人ってつね日頃いろんなバイアスの影響を受けています。
バイアスとはいわば色眼鏡のことです。
同じ物事でもその人の先入観や持っている情報によってまったく違う見え方をします。
そしてそうなると物事の本質は見えてこなくなります。
ですのでバイアスを避けることが1番なのですが、実際はかなり難しいことです。
何のバイアスもかけず、他人も自分も公平に見ることができるのであればそれが1番です。
ですが実際はそんなことは不可能です。
そして人間は誰しも自分に甘い生き物です。
自分自身をフラットな目で見れる人というのは、そうそういるものではありません。
だからどうしても自分への甘さというものが出てしまいます。
一般的に自分に甘い人はダメ、悪い、という評価が大多数です。
でも、自分に甘いってそんなにダメなことなのでしょうか?
今回はその点にフォーカスしていきます。
目次
【やめるべき?!】自分に甘いってそんなにダメですか?
結論
自分に甘いのは当たり前のこと。
大切なのはそれへの対処法です。
行為者・観察者バイアス
バイアスの1つに行為者・観察者バイアスというものがあります。
これは
・人は同じ行動であっても他人の場合には、その行動の原因が性格や能力にあると考える
・対して自分の場合には、状況や運などの性格や能力以外に原因があると考える
という心理的な傾向のことです。
要は他人に厳しく自分に甘いってことです。
他人がミスしたらそれは自業自得でしょと言う。
でも同じことで自分がミスってもいやこれは周りのせいだ、運が悪かったんだと考えるということです。
こういうとらえ方は人間誰しもが持っている性質です。
自分に甘くない人なんていない
ある実験によると、95%の人が自分に甘いというデータが出ています。
ですので人間は基本的に自分に甘い生き物であるということを僕たちは事実として認識しておかねばなりません。
そこを認めた上でいつ自分が甘くなっているかを確認しておくことが大切です。
その方法は次のとおりです。
①何も規制せず思うがままに1~2週間を過ごします。
②そのうち甘くなっていた曜日や時間帯を記録します。
このようなデータをとることで、自分が甘くなる周期というものがわかります。
それがわかって初めて対策が打てるのです。
先延ばしは有効
こんな実験結果があります。
お菓子を食べるのをやめようとしたけれど結局快感に負けて食べてしまった場合、通常の1.5倍も食べてしまう。
ダイエットでもなんでも食べるのをやめようとすると、やめられないどころか前よりももっと食べてしまうのです。
これはみなさんも経験があるのではないでしょうか。
これからもわかるように、やめるという行為はとても難しくとてもリスキーなのです。
だったらどうすればいいのかというと、やめようとせず先延ばしにすればいいとの研究結果が出ています。
お菓子を食べることでいうと、先延ばしにすることによって食べる量は減らすことができるのです。
つまり、延期すればするほど被害は減るということです。
先延ばしって実は有効なのです。
自分の甘さへの対策
人間は自分に甘くできている。
だったら甘さがあるのは当然だとして、どう対策しておくべきなのでしょう。
まず1番ダメなのは今日はできなかった、自分はなんてダメなんだと感じ次はもっと頑張ろう、今日の分も明日取り返そうとすることです。
明日から本気出すなんて無理です。
今日できないことが明日ならできるなんてことはありません。
今日できなければ明日もできません。
頑張ればなんとかなると思うことが1番無意味です。
それはそもそもの目標設定が誤っているのです。
人間は未来の自分を今より高く見積もってしまうものです。
できもしないのにこれぐらいまでならできるだろうとゆるい判断で決めてしまうものなのです。
ですので、できないのは目標設定が高すぎるからという現実に早く気づくことです。
そしてハードルを下げてどうすればできるようになるのかをよく考えることが大切です。
次にWhy思考を持つことです。
自分に負けそうになった場合は自分になぜ、と問いかけてみるのです。
How(どうやって)ではありません。
なぜ仕事をするのか?
なぜ勉強をするのか?
そうやって自分に問いかけ答えを考えて下さい。
そうすれば理想の未来から見たとき、今ここで折れちゃってもいいのかダメなのかがわかるはずです。
まとめ
自分に甘いことは当然のことだと認識しておくことが大切です。
そして自分に厳しくするのは逆効果であることを知るべきです。
自己批判が強い人、自分に厳しい人ほど同じ過ちを繰り返します。
なぜならできなかったことを悔やむだけで問題に向き合っていないからです。
自分はダメだ、今回は失敗だと思うだけで何も対策が打てていないということです。
自分は自分に甘いんだ、だから自分の意志力に頼ってはダメだと考えるべきです。
そしてそれならば事前にどう対策をしておけばいいのかを具体的に用意しておくことです。
1番あてにしてはならないのは自分のやる気です。
根性論、精神論で物事をやりとげることなんて、ほぼ不可能ということはみなさんもよく知っているはず。
だったら確実に成果が出る科学的な方法を学び、行動に移していくことが1番の近道なのです。