医事関連のテーマを中心に感じたこと、考えたことを綴っていきます

改元対応って大変!~新元号「令和」に関するシステムと運用について~

平成もいよいよ残すところあとわずかとなりました。

4月1日の新元号発表以来、医療機関の情報システム担当者の方や各種ベンダー担当者の方は忙しい日々を送っていることだろうと思います。

今になって思うことは新元号の公布と施行の期間をなぜもっと十分にとっておかなかったのかということなんですがそんなことを今更言っても意味がないのでこれから先の話をします。

現在当院においては継続的にシステムの改元対応の作業は行われており一部完了済みとなっている部門システムもあります。

ですが反対に5月1日にはもう間に合わないとしている部門システムベンダーもあります。

これは作業期間を1ヶ月間と見た時当然予想されうる事項であり別に驚きもしませんが、医事課として考えなければならないことはシステムが追いつかない部分をどう運用でクリアするかということになる訳です。

その部分を見ていきたいと思います。

元号についての基礎知識

まず、そもそも元号ってどう定められているのってところを見ておきます。

元号はたった2つの条文からなる元号法によって規定されています。

1 元号は、政令で定める。2 元号は、皇位の継承があった場合に限り改める。

この中で元号は政令で定めるとありますがまず政令を整理しておきます。

通常法的根拠のような使い方をする場合の法的とは法律のことを指しますが、法律下には政令や省令というものがありまとめると以下のようになります。

①法律:国会(衆参両議員)の議決を経て制定されるもの

②政令:内閣が制定する命令

③省令:各府省の大臣が発する命令

④通達:行政内部の命令

法律の関係で言えば、国会(法律)を頂点に内閣(政令)各府省(省令)となる訳です。

そして、法律・政令・省令をあわせて法令と言います。

次に元号の使用の義務について見ておきます。

元号法には元号を定めるプロセスについて規定されているだけで条文上国民は元号を使用しなければならないといった文言もなく元号法によっては国民が作成する文書に元号を使用する義務は発生しません。

また公文書には和暦(元号)が用いられていますがこれにも法的な根拠はありません。

事実たる慣習としてほとんどの公文書で和暦が用いられていますが法令上は公文書に和暦(元号)を用いる義務を規定したものはありません。

そうすると元号って事務処理上は必要ないんじゃないって思ってしまいます。

便宜上元号は残した方がいいと思いますが行政や社会システムは全て西暦統一でいいと思います。

実際医療機関ごとでも文書類が和暦の所もあれば西暦の所もありますし、1つの医療機関でも和暦の文書、西暦の文書が入り混じっている場合もあります。

官公庁は今後西暦統一にしていくとのことなのでそれを踏まえても医療機関としても将来的には西暦統一へ向かっていく流れになっていくのではないかと思います。

改元に伴う元号による年表示の取扱いについて

4月1日付にて新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議申合せということで「改元に伴う元号による年表示の取扱いについて」の国としての方針が示されています。

⇒⇒⇒改元に伴う元号による年表示の取扱いについて

この中に  2.元号による年表示に関する原則  (2)改元日以降に作成する文書  という所には以下のように示されています。

各府省が作成する文書において、元号を用いて改元日以降の年を表示する場合には、「令和」(「令和」を意味する記号を含む。以下同じ。)で表示するものとする。やむを得ず申請、届出等(以下「申請等」という。)又は処分の通知等(以下「通知等」という。)の様式に「平成」の表示が残る場合であっても、当該表示は有効なものであるが、混乱を避けるため、必要に応じ、例えば、次に掲げる対応を行うものとする。
(対応例)
・訂正印や手書きによる訂正
・文書や画面上の表記が「平成」のままでも有効である旨の注意書きの挿入や表示、書面の交付

国民が各府省に申請等を行う場合において、改元日以降の年の表示が「平成」とされていたとしても、有効なものとして受け付けるものとする。

ここには元号の読み替えが可能である旨が記載されています。

但し、必要に応じて訂正や注意書きのアナウンス等の対応をとって下さいとあります。

この読み替えについては既に多くの公共機関や医療機関でもホームページ上で表記をしています。

対応例には2つの方法しか示されていませんがこれはあくまで例なので他の方法があればそれでもいいということです。

まとめ

一番いいのは改元のシステム対応が全て完了して5月1日を迎えることなのでしょうがそのような所は多くはない筈です。

多くは5月1日以降もシステム改修を続け順次新元号に対応していくことになっていくと思います。

また院内文書の種類が大量にある場合には全て変更するにはかなりの時間を要しますし、平成印字の在庫文書の1枚1枚を訂正印や二重線訂正するとなると作業量が半端ないことになります。

やはり現実的なのは読み替え対応になるのだろうと思います。

そもそも5月1日に正常にシステムが稼働しているかどうかも当日にならないと分からない部分もありますし、連休対応も重なっていろいろ懸念する所はありますが杞憂となってくれることを願っています。

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