医事関連のテーマを中心に感じたこと、考えたことを綴っていきます

2020年度診療報酬改定はどうなる?

先日よりいよいよ次期2020年度診療報酬改定に向けた議論がスタートしました。

昨年の2018年度改定では地域医療構想に寄り添う改定と銘打たれ入院医療では入院料全般が再編、統合されました。

具体的には看護職員配置や平均在院日数など基本的な診療にかかる評価(基本部分)と診療内容や患者の状態、アウトカムなどの実績に応じた段階的な評価(実績部分)を組み合わせた2階建て構造となりました。

次期改定では更にこの部分に突っ込んで実績部分の評価指標や基準の見直しなどにより、より患者像を明確にする内容とするのでは、などと言われています。

2018年度改定の答申書附帯意見や分科会などの議論を踏まえ入院、外来、在宅といった個別項目も検討に入るのは9月以降となる予定ですが実際どのような内容、方向性になるのかを見ていきます。

入院料の診療実績に応じた評価が拡大される!?

2018年度改定では入院料全般が再編、統合され看護配置や平均在院日数などの基本的な評価と重度の患者の受け入れなど診療実績に応じた段階的な評価を組み合わせた構造となりました。

2020年度改定では実績部分の評価指標や基準の見直しなどにより入院料ごとの患者像が明確にされるとの見方が強いです。

具体的には急性期一般入院料では重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の引き上げや評価項目、評価方法の見直しなどが検討されるだろうと言われています。

中央社会保険医療協議会の支払い側委員からは現在30%以上に設定されている入院料1の該当患者割合の基準の引き上げを求める声が上がっています。

療養病棟入院料では入院料2の要件である医療区分2・3の患者割合50%以上の基準の引き上げが検討されるとみられています。

DPCに退出ルールが導入される!?

DPC/PDPS(診断群分類別包括評価支払い制度)対象病院の中に平均的な診療実態から外れて診療密度が低かったり平均在院日数が長い病院があることが明らかになっています。

入院医療等の調査、評価分科会で該当病院の診療実態の分析やヒアリング等と行い退出ルールの導入を検討されるとみられています。

DPCではこれまで診療報酬改定に伴い生じる2%を超える収入の激変を緩和する措置がとられていました。

2018年度改定以前は推計診療報酬の変動幅が前年度比で2%を超える場合暫定調整係数が設定されていました。

2018年度改定で暫定調整係数が設定されなくなったことに伴い改定年度のみの措置として激変緩和係数が設定されることになりました。

2018年度は98施設に激変緩和係数が設定されています。

激変緩和措置のあり方を検討する過程で平均的な診療実態から外れて診療密度が低かったり平均在院日数が長い病院があることが分かりました。

DPC/PDPSでは参加病院の実績に基づき診断群分類ごとの平均的な医療資源投入量や在院日数が設定されています。

外れ値を含めて制度を利用すれば医療資源投入量や在院日数を適切に設定出来なくなる可能性があります。

中医協としてはそもそもDPCの目的は急性期医療の標準化であり平均的な診療実態から逸脱した医療を意図的に提供しているのであれば退出も必要との姿勢を見せていますので今後該当病院の診療実態の分析やヒアリング等を実施し退出ルール導入へ向けて検討を進めていくことになりそうです。

紹介状なし受診時の定額負担徴収義務対象病床が拡大される!?

2016年度改定では紹介状を持たずに特定機能病院又は一般病床500床以上の地域医療支援病院を受診した場合初診時5000円、再診時2500円の選定療養費を徴収することが義務づけられました。

更に2018年度改定では地域医療支援病院の要件が許可病病数400床以上に拡大されました。

これは大病院と中小病院、診療所の機能分化を促す目的がありますが実情は当初想定していた程の効果は得られていないようです。

その為次回改定では更に対象枠を拡大し選定療養費の徴収を義務づける地域医療支援病院の対象を200床以上にまで下げてくるのではと言われています。

2018年度改定では200床未満の病院と診療所のみで算定出来る機能強化加算(初診料の加算)が新設されるなど200床を境界線として医療機関に期待される機能が異なることが分かります。

これを踏まえて考えてみても定額負担の徴収を義務づける対象が200床以上と設定されることも十分にあることだと言えます。

まとめ

次期改定で論点になると予想されている項目としては、

①入院料の診療実績に応じた評価部分の評価指標や基準の見直し

②外来医療の機能分化の促進

③在宅医療の供給量の確保

④オンライン診療の拡充

⑤働き方改革の推進

などがあります。

入院料についてはいよいよ急性期病床の真の絞り込みが始まるのだろうと予測出来ます。

前回改定が入院料のラダー改定といっていい内容であったにもかかわらず、急性期病床については実際はあまり絞り込みというのは出来ていません。

前回が土台作りと考えるのならば本番が次と考えてよさそうです。

そうなるといよいよダウンサイジング論というのが本格化してくるものと思われます。

前回改定では自院の舵切りを保留した医療機関であっても次回改定では将来のビジョンをどう描きどういう道を進むのか、ということの答えを出していかなくてはならなくなります。

現在の人口減少や都市部への人口集中が進む中適切な医療提供体制とはどうあるべきかを本気で考えないといけない岐路に来ています。

地域医療での自院のポジションをどこに置くか、何の強みを持って淘汰される時代を闘っていくかのひとつの答えが必要となってきます。

その為のデータの分析、国の施策の方向性の見極めが極めて大事となります。これから1年をかけてその部分を徹底的に洗い出していきたいと思います。

 

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