今回はデータ提出加算についてです。
ごまお
目次
【2020診療報酬改定】早わかり1分解説 その⑧<データ提出加算>
結論
事務職の人材育成が肝要です。
データ提出加算
(改正後・改正前の順)
<ポイント>
データ提出加算が要件となる入院料を許可病床数200床未満の回復期リハビリテーション病棟入院料5若しくは6又は療養病棟入院基本料を算定する病棟を有する医療機関に拡大する。
つまり急性期も慢性期もすべての病棟でデータ提出が必要となるということです。
データ提出拡大の流れは前回改定からの続きであり予定どおりといったところです。
そして改めて事務職の力が問われるところとなります。
そしてそもそもその人材が足りているのかという点が問題です。
これは大病院ではまったく心配いらない話ですが、中小の病院では切実な問題です。
中小のそして事務職の育成が追いついていないところでは、それこそ1人や2人でデータ提出関係をまかなっている場合が多く、その業務環境は非常に厳しいです。
これは事務職をそれほど重要視していない結果でもあります。
法人としては事務職が足らないケースよりも医師、看護師が足らないケースの方がよっぽど問題なのです。
実際は事務職が足らないケースも同等に十分問題なのですが。
今回の改定は全体としては働き方改革を推進しているのですが、なぜか事務関係だけは逆行しています。
レセプト摘要欄への記載事項は減るどころか増えていく。
ICT化はどんどん進んでいくので事務の人数が増えるという見込みはない。
しかし実際病院収入の鍵の一部分を握っているのは事務職です。
事務のレベルがその病院の収益に直結している。
しかしいまだそこはあまりクローズアップされない。
完全なる減点評価。
できてて当たり前、できていなければすべて事務のせい。
そんな環境ではあえてチャレンジングに点数を取りにいくことなど怖くてできない。
失敗は許されないと思うから一歩も踏み込まない。
はたしてそれが病院収益の最大化ができる体制となっているのかどうか。
別に自分の職を擁護しているつもりはありませんが、事務職はもっと評価されるべき、とは思います。
話を戻します。
全病棟データ提出加算必須となるその先に待っているのは、診療内容の完全なる可視化です。
もう厚労省はすべてのデータを把握するわけです。
一切のごまかしも言いわけも効きません。
今後はさらなる機能分化が進んでいくことになるでしょうし、なんちゃって病棟では続けられないということです。
完全に意思決定すべきターニングポイントに来たといえます。
ごまお