今回はかなり特定の人に向けて書きます。
ですが、これはどんな人でもこの先該当する可能性は十分ありますのでぜひ読んでほしいと思います。
そうすればきっと、この先の仕事への向き合い方にプラスにできる考え方が持てるはずです。
目次
【危険信号】周りから「この人すごい」って思われたらヤバいと思え!
結論
謙虚さと向上心。これがなくなった時点で終わりです。
診療報酬の能力とは
以前に井の中の蛙という記事を書きました。

その記事のまとめで次のように書きました。
大事なことは市場価値を意識しそれを高める努力を惜しまないこと。
そしてそのためにはまわりは気にせずどんどん自分の生産性を高めていくことです。
どこの病院の医事課に行っても通用する、そんな医療事務員を目指しましょう。
今回の言わんとしていることも根本はこれと同じです。
そして今回の記事は対象とする人がかなり狭いです。
その対象者とはどこの医事課にもたった1人だけいる人になります。
つまり診療報酬に関してはそこの医事課、ひいてはそこの病院では最も詳しく一目を置かれている人、その分野に関しては周りから「すごい」と思われている人です。
すごくレベルが高い医事課であっても、たとえあまりレベルが高くない医事課であってもその中での一番という人は必ずいます。
それは経験年数30年の大ベテランかもしれないし、あるいはできる5年目の人かもしれません。
とにかくそこでのナンバーワンはいるわけです。
ここで問題なのは、当人がそのことをどう受け取っているかということです。
そしてこの場合2つのパターンに分かれます。
①自分はまだまだと思い自己研鑽を続ける人
②自分もここではナンバーワンだと自覚している人
①の人は何も問題はありません。
引き続き自己研鑽、情報収集に努めてください。
問題は②の人です。
そしてこの②の中でも2つのパターンに分かれます。
A.その通りの能力がある人
B.その通りの能力がない人
この場合どちらがヤバいと思いますか?
その通りの能力がない人だと思いますか?
いやそれは違います。
この場合はどちらもヤバいです。
ちなみに今回使用するヤバいは「ホントにダメ」という意味です。
つまり「自分がこの病院では診療報酬やレセプトに関しては一番詳しい、精通している」と思っている人はダメだということです。
そして自分のことが「この人すごい!」って周りから思われているとしたら、その状況はかなりヤバいということです。
仕事って本質は他者貢献なので人から頼りにされる、そして誰かに貢献できるってことはすごくいいことで理想的です。
ですがそれを自分も周りも同じように認識している状況ってかなり危ういのです。
極端にいえば、もうその人が言うことはすべて正しい、間違いがないってみんな思いこんでいる状況ってことです。
「いやそれでもホントに能力がある人だったら問題ないんじゃない?」という意見もあるかもしれません。
しかしそうではありません。
そもそも何をもって能力があるっていえるのか。
30年の経験はホントに能力がある証明なのか。
はっきりいって経験年数は何の証明にもなりません。
そしてもっといえば、昔からの貯金だけで仕事を続けている人って結構な割合でいます。
診療報酬、レセプトに限ればある一定のところまでは2、3年で到達します。
そこから先は診療科ごとの特徴、傾向だとか、査定状況からのフィードバックなどの細かな経験の積み重ねが差となって現れます。
ですがいくら診療報酬が2年に1回の頻度で変わってきているとしても、全部が全部そのつど総入れ替えされているわけではありません。
主要な解釈は昔のままだとか、点数は変化しているけれども中身はまったく同じなんてものはたくさんあります。
そうすると昔からやってきた経験則だけでもいまだに結構通用してしまうのです。
そしてそれが「診療報酬に詳しい」「精通している」と勘違いされることにつながる要因のひとつでもあります。
ですので診療報酬の能力は経験年数では測れません。
また情報収集能力が高いからといって診療報酬能力が高いともいえません。
そこには情報収集だけではカバーしきれない経験というものが絡んでくるからです。
結局のところ、経験年数も情報収集能力もどちらも大事、との当たり前の結論に行き着きます。
ですがここではそれはどうでもいい話です。
大事なのはその認識と受けとめ方という点です。
要はどういうマインドで仕事にのぞめているかということです。
一目を置かれるヤバさ
一目を置かれてイヤな気分になる人はいません。
自分が高く評価されている証なので誰だって気分はいいものです。
ですがこの状況が最も危惧すべき状況です。
これはまだ自分と対等ぐらいの人がほかにいればまだ大丈夫です。
完全にヤバいのは自分が一番上で二番手がだいぶ下というように差がある場合です。
こうなると「自分が絶対」という状況になってしまいます。
(出典:「黒子のバスケ」コミックス21巻より)
これが一番怖いのです。
これはたとえ自分がそう思っていなくても状況は変わりません。
なぜなら周りがそう思うからです。
「この人が言うことだから間違いない」
「わからなかったらこの人に聞いておけばいい」
そんな空気に支配されると、周りの人は本気で考えることをしなくなります。
そして二番手以下の人材も成長しなくなる。
さらに悪いのが、その状況がいけないことだとは思えなくなってくるということです。
人は貢献感と成長感が仕事の満足度向上につながっています。
だとすれば診療報酬において一目を置かれる状況というのは、まさしく貢献感と成長感を実感できる状況なのです。
気持ちよくて居心地がいいのは当たり前の話です。
自分は信頼されている、頼りにされているという思いが強くなってしまうのは自然なことで、そしてヤバいことなのです。
しかし大部分の人はヤバいとは感じていません。
「別にミスもないし、何も起こっていないのだから大丈夫」と思っています。
でもそれは大丈夫ではないのです。
何も起こっていないのだから危ういのです。
裏を返せば何も行動を起こしていないのです。
だから何も起こらない。
過剰請求をしろは言いませんが、100%取り漏れがないと言い切れますか?
納得いかない査定はすべて再請求していますか?
自分の思いこみだけで判断している場面はないって言いきれますか?
これらのことは自分と同じくらいの能力がある人がもう一人いれば十分回避できます。
ですが能力的には自分が抜けていて、その次が育っていない場合だと誰も間違いを指摘してくれない状況となるのです。
この状況をヤバいと思えるかどうか、ここが一番の肝です。
まとめ
仕事で周りから「この人すごい」って思われたらヤバいと思わないといけません。
このことへの対策は次の2点です。
1.謙虚さと向上心、学ぶ姿勢をつねに持つ
2.後輩、部下の育成
1は言わずもがなです。
深く解説はしません。
自分を絶対見失わないことです。
2はその実力差が結構ある場合は急ぐべきです。
少なくとも自分の間違いを指摘できるくらいにまでには、早急に実力を引き上げる必要があります。
これはそんなにたやすくできることではありません。
ですが絶対必要なことです。
また2については1番できる自分が後輩、部下の立場である場合も想定されます。
その場合でも先輩や周りの実力を引き上げる必要があります。
これは下の立場からだとかなり難しいことなので素直に上司に伝えましょう。
この状況は危ういんだということを。
仮に言ったところで何も変わらないのであれば、思い切って出てしまうのも一案です。
なぜならその環境で自分が成長することはほぼないからです。
プラスモチベーションの維持も大変です。
「この人すごい」って思われるイコール「自分がダメになる前段階」と思った方がいい。
そんな環境で自分が得るものなんて、もう大したものではないものばかりです。
この人すごいと思って他人を目標にすることはいいことですが逆はダメです。
目標になってはいけない。
もし上がいなくなって、下もだいぶ差があるって場合なら育てることに注力しましょう。
間違っても慢心してはいけません、気持ちよくなってはいけません。
きちんと自分を俯瞰でみれるか、すべてはその1点にかかっています。