モード学園の2008年のキャッチコピーに「昨日の私と思うなよ!」というのがあります。
これはつまり今日の私は昨日よりも成長しているんだぞという主張です。
そしてその成長に必要なのが背伸びです。
今回はあなたは今も仕事で背伸びしていますか?というところについて話していきます。
目次
あなたはいつから仕事で背伸びしなくなったのか?【望むは成長か現状維持か】
結論
ほんの少しでいいので背伸びをしましょう。
背伸びの必要性
本来ならここから背伸びの必要性を語ることになります。
たとえば、人は自分の現状に満足せず、少しでも超えようと努力し苦悩することで成長していくものです。
そうでないと能力の容量も大きくなっていかないし、自分自身も伸びてはいきません。
こういった言い回しが続くはずです。
ですが僕が話すことは医療事務がベースです。
そうするとちょっとこの言い回しは使えないのです。
なぜなら、そこでは自身の成長を願っている人たちがマジョリティではないからです。
これはこの職種特有のものかもしれませんが、医療事務員のモチベーションは総じて高くはないのです。

というかモチベーションという概念すら持っていないと見受けられる人もいます。
これは医療機関という一般企業とはまったく違った組織の性質に影響されています。
つまり、あらゆる職種が混在している中での医療事務員という立ち位置です。
そしてそこでの院内ヒエラルキーが最底辺であることからくる無力感です。


主張が通らない、正論が通らない、パワーバランスで負けている。
そんなことからくる無力感がモチベを下げている一要因であったりもします。
また医療事務という仕事はルーチンワークの連続です。
1日の流れ、1週間の流れ、1ヶ月の流れ、それらは決まっています。
その流れに沿って、決められた仕事を決められたとおりに進めていく。
それが医療事務です。
求められるのは正確性と迅速性。
そこには創造性なんてものはありません。
ですのでどれだけ最初できなかった人であっても、毎月繰り返しているうちにそれなりにはできるようになります。
よってその時点で自身の付加価値を追求しなければ、現状に甘んじることは可能です。
そしてそんな人は結構多いのです。

ですので、「人は自分の現状に満足せず、少しでも超えようと努力し苦悩することで成長していくものです。」という主張では彼ら彼女らには響かないのです。
「努力したって、頑張ったってヒエラルキーなんてひっくり返らないじゃん」
「もう現状の仕事をこなすだけのスキルは身についているから、ムリに努力する必要ないじゃん」
そんな結論になってしまうのです。
よって医療事務員には「背伸びの必要性」という話は全然刺さらないのです。
そして医療事務員に限らずさまざまな職種においても「背伸びの必要性」という話は刺さりづらくなっています。
ライフワークバランスが重視される中、仕事は70%主義でプライベートを重視する、そういう傾向は昔より強まってきています。
また他方で「身の丈を知れ」という話もよく耳にします。
自分の実力を知った上でそれに見合った仕事を着実にこなせ!という文脈で使われたりします。
これらはどちらも「背伸びはいらね」という主張です。
たしかにライフワークバランスを重視すること、身の丈を知ることはとても大事です。
ですが「背伸びはいらね」は極論です。
これは0(ゼロ)か100(ヒャク)かの話ではないのです。
ムリな背伸びはする必要はありませんが、適度な背伸びはつねに必要です。
でないとチャンスなんて一生来ないです。
身の丈にあった仕事なんてない
先ほど「身の丈を知れ」という言葉を使いましたが、そもそも身の丈にあった仕事って何なんでしょうか?
結論から言いますと、そんなものないです。
基本的にみなさんは仕事は他者から与えられるものだと思いますが、その仕事の内容は次の2つのどちらかです。
・自分の実力以上の背伸びが必要な仕事
・自分の能力範囲内の物足りない仕事
そして後者を選択している人がマジョリティです。
結局背伸びって怖いんです、しんどいんです。
だからいつものごとく、たんたんとこなせる仕事に甘んじてしまう。
別に僕はこれを非難するつもりはないです。
仕事はバランスです。
毎日100%チャレンジしてます、自分の能力を超えた仕事しかしてません、という人はそれこそ「身の丈を知れ」ということになってしまいますし、なによりそれでは長期的にはもちません。
ですがかといって毎日100%こなす仕事しかしてません、という人はもう一切の成長も明るい未来も待っていません。
もはやそれは現状維持ではなくて下降なのです。
現状維持ってよく悪い意味で使われがちですが、ホントはそうじゃありません。
なぜならホントの現状維持というのは現状維持ではないからです。
ちょっと何を言っているかわからないと思いますがつまりこういうことです。
つねに周りが変化している中で現状維持をしていこうとするのであれば、そこにはつねに少しづつの成長が求められる。
自分としてはちょっとずつ右肩上がりの成長曲線を描いていて、それでやっと周りと比較して現状維持に落ち着くというわけです。
ですので人が使う「現状維持」には2種類あるということです。
・自分の中での現状維持
・周りと比較しての現状維持
前者はまったくダメで目指すなら後者というのは言うまでもありません。
実力よりも高め
タモリさんの言葉に次のものがあります。
自分の中で『これくらいの力がついたら、これくらいの仕事をしよう』と思っても、その仕事は来ない。必ず実力よりも高めの仕事が来る。それは「チャンス」だから、絶対ひるんじゃだめ。
先ほども言ったように仕事には、自分の実力以上の背伸びが必要な仕事か、自分の能力範囲内の物足りない仕事のどちらかしかありません。
自分にちょうどいい、ぴったりの仕事なんて一生待ったって来ないのです。
だったら選択肢は2つです。
実力より高めの仕事にチャレンジするか、それとも、できる仕事をたんたんとこなすのか。
あなたはどっちですか?
まとめ
みんな誰だって社会人1年目のときは背伸びしていたはずです。
自分のスキルを伸ばしたい、早く周りに認められたい。
そう思っていたはずです。
でもいつの間にか背伸びしていない自分に気づく。
まだ気づける人はいい方です。
それに気づけない人ってたくさんいます。
あたかも背伸びしていないことが普通って思えるような。
今のスキル、能力のままで5年後、10年後もやっていけると思い込んでいるような。
もうそんな時代は過去のものです。
自身の成長を願うなら間違いなく背伸びは必要です。
別にうんと背伸びする必要はないです。
ほんの少しでいいのです。
そのほんの少しがあなたを助けるはずです。
あなたを成長させるはずです。
今日から少しだけ背伸びしてみましょう!