医療事務は人の出入りが激しい職種です。
そして医療事務を辞めても、また次も医療事務を選ぶ人の割合も高い職種です。
それは医療事務の仕事内容が、かなり専門性を必要としているのが原因です。
逆な言い方をすると、つぶしが効かないということです。
医療事務のスキルを持って、他の職種に活用できることなどほぼありません。
よって他業種に転職すると、また1から覚えなくてはなりません。
だから医療事務のスキルを身につけた人は、次も医療事務を選ぶ割合がかなり高いです。
しかしその転職理由が間違っていると、次の職場でも長続きせずまた転職へともなりかねません。
転職してみたものの、前の職場の方が良かったと思ったことはありませんか?
あるいは今後転職を考えているという人は、どういう理由が失敗に繋がるかをよく認識しておく必要があります。
また今は全然転職なんて考えていないって人も、この先そんな場面が来ないとも限りません。
どういう理由で転職すると失敗するのか?
その点をしっかりわかっておけば、転職時での悩みごとを1つ減らせます。
しっかり確認しておきましょう。
目次
医療事務から医療事務への転職で失敗する2つの理由
結論
次の理由で転職する場合は失敗します。
・自分には非がないと思っている人間関係からの脱出
・給料
医療事務から医療事務へ転職する理由
転職の理由には大きく分けて2つあります。
それは
・キャリアアップのための転職
・それ以外の転職
です。
キャリアアップのための転職
キャリアアップのための転職とはどういったものか?
たとえば次のような場合です。
自分は勤続5年目で、現在主任である。
現状の役職、待遇にものすごい不満があるわけではない。
しかし、その上の役職が埋まっていて当分空く見込みはない。
診療報酬やDPCの知識では、この病院では最も精通しているとの自負はある。
しかしこれから先において、何をモチベーションとすべきかが、ちょっとわからなくなっている。
その結果自身の活躍の場を、他に求めて転職するということです。
この転職には利点が2つあります。
1つは自分の市場価値がわかるということです。
転職活動をしない限り、自分の市場ニーズというのはわかりません。
先ほどの例でいくと、自分では診療報酬やDPCの知識に自信があると思っていても、それはひとりよがりの可能性もあります。
単にその医療機関の事務レベルが低いだけかもしれない。
ですが転職活動をすることによって、今までひとつの医療機関の中だけで評価されてきたものが、もっと広い世界で評価されることになります。
これはとても良いことです。
自分を知れるいい機会になります。
もう1つの利点は、給料アップが狙える可能性があるということです。
スキルも給料も伸ばせる可能性があるのならば、それは良い転職といえます。
それ以外の転職
それ以外の転職とは何かというと、「人間関係」と「給料」です。
ここで誤解してほしくないのは、職場の人間関係から逃げ出すことすべてをダメと言っているのではない、ということです。
・現状を変えようとずっとやってきたけが、変わらなかった
・さんざん現場と戦ってきたが、ダメだった
このような場合はその人には不幸なことですが、その職場との相性が合わなかったと割り切って次に進めば良いのです。
悩むぐらいならとっとと逃げてOKです。
そうではなくダメなパターンというのは、要するに現実逃避のために転職する場合です。
自分で何も行動もせず、そのくせ現状がイヤで転職する人が、次の職場で上手くいく確立はかなり低いです。
自分が変わっていないのなら、環境を何度変えたところで結果は同じです。
人間関係が理由で転職することは普通にありますが、そこに自分の非がなかったのかどうか、それはきちんと検証しておく必要があります。
次に給料についてです。
給料は当然転職の判断基準の1つですが、最重要の判断基準にしてはいけません。
それだと必ず失敗し後悔します。
なぜなら、仕事の満足度というのは給料の多い少ないで決まっていないからです。
これは先ほどの話と繋がっているのですが、仕事の満足度というのは職場の人間関係で決まります。
これは科学的にも証明されている事実です。
要するに給料は1つの目安として使うのはいいのですが、それだけに固執しても満足のいく結果は得られないということです。
それよりももっと仲のいい同僚を増やすだとか、職場で親友を作るといったことの方が、仕事の満足度という点からすれば大切です。
ですが実際は人間関係なんてその中に入ってみないとわかりません。
ですので転職時の判断材料にはできないというのもたしかです。
失敗しない転職のために
失敗しない転職ができる人ってどういう人なのでしょう。
1つだけ言えることがあります。
それは周りを俯瞰して見れる人、自分のこと以外も考えられる人、そんな人は失敗しません。
でもそんな人って多くありません。
立つ鳥跡を濁さず、と言いますが退職時にそれができる人は少ないです。

ひとりよがりの人は仕事でも転職でも上手くいくことはないのです。
まとめ
職場の人間関係がイヤで。
給料を上げたくて。
その理由で転職する人って少なくないはずです。
でもちょっと待ってください。
転職の第一の理由がキャリアアップでない場合は、よく考えてほしいのです。
それは頑張った結果導き出された答えなのかと。
客観的に見てそれは妥当なのかと。
医療事務から医療事務への転職は割と簡単だと思われているかもしれません。
ですが単に違う職場に移ったというのと、自分の満足のいく職場に移れたというのとでは全然違います。
環境を変えることも時には必要ですが、自分を変えることの方がよっぽど大事です。