以前に組織の一員としてのマインドのあり方についての記事を書きました。

その中で仕事に納得感なんていらない、ということを話しました。
かたや、自分が納得できる仕事をしている、という思いを持つことこそ、とても大事なんだという意見もあります。
はたしてどちらが正しいのでしょう?
今回はこの点にフォーカスします。
この記事を読んで頂くことで、きっとあなたの仕事観が整理されることでしょう。
目次
【検証】仕事に納得感なんていらない、は正解ですか?
結論
組織の一員としては正解。
人生における一個人としては間違いです。
仕事に納得感はいらない
ここについては以前のその記事をご覧ください。
組織に属する以上これは受け入れないといけない事実です。
組織とは上司が仕事の方向性、決まりごとを決め、それを部下が実行するという役割が明確に決まっています。
そこには
指示・命令→実行
という図式しかないのです。
ですから極論すれば、部下は上司に言われたとおりに仕事を行う、それのみなのです。
もちろん自分の意見、提案はいろいろ言ってもいいし尊重もされます。
ですが命令は絶対なのです。
部下としての自分がどう思おうが、不満があろうがそんなことは関係ないのです。
不満があってもやればいいだけのこと。
成果さえ出してくれれば上司としてはOKなのです。
「いやそれじゃあ思考停止じゃね」
そんな意見があるかもしれません。
言われたとおりやるだけの部下なんてロボットじゃんと。
しかしそこに上司と部下の認識の乖離があるのです。
たとえば、ある業務フローを作り直すようにと上司から指示が来たとします。
そしてそこには新たに2箇所チェックする部分を増やすようにとありました。
部下からするとなぜさらに手間を増やすのか、今のままでもいいんじゃないかと思います。
そこに納得感はないわけです。
ここで部下が「納得感なんていらないからとにかくやれ」という言葉を思考停止で受け止めたとします。
するとそのままフローを作り直すこととなり、2工程が増え、手間がプラスされただけのフローが出来上がります。
これは本当に思考停止のパターンです。
かといって「今のままでも上手く回っています。チェックする部分を増やす必要はないと思います。」と言うことには何の意味もありません。
なぜなら、そこは大前提なので絶対くつがえらないのです。
しかし実際はここに多大なエネルギーを使う人が結構います。
それは何の意味もないことなのに。
そこの納得感はまったくいらないのです。
上司はそんなところにエネルギーを使ってほしいとは思っていません。
エネルギーを使ってほしいのはそのあとの場面なのです。
2箇所チェックする部分を増やすようにとは言いましたが、2工程増やせとは言っていないのです。
単純にダブルチェックを増やせとかトリプルチェックにしろとかも言ってないのです。
今はミスとして表れていないが正確性、精密性を担保する意味でチェック機能を強化しなさい、と言っているのです。
だからそれは人の目でなくてもよくて、システムで対応できるのであればむしろ工数は減るのです。
結局視点がズレているのです。
言われたとおりにしろ、というのはその最低条件は言われたとおりでないといけませんが、それ以外の部分は自分で考える必要があるのです。
そこをとらえ間違えている人が結構います。
言われたとおりとは決して思考停止ではないのです。
そもそも仕事を任されていて思考停止な瞬間なんて1秒たりともありません。
つねにどうすれば最もいい成果が出せるかということを考えながら進めていかなければ仕事ではありません。
「仕事に納得感はいらない」ということと「思考停止」は同義ではないのです。
自分が納得できる仕事をしているという思いは大事
「仕事に納得感はいらない」
「自分が納得できる仕事をしているという思いは大事」
これらはどちらも正解です。
両方正解というのは、一見矛盾しているように思うかもしれません。
ですがこれらはそもそも視点の階層が違うのです。
同列で比べるものではないのです
「仕事と私どっちが大事?」という不毛な議論と同じぐらい二者択一にはなっていないのです。
「仕事に納得感はいらない」というのは組織に属しているチームメンバーとしての視点。
「自分が納得できる仕事をしているという思いは大事」というのは人生における一個人としての視点。
どちらも大事なのは当然の話なのです。
ですので、ピラミッド組織の一員であるという自覚を持ちつつも、その中で今自分が納得できる仕事をしているか、ということを問うことは大事なのです。
納得率いくつ?
ここからは完全に私見ですのであしからず。
「今自分が納得できる仕事をしているか?」という問いに「100%できてます」という人は素晴らしいです。
それには称賛しかありません。
ですがそんな人ってそんなに多くないはずです。
多くの人は多かれ少なかれ今の仕事に不満があって、それでも仕事なんだからと無理やり自分を納得させてやっている。
仕事って理不尽です。
でもそんなの当たり前です。
そもそも人生が理不尽なのですから。
それでも仕事って人生の大部分を占めるわけなのですから、理不尽さを我慢し続けていくだけでは決して幸せにはなりません。
そこには絶対ある程度の納得感が必要なのです。
自分を認める自分の気持ちです。
人生なんてしょせん自己満の世界です。
どんなに頑張ったって、どんなに我慢できたって自分で楽しいと思えなければ人生は負けです。
他人はどうでもいいんです。
周りからはしんどそう、きつそうと思われていても自分ではそこに充実感、納得感があれば人生は勝ちです。
逆に周りからは羨ましがられる立場、給料であっても自分の中では充実感もなければ、納得感もない仕事をしていればその人生は負けです。
つまり、今自分が納得できる仕事をしていると感じられているかどうかはとても重要だということです。
そこでみなさんに聞きたいのです。
あなたの仕事の納得率は何%ですか?
半分もないという人は仕事のあり方を考え直した方がいいのかもしれません。
私の経験則でいうと、納得率がいちじるしく低い人がたどる道筋は次のどちらかです。
・メンタルがやられ辞める
・院内評論家になる

つまり、納得率が低いがゆえに自分で支えきれなくなってつぶれてしまうか、そのすべてを責任転嫁して他人を批判するかのどちらかになるわけです。
どちらも避けるべき道筋です。
振り返り
どうすれば仕事での納得感をアップできるのか?
これにはまず自分の仕事への姿勢と真摯に向き合う必要があります。
納得感がアップする状況ならば充実感もアップします。
であるならばこれは仕事の充実感をどう上げていくか?という問いに置きかえることもできます。
そしてそのためには1日の仕事が終わったときに振り返ってほしいのです。
・それは絶対やる意義のある仕事だったのか?
・自分の成長に確実にプラスになる仕事だったのか?
逆に「とりあえずやっとけばいいや」「いつもどおりこなしときゃいいや」って思ってやっていた仕事がなかったのかどうか。
そんなマインドで仕事の充実感がアップすることなんか絶対ありません。
突き詰めるとここで言いたいことは1つです。
時間を埋めるために仕事をするな。
時間を埋めるための仕事に人生を使うな。
「自分が納得できる仕事をしている」と感じられるようになるには、そこに仕事の意義を自分で見いだせないといけません。
仕事の意義を見いだそうというのに、「いつもどおりこなしておけば」なんて気持ちではいつまで経っても仕事の意義なんて見つけられません。
8時間の中にムダにできる時間なんてないのです。
たとえルーチンワークであってもただこなしているだけなら何も変わらないのです。
前やったときの半分の時間でやるにはどうしたらいいか?
そこを本気で考えるべきです。
医療事務はそのほとんどがルーチン化されていて毎日、毎週、毎月行うことは決まっています。
でもだからといって毎回同じやり方、同じ時間でやっていてはそこに成長感なんて味わえないし、充実感なんか生まれません。
たとえルーチンワークでも必ず前回の生産性を超える。
つねにそういう気持ちが必要です。
まとめ
「仕事に納得感はいらない」
「自分が納得できる仕事をしているという思いは大事」
これらは両方必要なマインドです。
現在のコロナ対応の状況下で、仕事への納得感、充実感を持てている医療事務員はほぼいないはずです。
ただただ大変、ただただストレス、そんな人も多いと思います。
ですが、そこにもう何を言っても状況は変わらないのです。
医療事務なんか選ばなければ良かった、そう思うのは自由です。
ただ、まだ医療事務員でいるのであれば誰かを批判するのはお門違いです。
イヤならさっさと辞めればいい。
自分が納得できる仕事をしていると半分も思えないのであれば、医療事務は辞めたほうがいい。
なぜなら、そんな低い仕事へのマインドでは今後さらに強くなるストレスを乗り越えて行くことはできないからです。
私は日常会話でもSNSでも自分の思うがまま愚痴を垂れ流す人が大キライです。
それは刹那的に自分のストレスを発散する行為なだけであって、結局そこは何も解決せず、さらに周りに受動ストレスを与えるだけの行為だから。

医療事務員でもそんな人は多いです。
特に今の状況下そういう人は多い。
でもそういう人こそ考えてほしいのです。
納得感を下げている、充実感を下げているのはあなた自身でしょう。
仕事をつまらなくしているのはあなた自身でしょう。
責任感とか使命感とかそんな大きなことは言いません。
ただ、目の前の仕事に意義を見出し、愚直に働く姿勢が今こそ必要なのではないですか?
自分が納得できる仕事にすることができるのは、ほかならぬあなた自身なのです。