医療事務を辞める人の去り方が身勝手すぎる件【やってはいけない】

立つ鳥跡を濁さずということわざがあります。

これは

立ち去る者は見苦しくないようにきれいに始末をしていくべきという戒め、また引き際は美しくあるべき

という意味です。

この言葉は職場を去るときに、よく使われます。

退職時にどのように去っていくのか。

そこには、その人の人間性が集約されているようにも思えます。

誰もが退職を他人ごととして考えている時点では、「立つ鳥跡を濁さず」はまさにそのとおりって思っています。

しかし、いざ自分ごととなった場合はどうでしょうか?

「立つ鳥跡を濁さず」は実践できているのでしょうか?

長年現場を見てきた率直な感想を言いますと、実践できていない人の割合が思いのほか高いです。

今回は医療事務を辞める人の去り方が身勝手すぎるという話です。

この内容を読んでもらうことで、もしあなたが退職する際にはきっと「立つ鳥跡を濁さず」を実践してくれるはずです。

そう願いつつ書いていきます。

医療事務を辞める人の去り方が身勝手すぎる件【やってはいけない】

 

結論

 

自分を俯瞰してとらえましょう。

 

「立つ鳥跡を濁さず」を実践しましょう。

医療事務を辞める人の去り方が身勝手すぎる

医療事務を辞める原因

ご存知かもしれませんが、医療事務の世界は本当に人の出入りが激しいです。

辞める原因としては、大きく分けて3つあります。

1つ目は職場の人間関係です。

これは医事課内の人間関係、他の部署(医師、看護師等)との人間関係、患者との人間関係など、さまざまです。

2つ目は給与面です。

一向に上がらない給料に嫌気がさして辞める人や、今より高待遇の職場に転職する人なども実際います。

3つ目はやりがいの欠如です。

医療事務は特に資格がなくても仕事はできます。

ですのでやろうと思えば誰でも入ってこれる世界です。

その分この仕事の大切さ、やりがいを見い出せなければすぐに辞めてしまいます。

入る敷居が低い分、出るのも簡単です。

恐ろしい負の連鎖

少し前の話をします。

ちょうど今から3年ほど前のことです。

その当時、一定数退職していく職員はいました。

しかしそれはどれも単発で、そのつど欠員を補充すれば何の問題もありませんでした。

ですがある時からその状況がガラッと変わりました。

単発だった職員の退職が連続するようになり、次から次へと退職予定者が出てくるようになりました。

その負の連鎖は1年弱続きました。

その間に退職した職員が10名。

対して補充できた人数は7名。

つまり、人工(ニンク)マイナス3名という非常に厳しい状況に、一時期陥りました。

なぜそれまで比較的平穏だったのが、こうも退職者が相次いだのか?

退職者の退職理由は、先に挙げた3つの理由によるところがもちろん大きいです。

しかしもう1つ強烈に強い副作用による影響がありました。

その副作用とは、周りが辞めていくことによる不安です。

つまり他の担当者が辞めることで自分の業務量が増大するんじゃないか、仕事がきつくなるんじゃないかという恐れです。

ここでポイントなのは実際に今、負担が増大しているわけではないということです。

ただそうなったらイヤだと思っているということです。

そしてそれは辞める理由に十分なっているのです。

先ほどの10名の退職者のうち、僕が見る限り4名はその理由だと見受けられました。

当たり前ですが、本当に負担が増す可能性はあります。

人数が足りないのですから、当然兼務しないと回らない業務は出てきます。

しかしそれは実際やってみないとわかりません。

それでやってみて本当に個人に負担がかかっていると判断すれば、上司は適正な業務分担、業務内容の見直しをしないといけません。

その場合の責任はすべてこちらにあります。

ですがまだ起こってもいない状況を考えて、自分がしんどくなりそうだから辞めるというのはこちらが対処できる範疇ではありません。

また別パターンの副作用もありました。

これは女性特有なのですが、仲が良かった人が辞めるから私も、というパターンです。

結局これも不安の内容は一緒です。

つまりその人がいれば対処できていた問題やその人に相談したり教えてもらっていたことが、自分だけでしないといけなくなるんじゃないか、という恐れです。

結局そういう人たちは最後逃げます。

そうやって負の連鎖は作られていくのです。

退職理由

僕は退職希望の人を、慰留することはほぼありません。

それはほとんどが、後ろ向きな理由だからです。

実際は本人の口からそのような言葉は出てきません。

いたってあたりさわりのない退職理由です。

ですが本人が本心を言わなくても、ある程度の察しはついてしまうものです。

そしてそれがわかってしまうと、これは辞めた方が本人にとってもこちらにとっても良いことだ、という判断になってしまうのです。

逆に慰留したくなるような人は前向きな人です。

現在の職場でつちかった力をもっと他でも活かしたい、違う環境で自分を試したいというような人ならば、もっと能力を上げていけるようなポジションを与えて伸ばしてあげたいなって思います。

ですが実際そんな人はほぼいません。

身勝手な言い分

いざ退職となると本人にとっては一大事ですから、もう自分のことにしか気が回らない人って多いです。

まず、問題なのが退職の意志表示をする時期です。

法律上は2週間前となっていますが、当院の就業規則上は1ヶ月前と定めています。

ですので一番多いのが1ヶ月後の退職日を自分で決めてきて伝えるというパターンです。

相談ではありません、もう退職日は決まっているのです。

そしてさらに困るのが、それは有給消化込みにしていることです。

例えば今日(1月25日)退職の意思を上司に伝えたとします。

退職日は1ヶ月後と定めて2月末とします。

すると2月28日に辞めますとした上で、残っている有給を最後に固めて入れてくるのです。

よって実質2月中旬にはもう出勤最終日となります。

これは極端な例と思われるかもしれませんが、そうでもありません。

実質1ヶ月なんて全然ないやんというスケジュールを、当然のように主張してくる人は割といます。

もはや引き継ぎのことや、そもそも後任がいるかいないのかも本人にとっては関係ありません。

ひたすら自分の権利だけを主張し、自分だけで完結しています。

こういうのを見ると、やはり人間って自分を客観視する能力って低いんだなって感じます。

する側ではなくされた側がどう感じるか、周りからどう見られているか?

そこを察することができないのであれば、社会人失格です。

100歩譲って、就業規則には辞める1ヶ月前には退職願を提出することとあるので、期間は1ヶ月間と考えるのはまだいいとしましょう。

でも、1ヶ月前に退職の意向を聞いてから、すぐに後任が用意できるとでも思っているのでしょうか?

また、医療事務の特性上、月イチの請求業務に対して1回きりで引き継げるわけがありません。

こんなことは今まで自分がさんざんしてきたのだから、十分知っていることです。

ですが何も感じてないのです。

こんな振る舞いを最近入った新人がするならまだわかりますが、これをやるのは決まってそれ相応の経験年数がある人です。

だから、はなから確信犯なのです。

辞めたあとのことなんて知らねーよってことです。

まわりのせいはあなたのせい

人間関係がもう耐えられません、給与が低くて生活が苦しいんです、ここではやる気が出ません。

それらの原因はすべてあなたにあります。

辞めたあとのことなんて知らねーよ、というような人間だから信頼関係が築けてないのです。

そして相手からも信頼されないから、円滑な人間関係も生まれないのです。

上司からも信頼されないから、昇進もしないし給与も低いままなんです。

周りからの信頼感が感じられないから、モチベーションも保てないしやる気が出ないのです。

すべての責任はあなたにあります。

でも自分ではそれがわからずに、同じ過ちを繰り返しているのです。

新しい職場になったら何かが変わるんだと思うのは自由です。

ですが現実は何も変わりません。

なぜならあなたが変わっていないから。

「立つ鳥跡を濁す」という去り方しかできない人が、その次の職場で上手くいくはずがありません。

現状を変えたい、自分を変えたいと思うのならば「立つ鳥跡を濁さず」をしっかりやりきる必要があります。

そうしてやっと新たなスタートラインに立てるのです。

まとめ

 

 

今まで幾度となく退職者を見てきましたが「立つ鳥跡を濁さず」を実践できた人はごくわずかです。

ほとんどが濁して去っていきました。

その人の人生ですので、辞めることにとやかく言うつもりはありません。

ですが組織の一員であることを無視して、自分で完結しているようでは社会人としては失格です。

また、自分の今の能力を育ててくれた職場に対する感謝すらなく、助けてもらった同僚への気遣いすらないようでは人としても失格です。

綺麗事はいいませんが最低限の心得は忘れてほしくはありません。

もしあなたが今後、今の職場を去る時が来るのなら、「立つ鳥跡を濁さず」をぜひとも実践してください。

自分を俯瞰してとらえられる人ならば、必ずできます。

育ててくれた職場への感謝の気持ちがあるのなら、必ずできます。

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