人には論理的な部分と感情的な部分が存在します。
その比率は人それぞれでどちらが51%を超えるかで論理的な人寄り、感情的な人寄りと分かれます。
そしてもしあなたが部下ならば、自分の上司も必ずどちらかに寄っているはずです。
論理的な上司と感情的な上司、はたしてどちらが理想的なのか?
今回はこの点にフォーカスしていきます。
ごまお
目次
【どっちがいい?】論理的な上司VS感情的な上司【医療事務的上司論】
結論
どちらかに偏りすぎているのならば、どっちもイヤ!
一般論と医事課論
このような話は一般の会社でもあることです。
ですがここで重視すべき点は私たちの医事課という職場は少し一般論とはズレている可能性があるということです。
ズレている可能性があるとはまた回りくどい言い方だなと思うかもしれません。
ですがそうとしか言えません。
なぜなら私自身がこの業界しか知らないからです。
よって他の業種との比較ができません。
一つの業界に長くいることはメリットもデメリットもあります。
その業界を深く知れるという点ではメリットですが、自分の知っている常識が世間の常識、自分が所属している医事課がスタンダードな医事課である、という思い込みを生みやすいのがデメリットです。
まさに井の中の蛙ということです。

ですので普段ものごとは俯瞰して見ましょうといっている私自身の視野もそんなに広くないのかもしれません。
しかし井の中の蛙でも20年もいると、それなりの経験則や知恵というものは積みあがります。
私の引き出しの数はそんなに多くもないですが、どなたかの参考になるのであれば書き続けていきたいと思っています。
さて本題に戻ります。
医事課論が一般論と同じようにはいかないといった最大の理由はそれが女性の職場だからです。
そのことについては以前にも書きました。
これは別に女性が良い、悪いという話ではありません。
ただその男女の特徴というか性質の差が及ぼす影響具合は大きいという話です。
通常医事課の男女比率は1対9か2対8ぐらいです。
圧倒的な女性の職場です。
そしてそんな中においてすべてを論理的に進めよう、論理的だから納得してもらえるだろうというのは間違いです。
これは完全に私見ですが、医事課においてロジックでは人は動かないし、動かせないです。
ロジックとはつまりは論理的ということであり、簡潔で理路整然とした一貫性のある思考、説明ということです。
これは男性職員が自分では善と思っていることが周りからは善と受け取ってもらえない事例によく上がってくるありがちなことです。
私もこの落とし穴によくはまっていました。
特に若い頃はそうなりがちでした。
どうみても自分の考えていることの方が効率的だし、理にかなっているということが、ことごとく却下されていきました。
そしてその却下の理由は「えっ?」というものが多くありました。
「急に言われても」
「もしこうなったらどうするの?」
「私はいいけど他の人はどう言うかな」
「私はイヤ」
「したくない」
あの~みんな仕事をしに来てるんだよね?と思うことが多々ありました。
ですが今思うと自分がダメだったところがわかります。
それこそ当時はメタ認知力がゼロでした。
そして世界はロジカルに動いていると思い込んでいました。
少なくとも医事課はロジカルには動いてはいないのでした。
そういう世界ではない。
ロジカルゼロとはいいませんが、それをもおおいつくすエモーショナルなもので動いている。
そしてそこに訴えかけなければ、人を動かすなんて不可能。
すごく簡単にいえば共感力が大事。
共感力こそ必要不可欠なスキル。
私がそれに気づいたのって結構最近です。
10年前なんてそんなもの気にもしていませんでした。
だからお察しのとおり、自分の思うようにいかないことが山ほどありました。
そしてその原因もわかっていませんでした。
私は軸がブレる人、一貫性のない人が嫌いです。
だからどうしても話の筋が通っていないとまったく理解も納得もできません。
そして自分がそうなのだから、周りの人もそういう説明や話し方をしないとわかってくれないものだと思っていました。
ですがそんなことはなかったのです。
これは多分一般の会社に勤めている人には理解しづらいことだと思います。
そしてそういう仕事のやり方の生産性ってどうよ?って思うはずです。
仕事は論理的に進めないとマズいんじゃないの?ってことです。
そこが一般論と医事課論のズレなのです。
繰り返しますがロジックでは医事課は動かないのです。
ロジックはもちろん必要ですが、医療事務員を動かすメインエンジンではない、ということです。
上司しだい?
ロジカルな上司だから部下もロジカル、エモーショナルな上司だから部下もエモーショナル。
結局はそうなります。
上司がロジカルならばその影響を受けて部下もロジカルになっていきます。
上司がロジカルでないのに部下がロジカルに発言していっても全然上司と噛み合いません。
逆に上司から「コイツはアタマでっかちな奴だ」と思われるのがオチです。
また上司がエモーショナル色が強い人ならば、部下もそれに呼応してエモーショナルな部下でなければ噛み合うことは難しい。
つまりは上司の色がその医事課の色となるわけです。
そして上司の色はその上司自身の成功体験によって色づけされています。
論理的思考で上手くやってきた人は論理的な上司に、ロジック無視のイケイケでのし上がってきた人は感情的な上司となります。
ロジカルよりエモーショナル有利?
前述したように女性多数の職場においてはロジカル主導よりもエモーショナル主導の方が上手くいく確立は高いです。
それが現実です。
なぜならそこにはモチベーションの問題が大きく関わるからです。
医療事務員のモチベは総じて高くない、それは何度もいってきたとおりです。

私の結論はそんなにモチベに頼る必要はない、だからそんなに高いモチベを求めなくてもいい、というものです。
しかしやはり低いより高いに越したことがないのがモチベ。
それを上げることができるのは論理より感情です。
いうなれば論理は現実を見させ、感情は未来を見させます。
「こういう分析の結果、このように判断し、こう進める」と言うよりも「「みんながあと5%の力を出しあえば、全員で30人いるから医事課の総合力は150%もアップするんだぜ」というわけのわからない言い分の方が全体の士気を上げる場合だってあります。
またすごい論理的だが普段、部下の気遣いをあまりしていない上司よりかは、全然論理的でないけれどもいつも部下に声をかけてくれる感情的な上司の方が信頼感が高いことだってあります。
結局人と人との関係の中で医事課の仕事は回っているので感情が重要というのは当たり前の話なのです。
まとめ
論理的な上司と感情的な上司ならどっちがいいか?
それは人による、配分のバランスによる。
それが率直な感想でしょう。
要はどちらかが足りない上司ならばお話にならないということです。
本来それらは互いを補い合っていい塩梅(あんばい)となっているのが理想です。
しかしえてして、どちらかに偏っている上司というのは案外多いのではないでしょうか。
そして上司は自分では一方に偏っているという認識はあまりありません。
論理的であり感情的でもある。
世間の上司はみんなそう思っています。
ですがそもそも論理的な上司ってあまりいないのではないかと思います。
特に医事課においては。
私自身もあまり論理的ではないと思っています。
かといって感情的なのかといわれればそうでもない。
私のようなタイプが一番ダメなのかもしれません。
どっちつかずでいるくらいなら、いっそどちらかへ極端に振っている方がいいのかもしれない。
そんな風にも思います。
部下の誰からも慕われる上司なんていません。
だったら一人ひとりに好かれようと思っている時点で上司というものをわかっていません。
それよりも確固たる自分の信念にもとづき、一貫した行動をとり続けることが大切です。
たとえそれで部下に慕われないという状況になったとしても、それはそれで仕方がない。
部下が抱く理想の上司像と上司自身が抱く理想の自分像はだいたいが大きく乖離しています。
でもそれが一般的なことです。
論理的な上司であろうと感情的な上司であろうと、一貫した自分軸で動く上司、そんな人こそが理想の上司となりえるのではないでしょうか。
これはあまりにも上司目線のワガママ意見でしょうか?
ごまお