「どうしたらいいと思う?」ダメ上司のカン違い質問が部下のやる気を奪う

多くの上司が部下に質問することを、良いことだと考えています。

「すぐに答えを教えず、考えさせる」

「良い質問によって良い回答を引き出す」

それは確かに良いことです。

ですがそれは時と場合を選びます。

それを考慮していない「どうしたらいいと思う?」はただ部下のやる気を奪うだけです。

あなたはそんな振る舞いを普段からしていませんか?

「どうしたらいいと思う?」という質問返しの正しい使い方を知り、正しい部下育成の方法を身につけましょう。

「どうしたらいいと思う?」ダメ上司のカン違い質問が部下のやる気を奪う

結論

 

「どうしたらいいと思う?」の使いどころを心得ましょう。

「どうしたらいいと思う?」と言う上司

部下に考えさせる上司

ある調査によると世の7割の上司が、部下の育成について自信があると答えています。

この調査結果を鵜呑みにすることはしませんが、ちょっと自信過剰すぎやしないかという印象を受けます。

しかし上司たるもの部下の育成については、それなりに自信がないといけないことは確かです。

「部下育成について全然自信がありません」という上司の元でなんか誰も働きたくないもんです。

かといって先の7割の上司のうちでどれくらいの人が、自分を客観的に評価できているでしょうか。

残念ながらそこには客観性なんてほとんどありません。

要するに7割の上司は、自分が人材育成の能力が高いと勝手に思い込んでいるってことです。

そして自分には育成能力があるって思っている人が普段大事にしていることが「なるべく部下に考えさせる」ということです。

確かに部下の自主性、主体性を育てるには、部下に問いを投げて考えさせるという行為は必要です。

ただ、それは時と場合を選びます。

しかしその時と場合を選ばない上司が少なくありません。

つまり、つねに「あなたはどう思う?」「どうしたらいいと思う?」って投げ返している人です。

中にはこれをオウム返しで使うぐらい、テンプレ化している人もいます。

よく部下の育成術とかマネジメント術みたいなビジネス本や上司の心得みたいなネット記事には、そういうことが書いてあります。

なるべく部下に考えさせなさいと。

ですがもう何も考えず、そこだけ覚えただろうって上司がたくさんいます。

僕も昔の上司がそんな人でした。

そのとき感じたのは、使いどころを考えないと部下はいつしか質問しなくなるぞってことです。

「あなたはどう思う?」「どうしたらいいと思う?」ってホント諸刃の剣なのです。

答えのない問題に対してきちんと自分のアタマで考えてほしい、違う視点から新たな知恵を出してほしいという場合にはとても有効に働く言葉です。

ですが、単に仕事のルール上の疑問点を確認しているだけの場合や、自分の仮説検証もつけた上で質問しているのに「どう思う?」って聞き返されても部下は困るだけです。

そしてその質問に対してなんとか考え自分なりの答えを返そうものなら、待ってましたといわんばかりに上司の否定アンド決めつけ意見が飛んできます。

そうなると部下はこう思います。

「最初から答えが決まってるんなら質問してくんじゃねえ」「最初から教えてくれ」と。

「あなたはどう思う?」「どうしたらいいと思う?」には一体何の意味があるのかと。

これは本当に場面を選びます。

そして相手も選びます。

そこを区分けせず誰ともなしにそう質問している上司は間違いなくダメ上司です。

思考停止上司です。

中には新人に対して使っている上司もいますが、それはいけません。

まず新人にそんなことを聞いても答えられるはずがありません。

なのになぜ質問するのか。

それには2つの理由があります。

1つはただのオウム返しパターンの思考停止上司である場合。

もう1つは答えられないことはわかった上で聞いている、マウント発言したいしたい上司である場合です。

どちらにしても相手にとってそのやりとりは、苦痛でしかありません。

「考えさせる良い上司」と「質問したくないウザい上司」

では質問の上手い「考えさせる良い上司」と2度と「質問したくないウザい上司」の違いはどこにあるのでしょう?

それは「質問」と「命令」の違いです。

質問の上手い上司は、部下が自分で正解にたどり着けるよう、質問に工夫をしています。

彼らは単に「どうしたらいいと思う?」と聞いているわけではありません。

時には正解に自力でたどり着けるようヒントを与え、またいろんな角度からの質問などを織り交ぜてつつ話を進めます。

対してウザい上司は、基本的に部下を見下しています。

そして絶対正解は教えないというスタンスでいます。

だから「どうしたらいいと思う?」は質問になっていないのです。

結局それは「正解を早く言え」と命令しているだけです。

それは考えさせている行為とは真逆で、強要している行為です。

そこには上司のエゴしか見えないし、マウントをとりたいだけの行為にしか部下には見えません。

だから苦痛であり、2度と質問したくなくなるのです。

自分には部下育成の能力があると思っている人は、気をつけましょう。

あなたは本当に質問をしていますか?

それは命令ではないですか?

そこに部下との信頼関係はありますか?

まとめ

 

「あなたはどう思う?」「どうしたらいいと思う?」は使いどころが肝心です。

部下を育てるには「部下に考えさせる」ことはとても重要です。

「部下に考えさせる」効果は

・部下の考えたことを尊重することで、自ら動くようになる

 

・指示待ちにならないように、自主性を養う

 

・成長実感が持てて自信に繋がる

などがあります。

そのため部下の主体性を伸ばすには、質問して考えさせることはとても大事。

でもその「考えさせる」場面を間違うと、ただのウザい上司になってしまいます。

「どうしたらいいと思う?」の使いどころをしっかり心得ておきましょう。

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