レセプトは自己満の世界です

2020年最初のレセ期間もいよいよ終わろうとしています。

レセプト担当者にとって正月、ゴールデンウィークは全然うれしくありません。

月初に休日が集まれば集まるほど、限られた10日間の日にちは減っていくからです。

それこそ休日出勤で補うか、休み明けに残業を重ねて補うかどちらしかないと思ってしまいがちです。

ですがホントにそれしか手段はないのでしょうか?

今回はレセプト業務って結局自分のマインドセットしだいじゃね、という話です。

ごまお

レセプトは結局自分しだい!?

レセプトは自己満の世界です

結論

たとえ日数が短くなってもやり方はいくらでもある。

 

どうしたら短い期間でもできるかということを考えていない、試していない時点であなたにはムリです。

今も昔もレセプト=残業

はっきりいってレセプト担当者は麻痺しています。

何にかといえば、レセプト期間の残業にです。

この話は以前にも何度かしています。

内容としては重複するのですが、それでも述べておきます。

これはもう仕事量どうこうの問題ではなく、レセプト業務に携わっている人のマインドセットの問題だと思うのです。

普通に考えてレセプトチェッカーがあり、毎月査定、返戻のフィードバックがあり、分析し対策を打とうと思えばいくらでも打てる現在の状況で依然残業があるというのはおかしいのです。

それでも減ってきたというところも多いでしょう。

ですが私個人の見解を言わせてもらうと、現時点においてレセプト残業がいまだにあるというところは医事課マインドセットを変えられないところであり、今後も残業がなくなることはありません。

そう言い切る理由は2点あります。

①レセプト期間だから残業があるという刷り込みがもう消せない。

 

そしてレセプト期間だから残業も仕方なし、許されるという想いを捨てることができない。

 

これはベテランであるほど顕著。

 

もう残業ありきのレセプト業務の組み立てしかできない。

 

 

②レセプト業務こそ質を最優先すべきという信仰心がとても強い。

 

そこには生産性の概念は存在しない。

もうここに尽きると思うのです。

捨てるべきはレセプト残業当たり前バイアス、持つべきものはレセプト業務の生産性概念です。

ベテランであればあるほど、レセプトは残業があるものという思い込みが強いです。

確かに昔はレセプトは残業しないと終わらない業務でした。

しかしそれはすべてが紙の業務だったからです。

それこそ数百枚、数千枚という紙レセプトを一から点検していくには時間内ではとうてい終わるものではありません。

どうしてもインプット量を増やしてアウトプット量も増やすというやり方しかありませんでした。

ましてDPCが導入される前はすべてが出来高レセプトです。

それこそ入院レセプト1件にどれだけ時間がかかるんだってこともザラでした。

しかしもうそんな時代は遠い昔のことです。

いまやレセプトチェッカーを活用して十分な分析と対策を練れば目視点検は理論上省略可能です。

というかすでにそういう医療機関も出てきています。

もうそのような時代なのです。

レセプト期間だから残業する、そういう時代はもう終わっていくのです。

レセプト崇拝

とはいっても依然レセプト残業があるところって多いと思います。

それにはいろいろな原因が合わさっている場合もあるでしょう。

個人の努力だけではどうにもならないことだってあるでしょう。

しかしそれでもレセプト残業はなくせるはずです。

レセプト残業しないためにはどういうマインドセットで、どういう行動をとればいいのかということは以前に書きました。

20年選手が思うレセプト残業しないための10のこと

その中で書いていることはどれも大事だとは思いますが、結局のところ生産性という概念があるかないかだと思います。

これはその上司、部下、そして医事課全体それぞれにいえることです。

そもそもレセプト担当者に生産性を意識しているのかという質問をすれば、おそらく大部分の人が「何それ?」って感じると思います。

それぐらいレセプト業務において生産性を意識している人って少ないです。

これはレセプト業務特有の価値観、とらえ方に原因があるように思います。

つまりレセプトは病院収益の根幹である、なので超重要ということです。

これはまさにその通りです。

ですがその超重要の部分だけが残り、とにかくレセプトの精度を上げることが正義というレセプト至上主義、レセプト崇拝を生んでいるのだと思います。

正確な請求を追い求めるのが医療事務員の役目だと。

それは確かにそうなんですが、そのレセプトの質ばかりに注意がいき、インプット量は大して気にしていないというのが実情です。

そこには生産性の概念がない。

レセプトの質を高めることは大事ですが、私たちのそもそもの目的、ゴールは何かということを常に認識しておくべきです。

医療事務員が達成すべきゴールとは病院収益の最大化です。

そのために査定の最小化を目指し、そのためにレセプトの精度向上を目指しているわけです。

つまり、レセプト精度の向上、査定の最小化は最終ゴールではないのです。

最終ゴールは病院収益の最大化です。

その目標は生産性を上げないことには絶対達成できません。

アウトプットを増やすためにインプットを増やすというやり方では生産性は上がらないのです。

病院収益は最大化しないのです。

生産性

ですがこの話ではレセプト担当者は納得しないはずです。

「だったら残業はするなってこと?」

「今の業務体制、この業務量で時間内になんか終わるはずない」

「適当なレセなんか出せないでしょ」

「私たちの残業代をカットしたところで病院収益なんか大して変わらない」

前3つの意見に大しての私の答えはこうです。

まずこのレセプト残業の問題には2つの要点があります。

ひとつは医事課の体制の問題、もうひとつはマインドセットの問題。

前者の場合、つまり人が足りてないであるとか、業務量が偏っているということがあるのであれば、それは上司の責任です。

上司が無能ということです。

こればっかりはどうにもできません。

諦めて残業を続けてください。

残業が減らないのは上司が無能だから?【医療事務と残業】

医事課としての体制はとれている、それでも残業はなくならないという場合であればそれはマインドセットの問題なので対処しようはあります。

あと医療事務員の残業代をカットしたところで、病院の収益なんか大して変わらない、という意見への答えはこうです。

そこだけに着目すればそうかもしれないが、それはホントに一部分に過ぎない。

つまり残業がなくなったという事実だけを見ると、残業代がカットされたという事象だけのように見えます。

でもそうではありません。

そこには残業をなくすために行った思考、試みが必ずあるはずです。

要は生産性を上げる工夫をしたということです。

その結果今まで手が回らなかった新たなタスクも処理できるようになるということです。

つまり、インプットが減った上でさらにアウトプットは増えるという生産性の底上げができるのです。

医事課として出せるアウトプットの量を増やせるということです。

やはり大事なのは生産性の概念なのです。

その認識がある人とない人とでは出せるアウトプットに明確な差が出ます。

そして市場価値という点でも圧倒的に差がついていくのです。

できる医療事務員ってどんな人?【市場価値の高い人材とは】あなたの市場価値は高いですか?【井の中の蛙大海を知らず】

レセプトは自己満!?

レセプトは自己満の世界ですよね、って言われればレセプト担当者の人は心外に思うでしょう。

ですがホントにそうなんじゃないですかって思います。

精度の高いレセプトっていうけれど、その定義は何ですか。

すべて担当者の経験とスキルしだいではありませんか。

自分が納得いけば点検終了ですか。

それではあまりにもあいまいです。

やはり時間的制限は設けないとダメだと思うのです。

何度も言っていますがレセプト業務はパーキンソンの法則にはまってしまう典型です。

医事課の生産性とは? 【パーキンソンの法則】

時間はあるだけ使う、でもその点検密度は薄い。

レセプト点検自体が目的化しているような気がします。

さきほども言ったように最終ゴールは病院収益の最大化です。

レセプト点検はそのための手段のひとつなだけ。

だからコンピュータチェックで済むのなら、別に人が見る必要もないのです。

莫大な時間をレセプトに投入したところで大して査定率も変わらない、収入も変わらないのであれば、時間をしぼっていくことを考えるべきです。

それでも中には莫大な時間をかけているからこそ精度が保たれていると感じている人もいると思います。

ですがそれは時間のおかげではない。

同じ精度はもっと短い時間でも出せます。

というか時間が限られているからこそ出せる、そう思います。

もう早くICT化が進んで、機械対機械の図式にしちゃえばいいと思います。

それの方がわかりやすい。

ヒト対ヒトではあいまいすぎるのです。

レセプト担当者の主観点検しかり、審査機関のローカルルールしかりです。

レセプト担当者も審査機関の担当者も主観が入り過ぎている。

すべては自分の経験則から来ています。

そんな不公平な視点は不要です。

経験にもとづくから、これだけの量だとこれだけの時間は必要と見積もる。

そこには本当にそうなのかという検証がありません。

はたから見ていると、それはその半分の時間でもできるんじゃね、って思うこともあります。

でも当人からするとそもそもそんな仮定は存在しない。

始業時に今日やるところをざっくり見積もる。

もし時間内に終わらなかったら残業する。

もしくは、はなから残業ありきでのぞんでいる。

そのマインドでは生産性を上げることなど不可能。

残業はずっとついて回ることになります。

レセプト点検は自己満の世界だと私は思っています。

つまりレセプト残業がある担当者はその仕事のやり方がぬるいのだと。

ですが身にしみついた仕事のやり方から脱却するのは容易ではありません。

必要なのはマインドセットの転換です。

そこに尽きます。

まとめ

結局はマインドセットしだい。

言うのは簡単ですがこれが一番難しい。

ベテランの人がそれを変えるのはほぼムリでしょう。

だったらどうするのか。

私の結論は人をかえるです。

それこそ5年目以上はかえてあげた方がいい。

それ以上はかける時間に対して得られる部分がほぼなくなります。

だったら新しい業務を経験してもらった方が本人のためにもなります。

代わりに何の先入観もない未経験者をゼロから育てた方がよっぽど有意義です。

このあたりのことは最近書いたとおりです。

【医療事務】入院係は5年で卒業すべき論

私は医療事務、特にレセプトにおいてはゼロベースで考えていくべきだと思っています。

過去の経験則や慣習にとらわれない今に適した方法を自分達で探していくべきです。

でないと時代に置いていかれます。

医事課が成長することはなくなります。

別にあおるつもりはないですが、現場の医療事務員の人たちはもっと危機感を持った方がいい、そう思うのです。

ごまお

工夫しだいで時間は短縮できる、試していないだけ

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