半端なくキツイ?! 連休のレセは即死?【レセプトとゴールデンウィーク】

まもなくゴールデンウィークに突入します。

例年なら人の移動が大いにあって、観光、娯楽盛りだくさんのところですが、今年はそうもいかずみんな家にいようとなっています。

今までとはまったく違う5月の連休となるわけですが、医療事務のレセプト担当者から見れば何も変わらないのかもしれません。

今回はレセプトとゴールデンウィークということから今一度レセプト業務について述べていきます。

ごまお

レセプト担当者はみんな1月と5月がキライ

半端なくキツイ?! 連休のレセは即死?【レセプトとゴールデンウィーク】

結論

休日出勤ありきの発想をまず捨てることです。

GWをどう乗り切る?

レセ期間と私たちが呼んでいる期間があります。

簡単に言えばレセプトを作成し、請求を行う期間のことです。

通常は月初から10日までの期間をそう呼んでいます。

その期間に前月の診療分の全請求を処理するわけです。

そしてそのレセ期間において超キツイとされている月があります。

それは1月と5月です。

1月は正月の影響で5月はゴールデンウィークの影響で普段よりレセプト期間が短いわけです。

特に5月はゴールデンウィークの影響をモロに受けます。

昨年は世間が10連休となるさなかレセプト担当者は粛々と業務を遂行していたのでした。

そして今年も10連休とまではいかなくても、結構な休みをはさむことになります。

例えば国公立病院だと土日が休みとなるので1日(金)、7日(木)、8日(金)の正味3日間しかありません。

またそれは民間病院であってもあまり大差ない日程となります。

とにかく日にちが限られている、それもかなりの具合で、です。

そしてここでどうするのかを考えるのですが、選択肢は3つあります。

1.平日を目一杯使う(残業あり)

 

2.休日出勤する

 

3.時間内で終わらせる

そして多くの医事課がとるであろう手段は休日出勤だと思います。

もしくは、平日残業+休日出勤でしょうか。

本来7、8日はあるところの半分くらいが休みなのですから、そうなるのは当然とも思えます。

ですがそれは当然とも言えないのではないか、そう思うのです。

レセプトの常識って何?

今回の話はあんまり誰にも刺さらないだろうな、とはもうすでに思っています。

聞く人によっては「何言ってんの」「理想論を言うな」と思うことでしょう。

ですがこれは理想論とかではなく、実際の経験から述べる現実論です。

できるかできないかというよりは、やろうとするかしないか、という問題です。

結論から言うと結局はマインドセットの問題になります。

レセプトマインドセット(そんな言葉はないですが)の問題です。

以前にレセプト業務は担当者のさじ加減ひとつだという記事を書きました。

レセプトは自己満の世界です

実際レセプト点検に正解なんてありません。

極端な話、まったくノーチェックのレセプトでも審査が通り請求どおり支払いがされればそれでOKということです。

そこには、そのレセ1枚にどれくらいの時間、手間、知識が投入されたかなんていうリソース投下量は関係しません。

残業して作成したレセもノーチェックのレセもその請求どおりの支払いがされることが正義で、減点、返戻は悪なのです。

レセプト担当者の努力とか熱量なんかはどうでもいいのです。

評価されるのは結果だけであって、そのプロセスがどうだったかなんて誰も気にとめません。

逆に言えば、どれだけ頑張ったかなんてどうでもいいのです。

あなたが残業してようがしてまいが査定されたかどうかだけが評価基準なのです。

ですがまずここで勘違いしている人が結構います。

「こんなに残業したのに」「これだけ頑張ったのに」と思う人です。

そういう私も昔はそう思っていました。

そして残業してレセプトを仕上げたことに自分なりの達成感を得ていたのでした。

これはレセプト業務への視点がズレているいい例です。

先ほども言ったように必要なのは結果なのです。

そこまでのプロセスは関係ないし、担当者の達成感や満足感なんていらないのです。

それは完全に自己満足なだけなのです。

もしレセプトを作成、請求したことで達成感を得ている担当者がいればその人はまだアマチュアです。

その時点ではまだレセプト業務は完遂できてません。

だってまだ審査を受けていないわけですから。

ただ請求をしただけなのに、どうしてそこに達成感や満足感が得られるというのでしょうか。

自分の請求どおりに支払いがなされた時点で初めて達成感は得るべきなのです。

しかし実際そこまで後追いした上で自身にフィードバックできている人ってどのくらいいるのでしょうか。

また担当医にもきちんとフィードバックできている人ってどのくらいいるのでしょうか。

そんなに多くないと思います。

自分なりに点検して請求して、その結果査定率が0.1%台だからまあ自分はイケているレセプト担当者だ、と思っている人って少なくないと思います。

何が言いたいのかというと、主観だと間違いなく見誤るということです。

もっと簡単に言えば、思い込みはすべて捨てろということです。

仕事をしているとその職種の常識というか、暗黙の了解というものを持ってしまう場合があります。

そして長くやっていればいるほどその思い込みは強くなる。

医療事務員が持っている常識、暗黙の了解には

・レセプトには残業がつきもの

 

・年末年始、GWには休日出勤が当たり前

 

・レセ期間は月初から10日まで

 

・2次点検、3次点検と重ねれば重ねるだけレセプト精度は上がる

などがあります。

「いやそのとおりでしょ」って思っている人もいるかもしれません。ですがそれこそが思い込み、刷り込まれた常識なのです。

・レセプトには残業がつきもの

 

・年末年始、GWには休日出勤が当たり前

そういうマインドセットだからそうなるのです。

・レセ期間は月初から10日まで

別に月初からスタートさせる必要はないのです。

もっと前倒ししてもいいのです。

・2次点検、3次点検と重ねれば重ねるだけレセプト精度は上がる

2次点検は認めますが、3次点検は意味ないです。

【リンゲルマン効果】ダブルチェック、トリプルチェックに意味はあるのか?【同調圧力】

何が足りない?

レセプト担当者の多くには大事なあるものが1つ欠けています。

それは「生産性」という概念です。

あるいは費用対効果ともいえます。

つまり、インプットとアウトプットの比率がおかしいのです。

というかそもそも生産性の概念がない。

当ブログでは何度も出てきているのですが、パーキンソンの法則に完全にはまってしまっているのです。

医事課の生産性とは? 【パーキンソンの法則】

ある時間はある分すべて使い切ってしまう。

そこにスピードとか効率性というものは存在しないのです。

だって「精度」が一番大事だから。

レセプトの精度が最重要だから。

その言い分は正しいです。

ですが、だったらその精度はどうやって担保しているのか、自分で管理、検証しているのかといえば、そんなものはないのです。

あるのは自分の経験と感覚のみ。

そんなあやふやな精度は存在しません。

だから担当者のさじ加減ひとつだというのです。

自分のペースで自分の感覚で行うレセ点検。

極端な話、担当者の自由自在です。

自分のしたいようにできる。

「いやいや2次点検入るし」と言う人がいるかもしれません。

しかしそれとて大差ありません。

それによって精度は多少上がるかもしれませんが、スピードが上がることはない。

「そもそもスピードってそんなに大事?」って思う人がいるかもしれませんが、その答えは「超大事」です。

私はレセ点検には精度とスピードの両方が絶対必要だと思っています。

それはなぜか?

これも過去に何度も書いていることなのですが、スピードを上げなければ精度は上がらないからです。

「いや逆でしょ」っていう人が大半だと思います。

精度を上げるにはスピードは落とすべきと。

しかしそれこそ逆なのです。

スピードを落として長時間レセプトを見ることが精度を上げる手段なのだ、という根拠を私は見たことがありません。

というかそんなものはありません。

人が一日に使える集中力には限りがあります。

残業している時点でもうそこには集中力なんて残ってはいない。

ただの惰性です。

惰性のレセ点検。

そこに高い精度があると思いますか?

みんな昔からの慣習に引っ張られすぎなのです。

レセプトは時間をかけて見るもの。

レセプトは残業するもの。

もういい加減その考えは捨てましょう。

そこにはこうあるべきという思い込みしか存在していません。

時間をしぼった場合にどうなるかということを誰も試しも検証もしていない。

まるでレセ点検を時短で終わらすことが悪であると決めつけているかのように。

早すぎるレセ点検では信用できない?

それは査定結果を見てから判断することです。

やってもないことをできないと決めつけること自体が一番避けるべきことです。

私はなぜここまで強く主張するのか。

それは実際経験しているからです。

精度とスピードは両立する、ということを私は経験上知っています。

試した上で検証もしました。

明らかに時間をしぼったレセ点検の方が精度は上がりますし、何より生産性がそれまでの比ではありません。

生産性はいちじるしく上がります。

そりゃそうです、それまでの時間の半分で見ているのですから。

しかしこれは一朝一夕にたどり着けるものでもありません。

知識も経験も積み上げ、あらゆる試行錯誤を繰り返した結果たどり着いたものです。

「あなたは20年以上の経験があるからそう言えるんだ」という人がいるかもしれません。

でもそうではないのです。

経験はそこまで重要ではないのです。

必要なのは「半分の時間でできないだろうか」と考え実際に試してみた、というマインドそのものなのです。

できる、できないとかじゃないんです。

やろうとしたかどうか、できるはずだと思ったかどうか、そこだけなんです。

まとめ

今回言いたかったのは次の1点です。

ゴールデンウィークだから休日出勤も仕方ない、という前提を捨ててしまおう。

仕事とは突き詰めればもはや能力の問題ではないのです。

「できる」と思えるかどうかのマインドセットの問題です。

あなたのレセプトマインドセットは固定化されたままですか。

もしそうならきっと人生損してます。

休日なんだから休んだ方がいいに決まっている。

そうできないと嘆くのであれば、そう縛っているのはあなた自身です。

今日からスピードアップすればまだ間に合うかもしれない。

せっかくのゴールデンウィークです。

どこにも行けなくても休みなんだからぜひ休んでください。

残業したり、休日出てきたり、レセプトってそんなことまでしてする仕事ではないのです。

ごまお

休日出勤ありきの前提をなくさない限り何も変わらない

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