【医事課長が解説】医療事務の将来性【10年後の世界とは?】

今や私たちの生活に浸透し始めて来ているAI(人工知能)。

2015年には野村総合研究所があくまで技術的な代替可能性としながらも10年後から20年後に現在働いている人の半数の職業が機械や人工知能によって代替することが可能だとする分析結果を発表しました。

そしてその中には医療事務が含まれていました。

はたして医療事務は将来無くなってしまう職業なのか、今後の将来性は、といった点に注目して述べていきます

ごまお

10年後ってどうなっているんやろ?

【医事課長が解説】医療事務の将来性【10年後の世界とは?】

結論

医療事務という呼び名の職種は残っていてもその業務内容は今とは違うものになります。

医療事務の未来像とは?

結論からいいますと現在行っている仕事でそのまま残り続けるものはほぼありません。

完全になくなってしまうものもあれば、変化しながらも残るものもあるとは思いますが、遠くない未来に大方の医療事務業務がロボットに置き換わります。

そんなことを言ってもまだかなり先のことと思いがちですが、AI技術の進歩の速度は私達の想定を遙かに上回っています。

将棋の世界では10年前ではAIはプロ棋士に勝てませんでした。

それが現在ではプロ棋士がAIに全く歯が立たず人間とコンピューターが戦う時代は終わったとされています。

10年前では想像もしていなかった世界がすでに訪れているのです。

医療事務の世界も同じことがいえます。

具体的にはどうなる?

まずは単純な作業が次々にコンピューター化されます。

受付や会計の自動化ですね。

そして、保険請求もどんどんコンピューター化していきます。

これについては既に支払基金が業務効率化のスケジュールというのを出しています。

この中で示しているのが

・2022年度までにレセプト全体の9割をコンピューターによるチェックのみで完結する

 

・コンピューターチェックルールの統一化、ルールの公開を行う

というものです。

要するに、レセプト点検のスキルが重要ではなくなってきます。

なぜなら、公開されるルール通りの点検ソフトでチェックすれば査定される可能性も低くなるからです。

また支払基金は2024年時点で職員を20%削減する意向を示しており、業務のスリム化、効率化を進めます。

まさに、AI、ICT化へと大きくかじをきってきます。

もう、ヒト対ヒトのレセプト審査は縮小していき、機械対機械という図式になっていきます。

これは今後数年で一気に加速していきます。

医療ブロックチェーンの世界

これはまだすぐ導入できないでしょうが、いずれ使われる技術です。

ブロックチェーンとは分散型台帳技術またはそのネットワークのことをいいます。

これはビットコインによってその言葉は聞いたことはある、という人もいると思いますが、実現すれば医療界全体に確実にプラスに働くことでしょう。

台帳をみんなで管理して誰でも書き込めます。

また、台帳に書き込まれる際にはチェックして正しい記録だけが残ります。

タイムスタンプ機能も持っており強力な真正性を確保します。

具体的にいうと、例えば病院が変わっても前の所での診療内容が確認できるので同じ検査をすることもありませんし、今何の薬を処方されているかなどの過去の処方歴なども一目瞭然になります。

保険情報も個人で管理する必要がありませんのでいちいち役所に確認したりといったこともありません。

いいことづくめですがいかんせん実用化するまでの技術開発にまだまだ時間を要するようです。

まとめ

 

どうゆるく見積もっても既存の業務が未来永劫続くなんてことはありません。

これから先医療事務員としてやっていくには、まず変化に柔軟に対応できるマインド、なんでもチャレンジできるマインドを持っていなければまず通用しません。

またこれまではレセプト点検という特殊専門性が高い人が重宝されましたが、どんなにその能力が秀でている人でも人工知能とでは勝負になりません。

医療事務のスペシャリストという文句がありますが、これからはスペシャリストではなくゼネラリストが必要です。

AIとは勝負してはダメで共存していく必要があります。

この先10年で医療事務の仕事がなくなることはありませんが、仕事の内容は変わります。

その変化に飛び込んでいくのか、受け入れるのか、逃げ出すのか人それぞれだとは思いますが、どうせ変化していく社会なんだからみずから飛び込んでいったほうがよくね?って思います。

みなさんはどう考えますか?

ごまお

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