仕事って頑張らないといけない、努力しないといけない、多くの人たちはそう思っています。
それについてはもちろん異論はありません。
努力は大事です。
でもなんでもかんでも努力しないといけないのか?と言えば決してそうではありません。
がむしゃらさは時には必要ですが、それは正しい方向性があってこそです。
間違った方向への頑張りは、しなくていい努力となります。
そして医療事務においても、しなくていい努力はあります。
それが何なのか見ていきましょう。
今回のポイントを知っておくことで、あなたの仕事への向き合い方、考え方が変わるはずです。
目次
意外とやりがちな「医療事務員の不要な頑張り」3選【しなくていい努力】
結論
不必要な頑張り(しなくていい努力)とは
1.完璧なレセプト作成を目指す努力
2.上司に評価されようと頑張る努力
3.資格取得を頑張る努力
です。
しなくていい努力
「努力してます」と練習を売り物にする選手は、一流とはいえない
長嶋茂雄氏の言葉です。
これは要は努力を売りにするな、努力に酔ってはいけないということです。
そもそも努力なんて人に見せるものではありません。
人に見せるのは成果だけで十分です。
そしてまた努力とは、自分で努力してますと言ってるようではそれは努力じゃない。
本人にとっては普通にこなしていることでも、周りから見れば「頑張ってるな」と思われることこそが真の努力です。
ですので長嶋氏の言うように、練習を売り物にする選手は一流ではないのです。
練習なんてしてて当たり前。
努力は前提なのです。
だから「努力してます」と言えちゃう人はただ人に認めてもらいたいだけの承認欲求モンスター、痛い自己アピール野郎でしかないのです。
でも仕事においてこういう人たちって割といます。
「僕頑張っています」「私努力してます」マインドの人って意外に多いです。
思い返せば若いときの僕も、まさにそういうタイプでした。
そしてこのタイプの人たちは決まって「なぜ上司は自分のことを認めてくれないのか」という感情に行き着きます。
「なぜ頑張っている自分より、頑張っていないあの人の方が評価されているんだ?」という理不尽感にさいなまれていきます。
しかし、この場合大事なことが1つ考慮されていません。
それは、あなたがしているのは本当に「すべき努力」なのかどうか?ってことです。
この視点が抜けている人がかなり多いのです。
「仕事なんだからどれも努力すべきことでしょ」と考えるのは誤った考えです。
それでは完全に思考停止です。
そもそもそれは本当に仕事なのかどうか?
そこから考えるべきです。
仕事と作業は別物、まずそこを押さえておく必要があります。
そしてもう1点押さえておくべきことは、「報われない努力」と「しなくていい努力」を混同してしていないか?ということです。
基本的に努力って報われない努力の方が、報われる努力よりよっぽど多いです。
でもそれは報われていないだけであって、ムダでなはないのです。
ですがそれとは違って本当にムダな努力、ムダな頑張りって存在します。
しかし時として人はそれはムダな頑張りなのではなくて、単に報われていないだけなんだと思ってしまっている場合があります。
そこの切り分けをきちんとしておかないと、延々と不必要な頑張りを続けてしまいかねません。
まずは、しなくていい努力というものがあるんだと認識しておくことが大事なのです。
不必要な頑張り3選
では「しなくていい努力」って何なのかってところを具体的に説明していきます。
1.完璧なレセプト作成を目指す努力
これは意味を取り違えないでほしいのですが、レセプト作成はだいだいできていれば良いよということではありません。
当然ながらレセプト業務は、十分な精度をもって遂行せねばなりません。
ただ100%の完璧を求めるなと言っているのです。
これは無限に時間があるのならば、納得いくまでとことんやってもらって構いません。
ですがレセプト業務は時間との勝負です。
時間は限られています。
そしてその中で完璧を追い求めることは、コスパが悪すぎると言っているのです。
そもそも何をもって完璧と言えるのか?
ここの定義もあいまいです。
簡単に言ってしまえば、それは担当者のさじ加減ひとつです。
自分できちんと仕上げられたなと思えればそれが完璧となります。
つまりレセプト業務って自己満の世界なのです。
本当にそれが完璧だと判断できるのは審査機関しかありません。
なのに自分としての完璧を目指すことに何の意味があるのか?
残業までして見たレセにどれくらいの価値があるのか?
結局それらはすべて自己満なのです。
レセプト業務の生産性を考えるのであれば、完璧なレセプト作成を目指す努力は費用対効果が悪い「しなくていい努力」なのです。
2.上司に評価されようと頑張る努力
残念ながら最初に上司にインプットされた部下のイメージは、その後もずっとそのままです。
途中で大きくくつがえることはまずありません。
ですので最初にできない人認定されてしまった部下の人が、どれだけ評価されようと頑張ってもできない人認定のままです。
だったらそこに注力することは効率が悪いのです。
もちろん上司に気に入られ、好印象になるに越したことはありません。
でもそれは自分の力ではどうにもならないことです。
自分の力でどうにもならないことに、頑張っても何も変わりません。
あなたをどう評価するかは上司の課題です。
だから上司に評価されようと頑張る努力はやめましょう。
その行為は確実に時間のムダなのです。
3.資格取得を頑張る努力
勘違いしないでほしいのですが、僕は資格勉強を否定しているのではありません。
むしろ社会人の資格勉強は推奨派です。

ただ、仕事はあくまでもアウトプットが問われるものだということ。
そこを忘れてはいけません。
資格取得とそのための勉強は知識を入れるという点でインプットであり、インプットはそれだけでは価値を生みません。
資格が活かされるのは、それがアウトプットに結びついた時のみです。
資格取得はそれ自体が無価値なわけではありません。
しかし資格を取って何をするかいう視点がなく、インプットして終わりになってしまうと、それは「しなくていい努力」ということになってしまうのです。
また「手段」と「目的」が逆になってしまっている人が多いです。
資格取得が「ゴール」であり「目的」になっている人が少なくありません。
実際に診療情報管理士や医療情報技師、施設基準管理士、医療経営士になって何をしたいのか?
どういうキャリア像を描いているのか?
つまりどのような価値をアウトプットしようとしているのか?
その視点が大事です。
そこがなくて資格取得の勉強といったインプットばかりに偏ってしまうと、それはただのお勉強で終わります。
資格取得はその先にあるものを考えていないと、「しなくていい努力」になってしまう可能性が高いのです。
まとめ
今回伝えたかったことは、なんでもかんでも頑張るんじゃなくて、頑張らなくてもいいことを見極めましょうってことです。
でも人っていざ自分ごとになると、自分のすべての頑張りに意味づけをしてしまうものです。
自分にはムダな努力なんてないって思いたいのです。
しかし実際「しなくていい努力」はたくさんあります。
今回紹介したもの以外でも、不必要な頑張りってまだまだあるはずです。
あなたは大丈夫ですか?
しかしこれは自分で気づくことは、かなり難しいです。
ここで必要なのは自分を客観的に見る力です。
なぜ上司は自分の頑張りを認めてくれないのか?
なぜ周りは自分のことをわかってくれないのか?
そんな独りよがりの考えを捨てることです。
周りには自分はどう見えているのか?
その視点が持てた時、「しなくていい努力」が何なのかがはっきりとわかるはずです。
不要な頑張りを必要な頑張りに変換していきましょう。
「しなくていい努力」とは今日でおさらばしましょう。