今回はレンタル移籍の話をします。
といってもサッカーの話をするわけではありません。
いつもながらの医療事務、医事課の話です。
今回の話をひとことでまとめると「外へ出ろ」「己を知れ」ということです。
ですがそれだとあまりにも簡潔すぎるので、もう少し補足しながら述べていきます。
ただひとつ断っておきますが、「制度をつくろうって誰に向かって言ってるの?」という真っ当な指摘は却下します。
あくまで私個人の希望であり、ほぼ妄想ですのでご理解ください。
目次
【その職場では井の中の蛙】医療事務員のレンタル移籍制度をつくろう!
結論
外界を知れ。そして己を知ろう。
井の中の蛙
この話は以前にすでにしています。

結局「井の中の蛙大海を知らず」という話は医事課に限らず世のあらゆる職場に共通する起こるべくして起こる事象だといえます。
そしてそれは新人の頃が問題なのではなく、中堅層以上が問題だというのも昔から変わらないことです。
一般にいわゆる社会人としてそれなりに働いてきますと、ひとかどの自信というものがついてきます。
医事課においてもそれは同様で、新人の頃は全然できなかった仕事ができるようになる。
わけがわからなかったレセがちゃんと見れるようになる。
教えられる立場から教える立場になる。
それはとても喜ばしいことではあるのですが、それで終わらないのが人間です。
そうなると間違いなく勘違いします。
「自分ってできるやつじゃん」という慢心です。
これは一概にダメというつもりはありません。
仕事において自己効力感を得る機会というのは、そんなにあることではないですので、そういう経験を積み上げていくというのはとても大切です。

ですがそれも限度というものがあります。
多くの人は自己効力感という山を越えてしまって、慢心という谷にまでたどりつきます。
そしてその慢心が怖いのは、当の本人は自分が慢心しているとは決して思わないということです。
漫然とこなしている仕事、ルーチン業務に何も疑問を持たないのです。
この状態を簡単にいうとこうなります。
・慣れがだれになる
・挑戦しなくなる
・自己評価だけが高い
「慣れがだれになる」とはまさしく読んで字のごとしです。
慣れだれ崩れ=去れ
劇団四季だとこうなります。

仕事に慣れることはそれだけ経験を積み能力が上がったということなので決して悪いことではありませんが、それが気のゆるみとなってミスをしたり仕事の質を下げることになっては問題です。
良くないのは慣れることによる油断です。
つまり慣れすぎることが良くないのです。
ですが慣れがだれになっているかどうかは自分ではわからないものです。
「挑戦しなくなる」は言い方を変えれば「自己保身」ということです。
何も新しいことを覚えたり、試してみたりしなくても自分は十分できている。
だったらラクな方を選ぶのは当然というわけです。
「自己評価だけは高い」は結構いる気がします。
慢心するぐらいなので当然自己評価は高いわけで、それに反して周りの評価はめちゃめちゃ低い。
残念ながらそんな人も中にはいます。
そう言ってる私がそうかもしれませんが。
結局なぜそうなるのか、何が原因かといえば「井の中の蛙」だからということです。
世界がそこだけに限定されているから見誤るのです、勘違いするのです。
どれだけ大病院の医事課であってもその人数は数十人です。
何百人もいるわけではありません。
だからいくらそこで保険請求についてはピカイチと評価されていても、母数は数十人程度なわけです。
言い方は悪いですがしょせんその程度です。
しかし、全国には何千もの医療機関があり、その中で医療事務員は約25万人いるとされています。
100歩譲ってその25万人の中でのトップ3とかだったら慢心も許しましょう。
あなたはできる人だと認めましょう。
ですが実際そのトップ3の人たちがいたとして、その人たちの辞書には慢心なんて言葉はないはずです。
トップ層へ行けば行くほどそれとは縁遠い人たちになる。
しょせん慢心している人はザコなのです。
ザコキャラです。
でもそんなことは当人にはわからない。
知るよしもない。
だったらどうすべきか?
その答えはただ1つ。
「外界を知れ」ということです。
外の世界
医療事務員の多くは自院の医事課しか知りません。
というか他院の医事課を知る機会などないに等しいです。
外部研修などで顔見知りになることはあっても、実際その人の医事課での仕事ぶりなんてものは目にすることはありません。
他院の業務改善の話を聞くことはあっても、実際目で見たこととプレゼンで聞いたことは厳密にはイコールではありません。
なぜならプレゼンの場合、その時点で必ず内部補正というものが入るからです。
これは誰がしてもそうなります。
作成している当人たちでは決して気づけない一種のバイアスがかかった状態です。
ですので同じ事象でもその病院の職員の見方と他院の職員の見方ではやはり多少認識のズレは出てしまうものなのです。
何が言いたいのかというと、違う職場に行って実際の肌感として感じないとやっぱりその実態、雰囲気はわからないし、逆に自院のみではもう慣れきってしまっていて感覚が麻痺しているんだということです。
そんな感覚麻痺な職場で「自分ってできるやつじゃん」って思うのってかなり痛いよねってことです。
いってみれば世間のことは何も知らない、なのにいつもえらそうにしているバカ亭主みたいなもんです。
まずは己を知れってことです。
そしてそのためにはどうしても実際外に出る必要があるのです。
自院に在籍したままでも他院とのネットワークを築いたり、また交流会のようなものを開いたりしていろんな情報交換を行うことはとても有益です。
また実際活発にそのような活動をしているところもたくさんあります。
ですが先ほども言ったようにそれはあくまで自院視点なのです。
基本的に自院しか知らない医事課職員は自分の存在価値、過去の努力をムダと思いたくないとの感情から自院の医事課を肯定します。
そこを否定してしまうと自分自身をも否定しかねないことになるからです。
いくら「うちの職場どうよ」ってグチっている人であっても、いやむしろそんな人の方が自分が所属している医事課にどっぷり依存しています。
結局一度その職場を出てしまわない限り、自分を客観視することはかなり難しいということです。
そして今の慢心をなくしてしまうには、外の世界を知り、思いっきりアタマを打った方がいいということです。
自院しか知らないとなぜ慢心するのか?
それは当たり前の話ですが比較するものがないからです。
つまり現実を知らない。
自分の知っている保険請求のリアルワールドは目の前の職場だけという状況。
それはあまりにも不幸な現実なのです。
今やレセプトをレセプトチェッカーのみで完結させているところがあると思えば、昔ながらにすべて紙出力し目視点検を行っているところもあります。
それぞれの現場の職員からすれば自院のやり方こそが最善なのです。
でも紙レセプト、目視点検のA病院がレセプトチェッカーオンリーのB病院の方法、状況を知れば自院が最善だなんて思わなくなるのです。
そしてこの場合は方法論なので自院にいたまま他院から学ぶことは可能ですが、慢心というマインドを変えるには話を聞いただけではムリです。
実際に自分で味わうこと以外に方法はないのです。
レンタル移籍制度
これはプロスポーツではよく耳にする制度です。
特にサッカーではそのような移籍がよくあります。
事前に期限が決まっていて、期日が来れば元のチームに戻るというしくみです。
この制度が医療事務に適用できないなんてことは百も承知です。
ですが妄想だろうがなんだろうがこれが一番手っ取り早く慢心を消し去る方法です。
これは系列病院をいくつも持っている法人ならばまだ使える手段です。
しかし現実的には99%ムリでしょう。
そんな自在に人の配置を変えられるような余裕はどこの医事課もありません。
ですがそれでもどこかでやってほしい。
なんなら私自身が移籍したい。
私はつねにアタマを打ちたいと思っています。
今でもアタマを打つことはありますが、さすがにそんな頻繁にはありません。
それは自院のやり方を知っているからです。
どうすれば上手くリカバリーできるかの引き出しをいくつか持っているからです。
しかしそれではもう伸びしろはないのです。
今の私はストックで対応していることが多いのです。
でも私が行いたいのはストックを増やすことです。
であるならば、悩んで考えて答えを導き出すというプロセスが必要なのです。
それには自院は生ぬるい。
まったく私という人間を知らない医事課に行って、はたして医事課長が務まるのか?
そこを試したい。
つねづね言っていますが、私は上手く行き続けることにはメリットはないと思っています。
上手くいっているときは、なぜ上手くいっているのかがわかりません。
だから改善のしようがない。
そうではなくて仕事で必要なことは、上手くいかないことです。
失敗することです。
そこで初めてやるべきことが見える。
そして失敗することは大して痛手にはならない。
こけても起き上がればいいだけのこと。

起き上がる意志さえあればこけることは怖くない。
挫折は怖くないのです。
挫折が怖いと思ってしまうマインドを持つことが怖いのです。
ですのでどんどんアタマは打った方がいいのです。
若い人ならなおのことです。
歳を重ね、役職も上がっていくとだんだんと助言してくれる人、叱ってくれる人が減っていきます。
そのときに「自分ってできるやつじゃん」っていう状態になっていたらもうアウトです。
そうならないためには若いうちからつねにチャレンジできるマインド、現状を良しとしないマインドを育てておく必要があるのです。
そのためには井の中の蛙であってはいけないのです。
まとめ
仮に今日国会で医療事務員のレンタル移籍制度が可決されたとします。
そうなったらあなたは「よしやったるぜ」と思いますか。
それとも転職の準備を始めますか。
おそらくほとんどの人がレンタル移籍に拒否反応を示すと思います。
「よしやったるぜ」なんて人はまずいない。
しかしこれは完全に「よしやったるぜ」の状態なのです。
なぜなら自分の市場価値がわかるからです。
外部評価を受けることができるからです。
そして何より「自分ってできるやつじゃん、って思っていたけど、まだまだだわ。修行が足りんな。もっと自己研鑽しなきゃ。」って感じられる機会を得られるからです。
院内で行うジョブローテーションというものがありますが、他の病院の医事課を転々とする医事課ローテーションというものがもし仮にあったら、すごく刺激になるだろうし、すごく成長するはずです。
おそらく新たな発見、気づきの連続だと思います。
それぐらい私たちは現状に慣れすぎているのです。
新たな発見、新たな気づきって最近いつしました?
そんなの思い出せないっていう人もいるんじゃないでしょうか。
残念ながら国会で医療事務員のレンタル移籍制度が可決される日は来ません。
だから他院の医事課をおいそれと経験するときは今後もないかもしれない。
でも、外に目を向けることはできます。
新たなネットワーク、コミュニティに属することも、外部に自分のメンター的な人を持つことだってできます。
すべては自分の意志しだい。
井の中の蛙でいいと思うのも、そこから出ようというのもすべてはあなたが決めること。
いきなり飛び出ろとはいいません。
半歩でもあなたのコンフォートゾーンから抜け出してみてください。
きっと世界は変わるし、自分の成長も実感できるはずです。
ごまお