医事関連のテーマを中心に感じたこと、考えたことを綴っていきます

医療事務員にとって医療経営士の資格は必要?

医療経営士という資格があります。

医療経営士とは、一般社団法人日本医療経営実践協会が医療機関をマネジメントする上で必要な医療と経営に必要な知識、経営課題を解決する能力を有し実践的な経営能力を備えた人材に発行する民間資格(ウィキペディア)とあります。

3級から1級まであり、3級についていえば第1回の認定試験が2010年と比較的最近出来た資格です。

日本医療経営実践協会では「医療経営士」とは例えば医療経営の基礎知識、中堅スタッフは体系的な知識の習得を目指して研鑽し最終的には専門知識と実践思考を備えた経営幹部として活躍することを到達点であるとしています。

受験層は病院の事務職や医療スタッフも一定数いますが、最近は医療業界関連の製薬会社(MR)、医薬品卸(MR)、取引金融機関社員の取得が急増しています。

さて医療事務員の視点からするとこの資格ははたして取得すべきか否か。その点を見ていきます。

これからの医療業界

今後2025年問題から2040年問題へと話が移っていく中で医療機関はまさに淘汰される時代になっていきます。

増加の一途をたどる医療費、国による診療報酬の抑制、アウトカムや診療密度が最重要視されていくであろう次回改定を予測するまでもなく、病院経営はますます厳しくなっていきます。

実際高齢化社会に対しては地域包括ケアシステムの構築、又増税や働き方改革をはじめとした労働環境へのメスが着々と入れられて来ています。

このように環境変化に伴い医療業界は急激な変化に見舞われています。

近年医療業界においても国の施策に応じた経営という視点が必要不可欠になっています。

2018年度診療報酬改定はラダー改定とも言われていますが、国が政策誘導として入院料を段階的な下げ幅で選択出来るようにしてきました。

実際は現在の所急性期一般入院料1から2や3へと下げている医療機関は少ないですが明らかに2018年度改定は2020年改定への布石であり、次期改定で自院の将来像をどう見るか、どれを選択するかという決断を迫られてくる筈です。

そうした時、医師は医療のエキスパートではありますが経営のエキスパートではない場合の方が多いです。

そんな中登場してきたのが医療経営を支援する有資格者、すなわち医療経営士なのです。

どういう役目、能力を期待されているのか

医療機関をマネジメントする上で必要な医療および経営に関する知識と経営課題を解決する能力を有し実践的な経営能力を備えた人材。長らく経営不在と指摘されてきた医療界においてこれからの医療現場を担う重要な人材と位置づける、とあります。

医療といえども慈善事業ではないので利益が出ないと潰れてしまいます。

そういう点では一般の企業と変わりません。要は医療機関をマネジメントする人材、能力が必要です。

そういう点ではMBAや中小企業診断士の医療版といった所なのでしょうか。

MBAや中小企業診断士は超難関な修士や資格ではありますが、医療経営士は3級からあるのでそれなりに敷居はまたぎやすいのかなとは思います。

ですがそもそも学習対象が研究や多岐に渡る専門課程のそれらとは比較する自体がナンセンスですが。

ですが経営のスキル、マネジメント力が将来的に必須であるというのは間違いないと思います。

資格取得のメリット、デメリット

関連サイトや関連ブログを見てみるといろいろ書いてあります。

メリットとしては

・医療施策や制度をより深く理解出来るようになる。

・医療経営という新たな視点を付加することで医療現場の働き方改革等の問題にも違った見方、解決方法を探れるようになる。

・医療経営に関する金銭の流れが把握出来る。

・医療経営情報に敏感になる。

・医師や経営層との話題が豊富になる。

・病院経営知識のレベルアップをはかれる。

・病院経営幹部を目指す上でのキャリアアップにつながる。

デメリットとしては

・資格取得や資格の更新などこまめにお金が必要となる。

などがあります。

実際必要?

これは必要です、いやわざわざとる意味ないよ、という両方の意見があります。

まずこれらの意見はそれぞれの立ち位置で変わってくるのでどちらもあります。

医療経営全体について体系的な知識の習得を考えているのならば各分野に渡り知識の吸収が出来るいい機会と捉えることが出来ます。

そして医療事務の知識だけでなく医療法や医師法、労働基準法、また介護保険制度など普段身近ではないけれど関連性が高い分野の理解を深めることが出来ます。

かたや否定派の意見では、医療法人がこの資格の有用性を認めている訳でもなければ、資格取得の推奨をしている訳でもなく医療事務員がこの資格を持っているからといって資格手当がつくこともない。

そもそも病院内でそんなに認知度ないよといったことが言われています。

これらの意見はそれぞれごもっとも、至極当たり前のことを言っています。

要するに自分にとっての価値があるのかという点に集約されますので参考意見にはならないのです。

まとめ

これは一般的な医療事務の資格と同様のことが言えます。

つまり資格取得が成果ではないということです。

資格取得を最終目的にしてしまうと取得後、道を見失うことになるということです。

まずもつべきことは自分の将来像、キャリア像です。何に特化した医療事務員になるのか、またはゼネラリストとしてやっていくつもりなのか。その為には今自分には何の知識、スキルが必要なのか。

その逆算をしていった先に医療経営士があるのならば取得を目指せばいいのです。周りがとるからとか上司に勧められてというのもきっかけとしてはいいと思いますが、やるからには自分の目的を明確にし、将来のビジョンを持ち合わせていなければ単なる取得だけに終わってしまいます。

資格手当がついた方がいいに決まっていますがそこを取得有無の要件に入れてしまうことはこころざしが低すぎると思います。

決して医療経営コンサルタントにならなくても医療経営の知識は必要だと私は思います。

また直接経理に関わっていなくても簿記3級程度の知識も持っていた方がいいと思います。

これは完全に私見ですのでいやそんなものはいらない、医療事務の知識があればいいんだという人もいて当然です。

ですが直接的ではない知見によって自分の視野が広がり仕事がより効率的になったりすることもあります。

そしてなにより新たなことを学ぶことは知的好奇心が刺激されわくわくしてきます。

そうなってくれば自発的にもっと学習しようと思えてくる筈です。

私は現状維持が最もつまらないです。

今が大事なのはもちろんですが10年先のことを考えるのも同じぐらい大事です。

今ある知識、スキルで10年後飯が食えている想像が出来ません。

常にアップデートしていかないと使い物にならないという危機感があります。

ですので知識の最大化をすることが常日頃からの目標なのです。

そういう意味では医療経営士の資格取得は医療事務員にとって意味のあることではないかなと思います。

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