先日当ブログの問い合わせに、とある医療事務員の方から診療報酬の算定についての質問が届きました。
今回はそのメールを読んで感じたこと、そしてそこから深堀りして仕事に対するマインドについて述べていきます。
目次
【鍛えるべきは自走力】答えだけ聞いてもマジ意味ないです【できる医療事務員になるために】
結論
できる医療事務員になるためには自走力は必須です。
質問
そのメールの質問内容については省略しますが、内容は診療報酬算定ではよくある「この場合は算定できますか?できませんか?」というものです。
簡単にいえばその内容だけのメールです。
以前もそのようなメールが来たことがあるのですが、私にはこの人たちのそのような行動が理解できません。
まず思うのが、なぜわざわざ見ず知らずの人に聞こうと思ったのか?
そもそもなんですが、私はSNS上では医療事務歴20年の病院医事課長と名乗っていますが、そんな証拠はどこにもないです。
このブログだってただの暇なおっさんが趣味でそれっぽく書いているだけかもしれないわけです。
なぜそんなわけのわからない先へ仕事で大事な診療報酬算定のことについて聞こうとするのか。
たしかにネット上ではググれば診療報酬算定についていろんな情報が得られます。
またSNSでもそのような有益な情報を発信している方も大勢います。
それでも私は個人ブログの問い合わせで診療報酬算定について聞こうとは思わないです。
なぜならそれは時間のムダだからです。
だってそれはその人個人の意見でしかないから。
そこにはエビデンスがないんです。
だからネットの情報はあくまで参考の域を出ないんです。
「いやいやエビデンスはある」とそのブログの管理人の方は言うかもしれない。
「うちの病院は実際その請求で通っているよ」と。
しかしここが診療報酬請求のややこしいところなのです。
各都道府県ごとに審査基準が違う。
これが一番のネックなのです。
だから、たとえそのブログの管理人が自院の所属する支払基金に確認したとしても、それはあくまでその都道府県内での解釈でしかないのです。
だから前述の疑問に戻るのです。
なぜどこの誰ともわからない、どこの都道府県の人ともわからない見ず知らずの人に聞こうとするのか?
それは私から見ると、もはやただの暇つぶしかイタズラにしか見えないのです。
でも文面はいたってマジメに書いてあるのです。
ですが大変失礼な物言いで申し訳ないのですが、その文面を読む限り仕事が大変できる方とは感じられませんでした。
なぜならそこにはホントに質問しか書いてなかったからです。
自分が知りたいことの説明だけです。
何が言いたいのかというと、答えを知ることがゴールじゃダメでしょうってことです。
答えを知るために自分なりにどう行動したのか、何がわかっていて何がわかっていないのか、そのプロセスこそが大事でしょうってことです。
そこがないと答えなんかわかったところで何の意味もないです。
だってその根拠がわかっていないのですから。
わかろうとしていないのですから。
これはそのまま仕事の場合にもいえます。
質問を丸投げして返ってきた答えには何の価値もないです。
だってそこにはあなたの思考はなんにも働いていないから。
目の前の悩みを解決しただけであって、あなたの知識、スキルの積み上げには一切寄与していない。
でも実際そういう人は多いです。
答えさえわかればいいと思っている人。
答えがわかっても意味はないんです。
答えを出す方法を身につけないと。
あと質問力も身につけないと。
何が問題で、どこまでわかっていて、何がわかっていないのか。
質問する人で残念だなって感じる人に共通しているのは、圧倒的なメタ認知不足です。
相手の立場に立ったとらえ方が一切できていない。
答えが知りたい、知りたい病なんです。
極端な言い方をすれば「私がほしい答えだけをよこせ」と言っているのと同じなんです。
そこには相手の大事な時間を奪っているという自覚なんてさらさらない。
もう自分、自分なのです。
質問の仕方
私は今オンラインのプログラミングスクールに入っているのですが、そこではわからないことはメンターに質問することができます。
そのSlack内では質問のフォーマットが共有されていて、その内容は以下のとおりです。
①聞きたいことの一行まとめ ②起きている問題(起きている現象の詳細/エラーメッセージ/スクリーンショット) ③ソースコード(関連するソースコード/全ソースコード) ④問題解決するために試したこと(コードもあれば追記) ⑤問題について自分なりに考えたこと(デバッグ結果/検索結果/自分なりの原因予想)
まさにこういうことなんです。
これはプログラミングだからこういった質問の仕方になっているのではなくて、仕事ができる人というのはそういう質問の仕方になるということです。
質問能力が高い人は情報整理能力も高いし、問題解決能力も間違いなく高いです。
問題解決能力は今後医療事務員として生き残っていくには必須の能力です。

その能力を高めていくには質問能力の高さが非常に重要だということです。
質問というのは相手がいて成り立っているものです。
であるならば受け取る相手が答えやすい質問、労力を最小限に抑えて答えられる質問というものを事前にしっかり考えておく必要があります。
「ここがわかりません」
「算定できますか、できませんか」
「どうしたらいいですか」
という質問では話にならないのです。
質問するときに必ず認識しておいてほしいのが、その質問によって間違いなく相手の大切な時間を奪っている、ということです。
そこを意識していない人が結構いるなと感じます。
その質問によって聞かれるであろうことは事前にすべて調べてつぶしておく。
これは最低限しておくべき事項です。
でないと相手に失礼です。
しかしここで重要になってくるのがその先読み力です。
「こう質問されたらこの点を確認されるかも。だから事前に確認しておこう。」
このほんの少しの意識だけです。
何も何十手も先まで想定しておけと言っているのではないのです。
3手先まででいいです。
そこまでは読んでください。

自走力
大事なのは自走力です。
自走力とは
自分起点で物事を進める力
です。
要は自分で意思決定して行動できる人のことです。
主体性がある人のことです。
すべての医療事務員が目指すべきは自走力のある人なのです。
冒頭の話に戻りますが、自走力のある医療事務員であるならばそもそもブログに問い合わせたり、ツイッターでDMを送ったりということは絶対にしません。
それは自走力のない思考停止の人がすることです。
自分のことしか考えていないメタ認知能力の低い人がすることです。
きちんと考えればわかるはずです。
診療報酬算定の疑問点はどこに確認すればいいのかということが。
少なくともそれはどこの馬の骨ともわからないおっさんに聞くことではないでしょう。
まとめ
医療事務でもなんの仕事でもそうですが、役職が上がるにつれて正解が用意されていない問いを解く仕事が増えてきます。
そのとき間違いなく必要になってくるのは高い問題解決力です。
そしてそのために身につけておかないといけないのが自走力なのです。
でその自走力を鍛えるために日頃から意識しておかなければいけないことが質問力なのです。
答えだけ聞いても何の意味もないということに早く気づきましょう。
そこが理解できれば私みたいな能力の低い人間に聞くという暴挙に出る人もいなくなるでしょう。
ごまお