以前に医療事務はブラックなのか?ということについて書きました。

大まかな考えとしてはそこを読んでもらえばいいのですが、今回はそれに加えてもっと根本の話をします。
それは、そもそも「医療事務はブラックです論」というのは何を根拠に作られているのか?ということです。
この話題はものすごくざっくりしています。
イメージ論と言ってもいいかもしれません。
「ああ、医療事務。ブラックじゃね。」みたいなとらえ方をしている人が多いのではないでしょうか。
つまり、そこに根拠はあるの?信ぴょう性はあるの?ってことです。
今回はこの点を深堀りします。
医療事務はブラックって本当?【リア充はネットに書き込まない】
結論
ネットの意見に踊らされないしっかりとした自分軸が重要です。
確証バイアス
まず確証バイアスとは
認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。
認知バイアスの一種。またその結果として稀な事象の起こる確率を過大評価しがちであることも知られている」
『ウィキペディア(Wikipedia)
とあります。
先ほども書きましたが医療事務ブラック論というのが何を根拠に作られているのか?ということについて考える場合この確証バイアスが無視できないのです。
ためしに「医療事務 ブラック」や「医療事務 辞めたい」などでググってみますと予想どおりこれについての口コミや意見が多数出てきます。
逆に「医療事務 ホワイト」や「医療事務 頑張る」などでググってもほとんど意見は出てきません。
そもそも僕もそんな「医療事務 ホワイト」などという検索を今までしたことがありません。
これはよく考えると当たり前のことで医療事務で頑張っている人、前向きに日々進んでいこうとしている人は自己研鑽の時間も必要ですし、十分な休息も必要です。
つまり、そのように日々充実している人は他人に向けて自分の意見を発信する必要もないし、そんな時間もないのです。
だから医療事務に対して肯定的な意見がネットに溢れてこないのは当然の結果なのです。
真のリア充はSNSなどしない!?
こういう説はありますがこれは検証ができないので何とも言えません。
ですが、少なくとも自分への満足度が高い人の方が投稿する割合は少ないだろうなとは思います。
結局ネットに投稿するという行為は多かれ少なかれ自分の承認欲求を満たしたいのです。
そうでないのならば日記でこと足りるはずです。
要はわざわざ仕事について書き込むのであれば自分の意見に共感、同調してほしいってことです。
そして「うちのお局がクズすぎ」とか「残業が減らない」とか「患者のわがままに付き合いきれない」とか、とにかく自分の不満を書き込みます。
そしてそれを読んだ同じ意見の人が同調したり拡散したりするわけです。
そうしていくと医療事務はブラックです論の記事群がそこにできあがります。
よってWEB上では医療事務に対する否定的な意見が山のように出てくるのです。
対して医療事務で現在頑張って仕事をしていて、今は少々しんどくても将来のために経験とスキルを身につけようとしている人にとって、そんな他人の意見などどうでもいいのです。
そもそも他人のつらいと思う限界点と自分の限界点なんて比べることなどできないのですからそんなの見たって意味ないのです。
その前にそんな誰が書いているかもわからない意見を、自分の貴重な時間を使って見ている暇なんてありません。
基本的に充実している日々を送っている人は他人のことなんて気にしないし、まして参考になんかしません。
また、自分の充実度を発信する必要ももちろんないわけで、そうなると必然的に医療事務はホワイトだ、とか医療事務で充実した毎日を送っています、なんて記事が世に出てくることはなかなかないのです。
ですので余計に医療事務はブラックだという記事が目立ってくるのということです。
ネットはあくまでネット
現代は本当に便利な世の中で大変喜ばしいですが、こと情報リテラシーについてはもっと個人で注意していかねばなりません。
基本的にネットに書いてあることの半分は事実ではないぐらいの見方をしていなければ危険です。
これはソース元がどこかということがとても大きいです。
エビデンスがしっかりしている科学的な論文も、ある情報元からによる新聞記事も、個人が発信しているブログもすべてある1つの情報なのです。
ここの取捨選択をきちんとしていなければ誤った情報に踊らされてしまいます。
要はネットはあくまでネットという見方もある種必要だということです。
医療事務はブラックなのかということはやはり自分で経験して学んでもらうしかないのです。
他人の意見に踊らされないしっかりした自分の軸というものが大事なのです。
まとめ
実際本当にブラックな医療機関も世には存在していると思います。
労働時間が守られていなくて、賃金もきちんと支払われていないというような場合です。
もちろんそんなところは論外ですが。
でもそんなところはごく一部であり、大部分は労働時間もきちんちと守られて賃金も適切に支払われています。
それでも医療事務はブラックなんだ、というのが世に言うところの医療事務ブラック論です。
だとするならば、そんなことは働く前からわかっていることではないですか、と思うのです。
給料が安いってそれは確認して入って来ていますよね。
月初めに残業があるってレセプト業務がどういうものかを調べればわかるはずです。
陰湿な女社会の職場ってそれはどこに行こうがあります。
覚えることが多すぎるし仕事が煩雑過ぎるとかになるともう言うことも思いつきません。
そんなの当たり前じゃないですか。
単なる民間資格の医療事務資格を所持していても、それも数ヶ月で取得できるような資格でどんな仕事内容と給料を想定しているのでしょうか。
そもそも現在医療事務で食っている人の多くが危機感に欠けています。
5年後、10年後に今のスキルだけで本当にやっていけると思っているのでしょうか。
僕はそうは思いません。
素朴な疑問なのですがなぜブラックだと言っている人は文句を言って働いているのでしょうか。
イヤなら辞めればいいのではないですか。
あと辞めてから言っている人もいますが、それには一体何の意味があるのでしょうか。
まとめますと僕の結論は次のとおりです。
①医療事務はブラックですという論調には明確な根拠がない。ざっくりしたイメージだけが先行している。
②ネットではブラックですという書き込みだけが目立つが多数派ではない。ある限られた一定層の意見に過ぎない。
③経験談で書き込んでいるその人自身の問題である場合も多分にあると思われる。
④仕事を甘く見ている、若干なめているんじゃないかと思う。
⑤ネット上の医療事務の情報に関して言えば、良く書いていることも悪く書いていることもすべて疑った方がいい。
そこには真実はない。あるのはバイアスのかかった企業の意見と個人の意見のみ。
⑥就職前にホワイトかブラックかを見分けることなんてほとんど不可能、というか無意味。
私がホワイトだと思って薦めても実際あなたがブラックだと思えばどんな医療機関でもブラックになるのだから。
⑦辞めていく人の原因は突き詰めるとすべてメンタル。
もっとストレス対策を学んだ方がいい。
これは病院職員のバイアスがかかった意見でしょ、と言われればそうかもしれません。
でもこれは20年余り現場を見てきた僕の率直な意見です。
今回の記事を参考にするか、しないのかはあなたに任せます。