当該患者が待機できるスペースを準備し可能であれば来院時に別の入り口に誘導するなどし出来る限り他の患者との接触がないような配慮が必要です。

また、来院の際は電車、バスなどの公共交通機関の利用は避けてもらうように伝えておくことも必要です。

更に麻疹患者との接触が明らかで、麻疹が強く疑われる症状を認めた場合は、出来る限り受診前に電話等で受診方法を相談してもらことが望ましいのですが、相談なく受診された場合は受付の段階で速やかに申し出てもらうよう掲示し、速やかに別室に誘導・個室管理できるように予め準備しておくことも必要です。

まとめ

昨日現在では近畿圏、首都圏での患者数が多いですが麻疹は空気感染する極めて感染力の強いものなので罹患者の移動によってどの都道府県において患者が発生しても不思議ではない状況です。

医療機関とすれば事前に電話での受診依頼があることが望ましいですが、たとえ直接来院されたとしても落ち着いて対応することが必要です。

ポイントは院内感染の防止ですので隔離された部屋への案内など他患者との全く異なる動線(行動経路)を確保することが重要です。

まだ当分注意して患者数の推移を追っていく必要はあるとは思いますが、少しでも早く終息してくれることを願っています。

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