以前にも書いていますが私は医療事務資格不要論者です。



医療事務資格を取得して即戦力にとか、医療事務資格があるから、ない人と差別化できるという企業の宣伝文句はすべてまやかしだと思っています。
ですがここで勘違いしてほしくないのは、資格勉強を否定しているわけではないということです。
むしろ資格勉強は推奨派です。
資格は不要といいながら資格勉強は推奨という一見矛盾している主張に思えるかもしれないですがそうではなく、それは連動していてそしてもっと大事なマインドがそこにはある、ということを伝えるために今回は書いていきます。
ごまお
目次
【働きながら】資格勉強には大きな意味がある!
結論
学び続ける姿勢が大事。そのプロセスを重要視すべき。
医療事務員資格論
資格って何のため?
以前にも述べていますが、私の医療事務における資格についての結論は以下のとおりです。
・医療事務○○やメディカル△△などのいわゆる医療事務資格はいらない
・診療報酬請求事務能力定試験もいらない
・診療情報管理士・医療情報技師・医療経営士・施設基準管理士などは取っておいた方がいい
・学士は取っておいた方がいい
これはあくまで私個人の意見ですので、納得いかない人も多数いると思います。
それは今いるポジション、経験、価値観によって人それぞれですので、何が正しいかなんてことは言えません。
そして今回はそこについて述べたいわけではないのです。
そもそも論として資格って何のために必要なんでしょう?
医師や看護師、薬剤師、診療放射線技師は業務独占資格です。
また理学療法士、作業療法士、管理栄養士などは名称独占資格です。
つまり無資格で業務を行ったり、無資格で名称を名乗ると処罰対象となります。
ですので資格取得が前提です。
対して医療事務にはその前提がありません。
別に無資格で働けますし、そんな人は山ほどいます。
だから資格があるから有利、不利なんてことはありませんし、むしろ資格なんて何にも持っていないという人で優秀な人なんてたくさんいます。
何が言いたいのかというと、資格取得を目的、ゴールと見定めてしまうと見誤るということです。
要はマインドセットの問題です。
結局のところ、それは何のために行うのかということが自分の中で消化できていなければ、時間のムダとなる可能性が高いということです。
だから重視すべきは結果よりもそのプロセスなのです。
マインドセット
社会人の1日の平均勉強時間はたったの6分なんだそうです。
これは平均なのでまったくしない人多数、やっている人はやっているという構図だと思います。
これは医療事務についてもまったく同じことで、大部分の人は自主的に学ぶということはしていないと思います。
というか
「そんな時間なんてねえよ」
「残業のあと勉強なんてムリ」
って思う人が多いと思います。
これは確かにそうなんです。
働きながら学び続けるってすごくハードルが高いんです。
この言い方はちょっと語弊があって、すごくハードルが高いって思い込んでしまいがち、の方が正しいです。
率直に言って日中働き、空き時間で勉強、そして睡眠時間も十分確保するってムリゲーです。
睡眠時間を8時間とろうとして朝6時に起きようとするのなら、22時に就寝する必要があります。
定時に帰れるならまだしも、残業して19時、20時とかに帰宅となれば夕食を済ましてお風呂に入ればもう時間は残っていないわけです。
そう考えると社会人ってホントに時間がないのです。
ただしここには注釈がつきます。
※自分にその意識がなければ
ということです。
そして実際そんな人がマジョリティなのです。
だから結局マインドセットの問題になるのです。
将来を見すえ現状に危機意識が持てなければ、学習意欲なんてわくはずがないのです。
日々の積み重ねがいつか大きな結果に結びつくと思えなければ、勉強しようとはならないのです。
医療事務に関しては特にこの現状への危機意識というものを抱いていない人が非常に多いように思います。
424病院のリストが出たところであくまで他人ごと、病院は潰れないという思い込み、今の自分の業務はこのまま残り続けるという見立て、すべて根拠も何もない都合のいい解釈です。
とはいっても給料には不満がある、でも半分諦めている部分もある。
つまりは思考停止です。
自分は変われない、そして周りの状況も変わらないでほしいし、変わらないはずと思い込もうとしている。
完全なる現状維持思考。
これは今までならなんとかやってこれた思考です。
ですがこの先は通用しない。
これから病院淘汰は確実に進みます。
実際潰れていく病院も増えてくるでしょう。
そうなった場合、自院でしか通用しない医療事務員ではどうしようもないのです。
しきりに市場価値を高めようと述べているのはそのためです。

ですが実際は市場価値を意識している医療事務員は多くはありません。
大部分の人が見ているのは自分が所属している医事課だけであり、その上司です。
そこのマインドを変えなければ絶対勉強しようなんて思いません。
学ぶ意味
冒頭で資格は不要だが資格勉強は推奨という矛盾のようなことを述べました。
ですがこれは矛盾ではありません。
要はとらえ方の問題です。
普通は資格取得が目的で資格勉強はその手段だというとらえ方です。
ですがこれは逆だと思うのです。
つまり、資格取得のための勉強、そのプロセスから得た知識や経験の取得が目的であるべきで、資格取得はそれを得るためのモチベの役割、そして結果的に手にいれた副次的なもの、というとらえ方をするべきではないかと。
そうしないと資格取得だけの勉強で終わってしまいます。
本来の学ぶ意味というのは仕事において、人生において役に立ってこそ真の意味あるものになるのであって、資格取得後に何の役にも立たない学びならその生産性は高くありません。
投下したリソースに対する費用対効果は低いものとなってしまいます。
そしてまさに医療事務の資格はそこに当てはまってしまうのです。
私が不要と結論づける理由がここにあります。
手書きレセプトがその最たるものです。
それは実務では一切使わないスキル。
それよりもITスキルを身につけた方がよっぽど役に立ちます。
学んだ先のゴールをどこに置くのか、それは自分にとって将来的に意味があるものなのか、その点をしっかり考慮していないと勉強に費やした時間をムダにしかねないのです。
働きながら学ぶ
正直、働きながら勉強するってすごく大変です。
そしてそれを継続していくことはとても難しい。
ですがそれはすごく大きな意味を持つ。
社会人の平均勉強時間が1日6分だとすれば、仮に1日30分勉強すれば人の5倍勉強していることになります。
この積み重ねによる差はとんでもなく広がります。
確実に周りよりワンステージ上にいくことができます。
そして仮にその差がそんなになくても、勉強しているその事実、経験は確実に自分を今より成長させてくれます。
本番試験のあの緊張感、合否発表のドキドキ感、それは社会人をなんとなく過ごしていれば決して出会うことがない貴重な経験です。
そしてそのとき必ず自分と向き合わなければならなくなります。
そして自問自答することになります。
ここが大きいと思います。
なんとなく日々を過ごしていて自分と向き合い、自問自答することなんてまあ来ないですから。
そこを経験値として蓄積できるだけでも自分にとっては大きな収穫となります。
そして自分と向き合える人はメタ認知能力も高まります。
自分の状況を客観視するようになるのでそれはすなわち俯瞰力アップにつながるのです。
働きながら学ぶってことはその困難さが高い分、自分へのリターンも大きいのです。
まとめ
働きながら資格勉強することには大きな意味があります。
それはやった人にしかわからない。
それによって得た知識、経験は自分の成長に大きくプラスに働きます。
大事なのは学び続ける姿勢そのもの。
たとえ今年受からなかったとしても来年また受ければいい。
その挑戦するマインドがあるだけで伸びしろは十分あります。
そしてそれは別に資格勉強に限りません。
本を読んで感受性を高めるでもいいですし、簿記の本で経理を学ぶでもいい。
ITに強くなろうとWebでいろいろ調べるでもいい。
とにかく新しい知識やスキルを身につけようとするマインドさえあれば、誰でも成長できる。
そして病院淘汰のフェーズに入っていくこの先、成長志向のない医療事務員では必ず苦しくなります。
そして今でいう医療事務スキルしかない人ではできる仕事が限られてくる。
そしてそこに人が集中すれば買い叩かれるのは当然の話。
それを避けたいのであれば、働きながらも学び続けることってとても大事なことなのです。
この先も医療事務員でやっていこうとするのであれば新しい知識、スキルの習得はマストです。
必要なのはプラスアルファの力。
医療事務プラス何か(プラスアルファ)。
そこの付加価値がなければ将来食える医療事務員で残っていることはかなり難しい、そう思います。
であるならば動き出すのは今しかない。
明日から2020年です。
来年あなたの目標は何ですか?
特に何もないという人ならば、数年スパンでもいいので一つ資格取得を目指すとしてはどうでしょうか?
もしくはまったく新たなスキルを身につけるとか。
その思考があるだけで日々の生活は変わるはずです。
そして自分自身が変化していると実感できます。
思考も大事ですが行動はもっと大事。
インプットも大事ですがアウトプットはもっと大事。
ぜひ行動できる医療事務員を目指してください。
私も負けないように頑張ります。