私の喫緊の課題は人材教育、育成です。
新人及び教育係の教育、育成を徹底して進めていきたいと思っています。
人を育てるということはとても大事なことですが、現場ではそこまで気を配って取り組めているかと言われればそうとも言い切れません。
OJTの名のもとに何かなんとなく進んでいる部分があることも否定はできません。
OJTについては以前にも書きましたが、引き続き述べていきたいと思います。

ごまお
目次
【マジか】新人育成は運頼み?【OJTの弱点】
結論
運頼みの部分は大きいです。
ですのでOJTの弱点を理解した上でそれをカバーする体制の整備が必要です。
OJTって一体何?
前回の記事では医事課はOJT機能不全におちいるという話をしました。その理由は次の3点です。
・教育係の時間の確保が難しい
・教育係の能力不足
・人材育成の重要性が浸透していない
これを見ればわかるとおり、OJTを機能させようと本気で思うのならばまずすべきはその体制を整えることです。
その体制も不十分なままにとりあえずOJTでというところが多いのではないでしょうか。
つまり根本的な問題は盲目的なOJT信仰なのではないかと。
そして私たちはOJTの弱点というものをよく理解していない。
というかそもそもOJTが何なのかわかっていない。
私たちが行っているのは雰囲気OJTです。
そしてOJTを行っているといいつつも実際は「(O)教えるヒマはないから(J)自分で(T)とりあえずやっといて」というまるでOJTとはいえないあさっての方向に進んでしまいがちなのです。
要はOJTはしていますという既成事実だけは作っておいて、あとはそれぞれの個人の責任へ転嫁しているだけではないかということです。
その目的、本質をしっかり見極めることが大事になります。
OJTの弱点
その本質を見抜くにはOJTの弱点を理解しておく必要があります。
それができて初めて教えることのスタートラインに立つことができます。
つまり、OJTによって新人がどう育つのか、どういう弊害があるのかを理解しておくことでどこを補完すべきかがわかるということです。
OJTに100%依存するのではなくて、OJTのいい部分は利用し、足りない部分は他の方法を考えるということが一番効率的でかつ新人にも有意義なものになります。
それではOJTの弱点って何なのか。
それは次の2点です。
・新人の学習効果、成長具合は教育係に100%依存する
・教育係が知らないことは新人は学べない
新人の学習効果、成長具合は教育係に100%依存する
要は誰が教えるかによって新人の成長具合が決まる、ということです。
ここで大事なのは、プレイヤーとして優秀であってもコーチとしても優秀であるとはいえないということです。
そしてそのことはその人が実際に教育係につくまでは誰もわからないということです。
また一度OJTという体制に入ると第3者が介入することはほぼありません。
たとえその教育係が休みの日に新人から何か聞かれたとしても、違う教え方をしたら混乱するだろうから教えられないというわけのわからない論理が平然と通ったりします。
もう完全に教育係に依存なのです。
ということは新人教育のクオリティは教育係のクオリティと同義となるわけです。
そもそも私たちは教え方を教わっていないというのは前回も言いました。
ですのでその指導スキルは人それぞれで、教育の質は教育係の知識や能力、マインドセットによって大きく変わります。
極端な言い方をすれば、自分についた教育係が誰かによって自身の習得度は決定するということです。
教え方が上手い人につければ早く成長できるのに対し、下手な人につけばなかなか成長できないということです。
はっきりいってこれは運です。
申しわけないですがそうなのです。
誰を教育係につけるのかは上司が決めます。
ですがその決めた時点でその人がまだ誰も教えたことがないという人であれば、その指導スキルを推しはかることは不可能です。
先ほども述べたとおり、仕事ができるからといって教えるのが上手いとは限らないのです。
というか教えるのが上手いというのは仕事ができる、できないとはそんなに相関していません。
では何に高く相関しているのかといえばそれはマインドセットです。
要は教育係のマインドセットの在りようで新人の習得度は変わるといえます。
教育係に求められるのは教えるということと共に自身も学ぶという姿勢です。
新人を指導することを通して学ぶということです。
「新人を動かすにはほめないといけないんだな」とか「タイムマネジメントをしっかりしないと、きちんと教えられないな」などということに気づき、自己改善していく。
そうやって自分も成長しているんだという意識を持って前向きにOJTに取り組む教育係であれば、その下につく新人もそれにつられて早い速度で成長します。
ですがその反対の教育係であれば新人もまた然りなのです。
教育係が知らないことは新人は学べない
これも前述の内容と結局は同じことです。
教育係に100%依存ということは、どこまでいっても教育係の下位互換なのです。
その人の枠を超えて成長することはないということです。
そしてベテランでもたまにあるのが、「こんな基礎的なことを知らないの」ってことです。
これは一切のジョブローテーションを行っていないところでは起こりがちです。
自分の担当範囲なら超詳しいがそのほかのことはあまり良く知らないってことです。
もしそんな人がOJTを行うとどうなるか。
当然その人のスモール版ができてしまうわけです。
しかし教育係にはその自覚はない。
そして新人は自分が偏った知識で成長していても気づくことはない。
OJTの脆弱性がここにあります。
第3者介入がないことによる強烈なデメリットです。
これを避けるためにやることは一つです。
それは教育係の教育です。
しかしこれはとても難しいです。
なぜならそれは仕事を教えるのではなくて、マインドセットを変えてもらう行為だからです。
仕事の弱点なんていくらでもあっていいのです。
そんなのみんなそうですから。
大事なのはそれを自覚しているかということです。
俯瞰で見れているかということです。
それができている人は教育係として優秀です。
でもそれはなかなかできることじゃない。
そこをどう伝え、理解してもらうか。
それは非常にハードルが高いのです。
まとめ
「(O)教えるヒマはないから(J)自分で(T)とりあえずやっといて」
「(O)教えないけど(J)自分で勉強して(T)とっとと一人前になって」
あなたの所属している医事課はそうなってはいないでしょうか?
そして実際OJTの教育係だよっていう人は、新人の能力の伸びしろを活かすも殺すも自分しだいということをよく理解しておきましょう。
その上でOJTの弱点をどう補うかということは部署全体で考えないといけないことですし、その体制づくりがとても大切なのです。
ごまお