データサイエンティストと呼ばれる職種があります。
データサイエンティストとは大量のデータ、すなわちビッグデータからビジネスに活用できる情報を引き出す専門技術者のことです。
具体的にはデータの分析及び分析結果をもとに問題の解決や状況改善のための施策立案を行います。
統計学やデータ分析に関する専門知識のみならず、ビジネスの知識、コミュニケーション力など高度なスキルが求められる仕事です。
将来的には確実に需要がある職種でありながら現在その数はまだまだ少ない実情です。
その医療情報分野版ともいえるのがヘルスデータサイエンティスト(HDS)です。
まだまだなじみのないHDSについて今回は見ていくことにします。
目次
ヘルスデータサイエンティストって何?【食いっぱぐれること0%】
結論
データサイエンス分野と医療情報分野の知識、スキルを併せ持った人材ならば一生食うことには困りません。
ヘルスデータを扱う専門職
厚生労働省が発表している「国民の健康確保のためのビッグデータ活用促進に関するデータヘルス改革推進計画」では、全国保健医療情報ネットワーク、保険医療データプラットフォームを2020年度から本格稼働させることを予定としています。
これらハード面の整備に伴い健康や医療に関連する種々のデータを扱う専門職が必要とされるようになります。
最近のIoTの普及に伴いヘルスケアに関連したデータの幅は急速に広がっています。
最近では個人でも簡単にスマホアプリやスマートブレスレットなどから心拍や血圧などのライフログデータを取得することが可能となっています。
このようなデータは政府が推進する疾患予防や未病状態での生活改善などには欠かせないものです。
経団連が発表した提言「Society5.0時代のヘルスケア」では個人のデータ化が進む中、各人が健康維持に主体的に関与することや予防医療の重要性、新たなヘルスケアサービスの構築を訴えています。
⇒⇒⇒ヘルスデータサイエンティストが担う未来とは?【Society5.0時代に向けて】
各種のヘルスデータを活用し効率的に個人の健康をマネジメントできるシステムとその人材が求められているのです。
HDSに求められるスキル
しかも医療現場とデータ分析の現場をつなぐHDSは単にデータ分析の専門家では不十分です。
少なくとも次の4つのスキルは必要です。
①医療現場の業務知識
②統計的根拠に基づくデータ解析力
③技術や事例のトレンド知識
④コミュニケーション能力
です。
データサイエンティストのスキルはそのままにプラスアルファの医療情報に関する知識も必要になります。
もともとデータサイエンティストとは統計・確率、データ統計処理手法、データベースに関する専門的知識から、プログラミングスキル、ビジネスに関する知識や利益を生み出す為の予測モデルの立案能力まで幅広い知識とスキルを必要とします。
特にデータ分析では統計学は避けて通れません。
近年ソフトウェアの進歩によって分析自体は容易になってきていますが得られたデータをどのような手法で分析するか、分析結果から何が読み取れるかを考える際には統計学的知識が求められます。
更に分析ツールやデータベース等に関する高度な専門知識が必須なのです。
HDSの資格
現在データサイエンティストに定められた必須の資格というものはありません。
しかし統計検定や基本情報処理技術者、オラクルマスターなどの資格やプログラミングスキルが必要なスキルとされています。
そしてHDSに関していえば現在ヘルスデータサイエンティスト協会という団体が設立されており資格試験の準備を進めています。
現在は医療経営や医療統計などを学ぶ人材に対しての医療の専門職として取得出来る資格がないのでそこを確立していくとのことです。
まとめ
HDSの需要は今後ますます増えていきます。対して人材は圧倒的に足りていません。
そもそも今後ますますIT関連職種は人材が必要になるにも関わらず足りていない状態が続くと予想されています。
ですのでこの分野の職種が一番将来性があると言えます。
IT、AI化で将来プログラマーの職域さえもなくなっていくんじゃないかと言われますがデータ解析は自動化されたとしてもそこからの分析、予測立案するにはその人材が必ずいります。
そういう意味ではもしプログラマーの需要がなくなってくる状況が来るとすればその時点ではほかの職種の需要はもっとなくなっている筈です。
IT関連の職種が一番長生きな職業になっていくんじゃないかと思われます。
そしてその分野と医療情報分野の知識、スキルを併せ持った人材ならば今後一生食うことには困らないんじゃないかと思います。
ただし、なるには恐ろしく難易度は高いです。
現在統計学やプログラミングを学んでいる人で医療分野にも興味がある学生や社会人の方だと比較的目指しやすいかなとは思いますが。
もし医療事務員から目指すとなると難易度120%でしょうがなれる可能性がゼロではありません。
たとえHDSにならなくてもデータ分析は今後医療事務員でも出来ないとやっていけない時代が必ず来ますのでそれを踏まえるのならば統計検定などを目標に学んでみることも価値あることだと思います。