2020年度診療報酬改定にて新設されたせん妄ハイリスク患者ケア加算という加算。
今回はこの加算について詳しく見ていきます。
目次
【新設】せん妄ハイリスク患者ケア加算の意味
結論
医療安全確保の観点からもせん妄予防の取り組みは極めて重要です。
今後もその評価、ニーズは高まってくると予想されます。
せん妄ハイリスク患者ケア加算
【対象病棟】
「一般病棟入院基本料」「特定機能病院入院基本料」「特定集中治療室管理料」「ハイケアユニット入院医療管理料」「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」を届出する病棟に限定
【算定要件】
すべての入院患者に対してせん妄のリスク因子の確認を行い、ハイリスク患者に対し、薬物を使用せずに、「せん妄対策」を実施した場合に算定
【加算について】
入院中に1回100点のみの点数ですが、予防的ケアに対して評価がされていることには大きな意味があります。
当加算は算定対象となるのは入院患者全体ではなくハイリスク患者に対してのみです。
したがって、DPC対象病床においても係数評価ではなく出来高評価です。
すべての入院患者をリスク評価するのに算定できるのはハイリスク患者のみであることから、収益性はそんなに高くありません。
ですが医療安全確保の観点からも今後ますますその重要性は増してくるはずです。
中医協での改定時の議論でもせん妄予防は極めて重要との見解が示されています。
今後はせん妄発症後の対応やそれが可能となる体制への評価についての議論も進んでいくものと予想されます。
当加算についても入院医療に必要な体制として、今後ますますその評価は高くなってくるはずです。
次回改定ではその対象病棟がより拡大されることも予想されます。
現時点での収益性は高くはないですが、この先を見すえればせん妄対策への取り組みはより重要なものとへとなっていくでしょう。