【仕事の鉄則】諦める力【勝てないのは努力が足りないからじゃない】

このブログではこれまでに医療事務の未来、将来像、キャリアということでさまざまな記事を書いてきました。

ざっくりまとめますと次の5点です。

 

将来的にはAI、ICT化が進み医療事務が担う業務分野が現在のものとは変わる。

 

単純作業はコンピューター化がどんどん進む。

 

レセプト関係もコンピューター化は加速していく。

 

中途半端なスペシャリストでは淘汰され生き残れない。

 

時代の変化に臨機応変に対応し、またその変化の波に自ら飛び込んでいく挑戦心豊かな人材が必要とされる。

 

与えられた仕事だけをこなすのではなく

 

自ら問題提起→院内スタッフを巻き込んでの改善活動→問題解決

 

までを行える思考力、行動力を持った人が必要とされる。

 

たった1つのスキルで勝負していくのならば市場価値として頭1つ抜き出ておく必要がある。

 

または別の戦略もあり。

 

それは2つ以上のスキルを掛け合わせる方法。

 

つまりスペシャリストではなくゼネラリストを目指していく方法。

 

つねに新しいことを吸収しようとする学習心、勉強習慣を身につけておくべき。

かなりざっくりですが主旨としては上記のようになります。

そしてこの先やっていくために絶対必要なのが仕事への正しいアプローチ方法を知ること。

つまり戦略を練るということです。

今回はこの「戦略」について考えます。

【仕事の鉄則】諦める力【勝てないのは努力が足りないからじゃない】

結論

進むために必要なことは諦めること。

諦める力

諦めるとは?

戦略を考えるとしたときに、非常に参考になる本がありました。

その本とは為末大さんの著書『諦める力』です。

知っている人も多いと思いますが為末さんは陸上の400mハードル日本記録保持者で元オリンピック選手です。

諦める力で為末さんは次のように語っています。

 

「諦める」という言葉の語源は「明らめる」だという。

人生は可能性を減らしていく過程でもある。

年齢を重ねるごとに、なれるものやできることが絞り込まれていく。

可能性がなくなっていくと聞くと抵抗感を示す人もいるけれど、何かに秀でるには能力の絞り込みが必須で、どんな可能性もあるという状態は、何にも特化できていない状態でもあるのだ。

できないことの数が増えるだけ、できることがより深くなる。

人間には変えられないことのほうが多い。

だからこそ、変えられないままでも戦えるフィールドを探すことが重要なのだ。

僕はこれが戦略だと思っている。

戦略とは、トレードオフである。

つまり、諦めとセットで考えるべきものだ。

だめなものはだめ、無理なものは無理。

そう認めたうえで、自分の強い部分をどのように生かして勝つかということを見極める。

 

100メートルを諦めたのは、勝ちたかったから。

勝つことに執着していたから、勝てないと思った100メートルを諦めた。

勝つことを諦めたくないから、勝てる見込みのない100メートルを諦めて400メートルハードルという勝てるフィールドに変えた。

つまりは、自分の腹の奥底にある本心を言語化することができた。

「AがやりたいからBを諦めるという選択」をしたに過ぎない。

多くの人は、手段を諦めることが諦めだと思っている。

だが、目的さえ諦めなければ、手段は変えてもいいのではないだろうか。

 

そもそも、自分は何がしたいのか。

自分の思いの原点にあるものを深く掘り下げていくと目的に向かう道が無数に見えてくる。

道は一つではないが、一つしか選べない。

だから、Aという道を行きたければBという道は諦めるしかない。

最終的に目的に到達することと何かを諦めることはトレードオフなのだ。

何一つ諦めないということは立ち止まっていることに等しい。

諦めるとは進むこと

この本は多くの人が評価していてネットで書評しているブログなども見かけます。

それほどいろんな立場の人たちの心に刺さるのだと思います。

僕も読んでいて自分の立場に照らし合わせていろんなことを考えさせられました。

本文には、100メートルを諦めて400メートルハードルに転向したとありました。

勝つために。

つまりそれは目的を達するために1つの手段を諦めたにすぎないと。

そう聞くとわかります。

諦めるってことは前に進むことなのだと。

とかく僕たちは諦めるという言葉をマイナスにとらえがちです。

日本社会では諦めずに努力することが美化されています。

しかし、はたしてそれは正しいのでしょうか。

諦めずに努力しても成功しない人は世の中にごまんといます。

そもそも努力が報われないなんて常識です。

それならば大事なことは「諦めない」ことではなくて「諦める」ことなのです。

何を諦めるか?

ここまで聞いて間違った解釈をしてしまわないように本書ではこうも言っています。

 

こういうことを言うと「じゃあ、別のフィールドに移ろう」と安易に流れる人も出てくる。

さしたる努力もせずに移動を繰り返すのは、諦めていいということを何もしなくていいことだと解釈しているからだ。

「諦めてもいい」が、「そのままでいい」にすり替わっている。

僕が言いたいのはあくまでも「手段は諦めていいけれども、目的を諦めてはいけない」ということである。

言い換えれば、踏ん張ったら勝てる領域を見つけることである。

踏ん張って一番になれる可能性のあるところでしか戦わない。

負ける戦いはしない代わりに一番になる戦いはやめないということだ。

「どうせ私はだめだから」と、勝負をする前から努力することまで放棄するのは単なる「逃げ」である。

 

これは普遍的な話ですので当然医療事務にも当てはまります。

そして医事課目線で読むと、まさに自分たちのことを言っているのではないかと思えるのです。

手段は諦めていいけれども、目的を諦めてはいけない。

つまり目的達成までの道筋、方法は取捨選択すればいいけれども目的自体を放り出すなということです。

さてここで質問ですが医療事務の目的とは何なのでしょうか?

これは広義すぎるのでもう少し絞った質問に言いかえます。

医事課の目的とは何なのでしょうか?

病院内での医事課の役割はさまざまですが、最も大きい役割、目的は医療行為を収益化し、なおかつ最大化することです。

いくら質の高い医療、サービスを提供していてもそれが収益として反映できていなければ経営として成り立たなくなり、いずれその病院は立ち行かなくなります。

ですのでどれだけ高い請求能力を有するかが医事課には問われます。

そしてそのようなプロフェッショナル集団を目指すことが目標であり、そのためにそれぞれの個を成長させることが大事なのです。

だから個々の医療事務員が成長することがすべてにおける源です。

そうなると肝となるのが個人の目的意識、仕事に対する姿勢なのです。

そして実際は「どうせ無理」「できない」といって勝負をする前から努力することを諦めている人が多く存在します。

「努力することを諦めている」と聞くとピンとこないかもしれません。

だったらこう言いかえましょう。

挑戦しようとしない、と。

医療事務員とひとくくりに言いますが仕事への温度差は個人ごとで千差万別です。

これは勤めている病院の規模にもよるでしょうし、個人の価値観にも大きく左右されます。

いわゆる大病院に勤めている人ならばこの先も病院が潰れるなんてことは微塵にも思わないでしょう。

かたや中小の病院に勤めている人であればつねに危機感を持って仕事と向き合っているかもしれません。

また個人の価値観の問題として給料重視の人、プライベート重視の人、人脈重視の人などさまざまなタイプがいます。

しかしどんなタイプの人であれ仕事に1番何を求めるべきか、最重要視すべきかといえばたどりつく答えは1つです。

それは決してお金とかではなくて自身の成長なのです。

そしてそのためには、つねに上を目指す気持ちが必要です。

その気持ちは自分が負け続けているような状況下では芽生えてきません。

1度も上手くいっていないような状況で上を目指して頑張れと言っても当人に響くはずがありません。

だからこそ、さきほどの本書の言葉が響くのです。

 

言い換えれば、踏ん張ったら勝てる領域を見つけることである。

踏ん張って一番になれる可能性のあるところでしか戦わない。

負ける戦いはしない代わりに一番になる戦いはやめないということだ。

 

これが正しい諦め。

正しい逃げです。

大事なことは目的は固定したまま手段だけ変えているということ。

そしてあくまでてっぺんを目指して戦う姿勢はゆるめていないということです。

 

たとえば、医療事務で働き始めて5年だがレセプトスキルでは10年、20年選手にはどうやったって勝てない。

このとき、それでも一生懸命やり続ければ成果が出て報われるはずだ、と思うことは自由ですがそれではあまりにも客観的な視点が足りません。

そこには戦略がない。

ここでレセプトスキルを上げる努力を諦めると聞けばマイナスイメージしか抱きません。

しかしそうではなく、今後のレセプトのコンピューター化を見据えてITスキルに特化して伸ばしていく。

そのためにレセプト点検能力の向上は捨てる、諦めるとすればそれはマイナスでもなんでもなく、むしろトータルで考えると大きなプラスとなります。

そもそもレセプトの目視点検能力は、今後それほど重要視できるようなスキルではなくなっていきます。

逆にITスキルは高ければ高いほど医療事務の人材としての需要もあり、能力値が高いと判断されていくことが想定されます。

であるならばITに特化するためにレセプト分野を諦めるという選択は正しい諦め方なのです。

 

医療事務ってある種かなり変わったスキルです。

同じ事務でも通常の一般事務とは相容れない要素が随所にあります。

わかりやすく言えば、一般事務のスキルを医療事務の中で活かすことはできますが、医療事務のスキルを一般事務で活かすことはできません。

エクセルスキルが高い人が医療事務に転職してくればすごく重宝されます。

しかし反対にレセプトスキルが高い人が一般事務に転職してきても何の役にも立ちません。

そういう意味では医療事務の能力は医療事務でしか発揮できないのです。

そしてそんな人たちの集まりが医事課なのですから、そこで自分の価値を高めていこうとすればスペシャリスト具合を深めていくしかないのです。

そのためには必ずどこかを諦める、捨てる必要があるのです。

そしてこのフィールドなら戦えるという確固たる領域を持つことが重要なのです。

そのためには自分は何を諦めるのか、それを自分に問う必要があります。

まとめ

 

僕はスペシャリストよりもゼネラリスト推しなのですが、医療事務員の将来像としてはどちらもありだとは思います。

ただ、スペシャリストで戦うフィールドは戦いが激化していくことが目に見えているので、ゼネラリストの方が戦いやすいのではと思うだけです。

あとここでいうゼネラリストは広く浅くまんべんなくというものではありません。

それは医療事務では最も使い道がないゼネラリストになってしまいます。

僕のイメージは、たとえばレセプトのスペシャリストがMAX10のレベルだとするとレセプト×IT×経営のゼネラリストはオールレベル8というような具合です。

そしてレセプトのスペシャリストだと市場での競合相手は多数いますが、レセプト×IT×経営のゼネラリストだとほぼ競合しないはずです。

まずそのタイプがなかなかいないのと、いても高いレベルで揃っている人材はまずお目にかかれません。

どちらが戦いやすいか、生き残りやすいかは明らかでしょう。

しかしどちらにもいえることは、軸となるものを残すために必ず何かを諦めているということです。

つまり、「進むために諦める」ということです。

ですので医療事務を諦めたくないのであれば、必ずその業務の中で何かは諦める必要があるのです。

それが何かがわかっているか、わかっていないか。

知っているか、知ろうとしているか。

ここがポイントです。

諦めるとは進むことなのです。

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