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医療情報技師(HIT)×診療情報管理士(HIM)~相乗効果でヨクなろう同じベクトル 持った僕ら無敵~

医療情報技師(Healthcare Information Technologist)と診療情報管理士(Health Information Manager)という2つの資格があります。

ぱっと見た印象ではよく似た感じに見えるかもしれません。

似て非なるこの2つの資格、しかし全く違うのかといえば向いているベクトルは同じだったりします。

今回はこれらの資格の特徴、違いを見た上で両方持っていたらどうなんだ、という所を見ていきたいと思います。

医療情報技師とは

日本医療情報学会が資格付与する民間資格。病院情報システムの開発・運営・保守が主な業務となりその性質上、情報処理技術だけでなく医療分野・医療情報システムの知識が必要となる。その為試験は情報処理技術系・医学医療系・医療情報システム系の3科目が課せられ3科目とも一定基準の成績を取れば合格となる。科目合格制度があり一部科目だけ基準以上の成績を得た場合翌々年の試験まで合格科目の受験を免除出来る。日本医療情報学会は厚生労働省に国家資格への認定を働きかけているが実現には至っていない。2007年からは上級医療情報技師の資格試験が開始された。(ウィキペディア)

簡単に言えば医療機関におけるデータ管理やシステムの問題を解決する技術者です。

具体的には電子カルテなどのシステムを構築したり故障を解決したりします。

ITに詳しくなおかつ医療の知識やスキルを持つ技術者となります。

試験は年に1回(毎年8月)です。受験料は15,000円(3科目)です。

この資格は合格したら一生所持出来る資格ではないです。

5年ごとに更新する必要があります。

その費用は10,000円。

そして更新手続きだけでなくその5年間に学会や研究会等に参加してポイントを50ポイント以上貯める必要があります。

この資格更新制度はかかる費用が馬鹿にならないですが、常に新しい知識、情報をインプットし続けなければならないという点から見れば妥当かなとな思います。

本来資格とは取得した後も学び続けるものだと思いますのでこの方式でいいのではないでしょうか。

私が知る限りでは医事課職員で持っている方もいますし、情報システム職員で持っている方もいます。あと電子カルテのベンダーの方で持っているのもよく見かけます。

診療情報管理士

四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神病院協会)及び医療研修推進財団が付与する民間資格。受験資格は日本病院会が設ける診療情報管理通信教育を受講するか、診療情報管理士受験認定指定校にて必須科目を履修することで得ることが出来る。当初、診療録管理士という名称だったが1996年4月から現在の名称に変更された。(ウィキペディア)

主な業務内容としては診療録の物理的な管理や内容の精査を行う物の管理、診療情報をコーディングするなどしてデータベースを構築する情報の管理、運用などを行います。

またカルテ監査、サマリー管理、がん登録などの重要な役割を担っており病院においては必ず必要とされる職種です。

試験は年に1回(毎年2月)です。

受験料は10,000円です。

ただし、受験資格があります。

これがなかなかの時間と費用がかかります。まず受験資格は次の通りです。

(1)一般社団法人日本病院会診療情報管理士通信教育を修了した者

(2)一般社団法人日本病院会指定大学および指定専門学校で指定単位を修得し、卒業した者

診療情報管理士通信教育応募資格:原則として2年制以上の短期大学または専門学校卒以上の学歴を有する者。

(2)の場合はいいのですが社会人が目指すとなると(1)の通信教育となります。

この通信教育は2年間のうちに基礎課程24単位、専門課程24単位の修得が必要です。

その2年間のうちレポート提出、通算6日のスクーリング、各期末試験の合格など必須条件をクリアしてようやく受験資格がもらえます。

そしてかかる費用が2年間の通信教育費が20万円、 受験料1万円、合格後の認定料が3万円と一体いくら搾り取れば気が済むんだと思えるような鬼費用です。

病院が補助してくれれば良いですが、自腹となると相当な負担となります。

それでも志望者は常に一定数いますし医療事務員の中では比較的知名度のある資格です。

共通点

共通点はありません。

ですが似通った点はありそれは医療診療技師はデータベースや電子カルテ等の作成及びセキュリティ管理に精通しており、一方診療情報管理士はそれらの作成や運用、活用に特化しているということです。

それぞれがその分野のスペシャリストであることには違いありません。

転職するならどちらが有利?

これは募集職種が全く違うので参考にはならないですが、一般的に見れば医療情報技師でしょう。

診療情報管理士は大病院ならそれこそ何人も必要なので募集もあるでしょうが、中小の病院ならばそんなに数が必要でもありません。

ですのでそんなに頻繁に募集されている訳でもありません(勿論地域にもよりますが)。

またそれぞれが専門分野に特化した資格ではありますが診療情報管理士はITやシステムの知識はなくてもとれますが医療情報技師はシステムと医療両方知っていないととれない資格なので現場では重宝されると思います。

医療現場ではシステムのことに精通した人がまだまだ少なくこの資格を持っている人材をほしい医療機関はたくさんあるだろうと思います。

また医療ベンダーのシステムエンジニアがこの資格を持っていると医療機関に対して医療のことも知っているとのアピールをすることも出来るでしょう。

需要という観点からすると明らかに医療情報技師の方があると思います。

医療事務員ならばどちらがとりやすい?

どちらもとりやすくはないです。

医療事務員からならば診療情報管理士は職種としては同一線上にあるイメージでいいと思います。

キャリアアップを目指すとすれば当然取得が視野に入ってきてもそれは自然な流れです。

対して医療情報技師は要は医療分野に特化したシステムエンジニアですので医療事務との接点がほとんどないです。

実際の試験は医療、情報処理、情報システムとなっているので1/3は接点があるとも言えますが逆に言えば2/3は接点がない訳で情報処理や情報システムの基礎にも触れてこなかった人にとってはまさに異分野となります。

アルゴリズムって何って言ってるようではさっぱり分からない問題ばかりになります。

1番自然な流れ

上記で述べた通り医療事務員が何の予備知識もなしに医療情報技師を目指すとなるとかなりの難易度となります。

ですのでまずは診療情報管理士を目指す方が勉強のモチベーションも保ちやすいと思います。

診療情報管理士になれば業務上情報システムの知識も身につけていないといけないなと思える場面も出て来ます。

ですので自然と情報システムの勉強も行っていけるようになる可能性も出てくる訳です。

すると残りは情報処理の分野となります。

ここはもうひたすら勉強していくほかありません。

ただ趣味でPCに興味があって普段からよく使っている人やIT関連の本をを読みあさっている人などは入っていきやすいとは思います。

あとITパスポートを既に持っている人は十分だとは思いますが。

HIT×HIM

今回なぜこれら2つを取り上げたかというと、これらは似て非なるものというか全く違う職種でありながら、というかそうだからこそ両方あればお互いの該当しない分野をカバー出来最強の組み合わせになるのではないか、と思ったからです。

医療のことも、情報処理のことも、情報システムのことも網羅した保険請求が分かる医療事務員って最強なのではないでしょうか。

そしてこれから先はそのような医療事務員が必要となってくるのです。

以前にも書きましたが今後レセプト審査はほぼコンピューター審査の時代へと突入していきます。

そしてそこから見えてくることとは、データ収集、分析のスキルが当然のように求められてくるということです。

そしてまた、保険証のオンライン資格確認が開始されるとなるとセキュリティに詳しい人材が必要になります。

専門分野の会社にアウトソーシングすることも考えられますが、そうだとしても医療事務員でその分野に強いというのがあればそれは完全な強み、アドバンテージとなります。

そんな人材ならものすごく重宝されますし、評価も高くなっていく筈です。

だとするのならば医療情報技師を取得するメリットは今後ますます大きくなるのではないかと思うのです。

当然院内SEやベンダーSEの方が本来持っている資格なのですが、そしてその人達は情報処理も医療も理解している人材と見なされるのですが、そこの医療の部分をもっと深く知っている、現場にも詳しい、分析にも長けているという人材、すなわちHIT×HIMの資格者が最強の医療事務員となるのではないでしょうか。

職種は全く違いますがベクトルは同じだと思います。

すなわち、扱う分野は違ってもそれぞれの情報を分析、管理するという点では同じなのです。

そして診療情報管理士が知らない情報収集、分析の手法を医療情報技師のスキルにて持ち合わせているのならば1+1は2にとどまらず3にも4にもなるのです。

そういう意味では稲葉さんが歌っている通り「相乗効果でヨクなろう同じベクトル持った僕ら無敵!」なのです。

まとめ

実際に医療情報技師、診療情報管理士両方持っている人って以外といます。

私の知っているだけでも数名います。

ですがその人達はSEが本職です。医療事務が本職で、という人はいません。

世の中にはそういう人もいるとは思いますがその資格がありながら医療事務をなりわいとすることって希有なことなんでしょうか。

すごい医療事務者ってあまり目指さないものなのでしょうか。単純に医療情報技師や診療情報管理士で食って行くことに路線変更しているだけかもしれませんが。

余談ですが更にその上がいて医療情報技師、診療情報管理士、基本情報技術者の3つ持ちのSEの人もいます。

基本情報技術者は国家資格なのでよりアドバンテージはあると思いますがそこまで目指すかどうかは何に重きを置くかによると思います。

勿論3つ持ちすること自体かなりの難易度と期間が必要だと思いますし、その努力は素晴らしいです。

3つ持つことが自分にとって有益だと判断すれば目指すべきですが単なる資格コレクターとなってしまうのなら持っている意味はなくなります。

前にも別の記事で書きましたが資格はとってようやくスタートラインなのです。

保有しているだけで意味がある国家資格ならまだしも単なる民間資格を保有しているだけで飯食っていけることなんてあり得ません。

それを取得する為に身につけた知識、技術を仕事に生かせてこその資格なのです。自分を生かせると判断したのならば何の資格でも挑戦したらいいと思います。

ただし、医療事務でいうならば持っていて就職や仕事に有利になると私が思えるのは今日紹介した資格や医療経営士などです。

純粋な医療事務の資格にはもはやアドバンテージはないと思っています。

誤解しないでほしいのは就職に対するアドバンテージがないだけで勉強したことによる自分の知識へのアドバンテージはありますので。

今日1番言いたかったことはこの先の医療事務像を考えると専門分野に特化して秀でていることは勿論十分な武器なんですが、ITのことは一切分からないでは活躍出来る範囲が徐々に狭まってきてしまうだろうということです。

少なくとも簡単なデータの扱い方や分析方法は知らないとレセプト点検ですら出来る部分が限られてくるだろうということです。

そんな時代はまだまだ先との意見も多いですがまだまだとはいつ頃先のことを言っているのでしょうか。

5年後はもう医療事務から引退していますならまだなんとかもつかもしれません。

ですがそうでないのであればITの知識を少しは入れていかないともうついて行くことが困難になっていくと思います。

これが大袈裟に言っているのではないです。

既にエストニアではブロックチェーン技術による国家の電子カルテシステムが稼働しています。

国家全体の電子化とはもはや未来のことではないのです。

日本はブロックチェーン技術に関しては世界からみて遅れているとされていますが、それでも確実にその世界は迫って来るのです。

それが分かっていながら現状のスキルでこの先も通用すると思っている方がおかしな話です。

それでも現状のままいくという人はそれでもいいでしょう。

しかしいくら保険請求の知識が豊富でレセプト点検に自信があるという人でも人の目で点検するレセプトがなくなったら他に何が出来ますか。

レセプト点検というスキルのみに頼るのは将来的には非常にリスキーな訳です。

武器は1つより2つ、3つをあった方が有利なことは明らかです。

いまからあと1つ武器を増やすことは無理なことではありません。

来年には使えるようにしておけ、とかじゃないのです。

まだもう少し時間の猶予がある今なら学べる時間は残されています。

今日からでも何かひとつ学習を始めるだけでも5年後、10年後には自分を助けるスキルにまで育っている可能性だってあるのです。

お金は後からいくらでも取り戻せますが今この瞬間はもう戻っては来ないのです。

あのときのちょっとしたあの行動があったからこそ今の自分があるんだなと思える行動をとってはみませんか。

HITもHIMも取得への道のりは大変ですがとれば全てとはいいませんが報われます。

それだけ挑戦する価値はある資格です。

私も今秋HIT×HIM取得者となる予定でおります。

そしてその先には上級医療情報技師もしくは3つ持ちを目指そうと思っております。

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