医事関連のテーマを中心に感じたこと、考えたことを綴っていきます

まだ増えるの?~麻疹・風疹~

国立感染症研究所は5日、2月24日までの1週間で新たに33人の麻疹(はしか)患者が報告されたと発表しました。

これで今年に入ってからの累計は258人になりました。

一方、風疹の流行も続いています。同研究所によりますと、2月24日までの1週間で新たに109人の患者が報告さています。

100人を超えたのは約2か月ぶりで、今年に入ってからの累計は650人となりました。

先日も当ブログの記事で罹患者の移動によってどの都道府県において患者が発生しても不思議ではないと書いたのですがまさにそのような状況になりつつもあります。

今後も十分注意はしないといけないですが、それは自分自身もそうですし、患者が来院した場合についてもそうですがもう一度備忘録としても記しておきます。

麻疹(はしか)と風疹

麻疹は患者のくしゃみなどのしぶきからだけではなく、ウイルスが浮遊した空気を吸い込むことでもかかります。

感染から約10日後発熱やせきなどの風邪に似た症状がみられます。その後39度以上の高熱や発疹が出ます。

風疹は、くしゃみのしぶきなどで感染します。感染後約2?3週間で発熱や発疹、リンパ節の腫れなどが出ます。

妊娠初期の女性がかかると、おなかの中の赤ちゃんに難聴や白内障、心臓病といった障害が起こる可能性が高いとされています。

麻疹の現況

発表によると都道府県別では大阪が94人で最も多く、三重50人、愛知25人、東京19人と続いています。

21都道府県から250人超の報告がありこのうち約8割が国内で感染したとみられています。

同研究所は今後、時期的にさらに人の移動が活発となることも含め、国内で発生が継続する可能性が高いと考えられるとしてます。

そして過去10年間で最も多かった09年を上回るペースで増えている現況です。

年齢別では20歳代と30歳代が全体の半数近くを占めています。ワクチンの接種歴については接種なしが97人で最も多くなっています。

風疹の現況

都道府県別では、最も多い東京が173人、神奈川93人、千葉68人、大阪59人の順となっています。

報告患者の94%が成人で、男性が女性の3.3倍となっています。

予防接種歴についてはなしと不明が全体の9割超を占めているということです。

予防手段

唯一の手段は予防接種です。今回報告を受けている風疹患者の中心は過去にワクチンを受けておらず風疹ウイルスに感染したことがない抗体を保有していない方達です。

また麻疹は感染力が強く空気感染するので、手洗い、マスクのみでの予防は不可能です。

麻疹も予防接種が最も有効な予防法といえます。

更に麻疹の患者さんに接触した場合72時間以内に麻疹ワクチンの接種をすることで麻疹の発症を予防出来る可能性があります。

ワクチン接種

風疹については今の制度では1歳と小学校入学前の2回ワクチンの定期接種を受けることになっています。

ところが制度が何度も変更された影響で現在39~56歳の男性は無料で受けられる定期接種の機会が一度もありませんでした。

このため免疫を持っている割合が79%とほかの世代や女性に比べて低くなっています。

今年の患者の中心も30~50代の男性です。

また麻疹も同様で過去に麻疹の罹患歴がなく2回の予防接種が明らかでない場合は感染する可能性がありますのでワクチン接種が必要になってきます。

要は抗体を十分に持っていない人達がまだかなりいるので繰り返し流行が起きるのです。

国の対策

厚労省は今年の流行を受けてようやく未接種の層への対策が不可欠として2019年から3年にわたり、現在39~56歳の世代を定期接種の対象にすると発表しました。

抗体検査で免疫が十分でないと判断された人がワクチン接種をした場合原則無料で受けられるようになるとのことです。

しかしそれで接種率が上がるのかというと疑問です。

過去にワクチンの接種率が低かった今の31~39歳の男女に対し医療機関に行けばいつでも定期接種を受けられるような制度を設けたことがありましたが接種率は上がりませんでした。

今回の流行では30代の患者も相次いでいます。

1番の問題は今回の対象者となる働く世代の男性達にいつ抗体検査や予防接種を受けてもらうのかという点です。

厚労省は今後職場での健康診断などの際に抗体検査も受けられるようにしたいとしていますが予防接種の為に改めて受診する必要が出て来ますので職場の休暇制度や環境作りから変えていかないとなかなか上手くいかないだろうと思います。

まとめ

厚労省はもっと大々的に積極的なワクチン接種を勧めるべきです。

2020年東京オリンピックでは多くの人々が集まることにって様々な感染症が伝播しやすい環境となってしまいます。

海外からの感染症の恐れもありますし、逆に日本で流行しているものに外国人が感染し帰国してしまう恐れもあります。

今回の麻疹、風疹についても身近で起きなければ人はまだ他人ごとである部分が大きいです。

ワクチン接種を推奨するというようなレベルでは弱いでしょうし、実際公費で助成するといってもそれを促進するような職場環境の整備、企業の協力体制などが必要不可欠です。

国の意識、私達の意識を変えていかないといけないのでしょう。

 

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