医療事務で月40H残業は普通なの?

医療事務には残業がつきもの。

世の医療事務員の大半がそう思っています。

そうなるとどれくらいの残業時間が標準的なのか?

そんな基準はありませんが、平気で「月40時間くらいは普通」と感じている人も中にはいます。

はたして医療事務で月40時間の残業は普通なのか?

その点を見ていきます。

医療事務の標準的な残業時間ってどれくらいなのか知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

医療事務の残業問題について、しっかり理解できるようになっておきましょう。

医療事務で月40H残業は普通なの?

 

結論

 

普通ではありません。多すぎです。

医療事務で残業が多くなる理由

なぜ残業が多くなるのか?

大きく分けると次の2点になります。

・レセプトでの残業

 

・担当業務での残業

レセプトでの残業

いわゆるレセ期間中での残業です。

医事課の最大のミッションである請求業務。

ここを手抜きするわけにはいかないので、何時までかかろうとも業務はやり遂げなければならない。

だから残業もやむなし、ということです。

担当業務での残業

医療事務員はおのおの、係の担当業務というものを割り振られています。

自賠や労災、生保などがそれに当たります。

またはその医事課独自の仕事を任せられている場合もあるでしょう。

日中、患者対応に追われそれらの業務ができないとなれば、手が空く時間外にせざるをえない。

そう感じている人は多いです。

必要のない残業

上記の最後に「そう感じている人は多いです」と書きました。

この書き方からわかるとおり、僕はこれは誤った感覚だと思っています。

それは完全に昔から引き継がれてきた慣習や固定観念による錯覚です。

外来担当なら外来の患者対応、入院係なら退院精算に追われ日中は大変忙しい。

それはわかります。

しかし1日中忙しいのでしょうか?

8時30分から17時すぎまで手が空く瞬間はないのでしょうか?

いいえ、必ずすきま時間というのはあるはずです。

そこをいかに有効利用するのか、そこが担当者の腕の見せどころです。

時間内の仕事の段取りをいかに上手くつけられるか、そこにあなたの真価が問われます。

「いやいや、とてもじゃないが時間内にそんな時間はありません。まとまった時間はとれない業務を日中ずっとしています」という人。

わかりました、100歩譲ってそうだとしましょう。

その場合だとそのような業務のシフトを組んでいる上司が無能です。

それはもう残業がどうやったって生まれてしまう構造になっています。

そのシフトを変更してもらうように上司に申し出てみるべきですが、それも叶わないようなら個人ではもう改善できません。

残念ですが諦めましょう。

この場合だけは除きますが、基本的に係の担当業務での残業というのは必要ありません。

それは本来時間内で完結できるもののはずです。

よって、医療事務で残業が多くなる理由というのは突き詰めると、レセプトでの残業のみとなります。

残業の構造的問題

ではここからは、レセプト残業の問題点について話します。

結論を先にいえば、レセプト残業の問題点とは「組織の構造」の問題と「個人のマインドセット」の問題の2つに分けられます。

まずは組織の構造の問題についてです。

残業問題の半分は、個人の能力や生産性に左右されて発生しているわけではありません。

では何かといえばそれは、組織の体質、構造です。

周りが残っているかから帰りづらいという同調圧力的要素。

無能な上司の仕事の割り振りによる偏った業務体制。

これらは完全に組織の体質、構造の問題です。

この問題を個人で解決していくことは完全に無理。

簡単にいえば、残業容認派上司が率いる医事課は残業が発生し、残業否定派上司が率いる医事課は残業が少ない、もしくはないということです。

これは病院の規模で左右されるものでもありません。

完全に上司に依存します。

ですので自分が入った職場がどちらかによって、残業の長短も変わってきます。

残念ながらこれが現実です。

それが証拠に実際残業がゼロ、もしくはほぼない医事課というのも存在します。

反対に昔も今も変わらず、ずっと月平均30時間、40時間の残業を続けている医事課もあります。

繰り返しますがこれは組織の構造の問題です。

もっといえばそこの所属長の経験則、バイアスに影響されている部分がかなり大きいということです。

極論を言うと、あなたがどれだけ頑張っていても全然残業が減らないと参っているならば、抜け出す方法はその職場を抜けるしかありません。

たとえどれだけあなたが効率的に仕事を処理しようと、それをするのが全員でない限り残業は減っていきません。

できる人にはいくらでも仕事が回ってくるので、いくら早く処理できようとも終わりはありません。

その組織の体質が変わらないのだから、いくら自分一人頑張ったところで何の影響も及ぼさないのです。

ですので残業体質が染みついている職場へ入ってしまった人には、ご愁傷様ですというしかないのです。

もうそれは運としか言いようがないのです。

残業の個人的問題

それでは次に、レセプト残業のもうひとつの問題点である「個人のマインドセット」について話します。

マインドセットというと何か気の持ちようみたいな感じで受け取られるかもしれませんが、簡単にいえばそのとおりです。

もっとわかりやすくいえば、仕事の価値観です。

自分で思い込んでいるレセプト業務の価値観を、主観じゃなく客観的に見てましょうってことです。

ここでひとつ知っておいてほしい話をします。

それは「残業ーズハイ」という話です。

残業ーズハイ

みなさん「残業ーズハイ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

おそらく耳慣れない言葉だと思います。

ランナーズハイとは走っているときに入るものですが、それと同じで残業ーズハイは残業中に入るものです。

「中原淳 著 残業学」 によると、残業時間が月60時間を超えてくると残業ーズハイという状況におちいるとのこと。

ランナーズハイはある種のフロー状態なのですが、残業ーズハイもフロー状態にあるとされています。

つまり、長時間仕事に没入することによって、幸福間や有能感が生まれてくるということです。

簡単にいえば、仕事に集中していて完全にのめり込んでいる状態といえばいいのでしょうか。

普通に考えてみて月60時間残業ってかなり異常です。

1日平均3時間は残業していないとそこまでいきません。

ということは毎日最低20時頃までは残業している計算になります。

毎日ここまで残っているともう家に帰ったら寝るだけです。

ほかに何かする時間は残っていません。

客観的に見ればかなりヤバイ状態なのですが、本人にはもうそんな感覚もありません。

夜に職場にいることが普通になるのです。

そして仕事をし続けている自分がおかしいとはもう思えなくなります。

逆にそこに充実感や満足感を感じるという、へんてこな状態になってしまいます。

一周まわって残業している自分が普通であり、そこに満足している、有能感を得られるという残業ーズハイへと突入するというわけです。

もはや残業がきついとも思わなくなります。

残っているのが普通ですから。

そしてそこには生産性の概念などみじんもありません。

すごく効率の悪い働きであり、無能な仕事ぶりであるのに当の本人は幸せすら感じている、それが残業ーズハイです。

なぜこう断言できてしまえるのか?

それはかつて僕も長時間残業を経験したことがあるからです。

もう20年近く前のことで、その頃には残業ーズハイなんて概念もなかったので自覚していませんでしたが、今思えばそういう感覚があったことは覚えています。

僕は過去、最高月120時間残業をしたことがあります。

たしか毎日23時頃まで仕事をしていました。

今考えると若かったからこそ可能だったというのと、無能すぎだろって思います。

120時間残業していた業務をもし今やるとすれば、20時間ぐらいで済むはずです。

それぐらい非効率なことをしていました。

でもその当時は自分なりに必死でした。

これは今振り返るとわかるのです。

しかしその場にいたら、自分を客観視できる人じゃないと絶対わかりません。

自分のやり方が最善だと思って疑わない、他のやり方を試そうともしない。

残業ーズハイとまではいかなくても、残業している人はどこかしら残業している自分を正当化しています。

時間内の業務が忙しくてできなかったんだとか、周りより自分の業務量が多いからだとか、どこかしら残ってしまっているいいわけを自分で作っています。

でもそんなものは何の意味もないのです。

残業ーズハイで自分に酔っている人と大差ありません。

「月10時間しか残業していないからかなり少ないです。」

それって本当にそうでしょうか?

「10時間しか」ではなくて「10時間も」ではないですか?

30時間をゼロにすることはかなり難しいことですが、10時間ならゼロにできます。

それができないというのは、そうしようとしていないだけです。

前より短時間で終わらせるためにはどうすべきなのか?

何をすべきなのか?

そのような視点をつねに持っていないと生産性は上がりません。

2時間かかった作業をどうやったら1時間で済ませられるか?

与えられた仕事をただこなすだけではその問題は解決できません。

やはり最重要なのはマインドセットなのです。

やろうとしないことはできない。

当たり前の話です。

月40時間残業は普通なの?

ここでタイトル回収にいくわけですが、もう答えはわかると思います。

医療事務だから残業は当たり前。

レセプトをしてるから月40時間残業でも普通。

これって全部いいわけです。

なぜ医療事務なら残業は当たり前なのか?

なぜレセプトをしていたら月40時間残業が普通なのか?

ここの前提にそもそも疑問を持っていない。

それは自分と向き合っていない証拠です。

レセプト業務で評価される点というのは請求の結果のみです。

過不足なく何の査定も受けない請求。

そんなレセプトを作成できる医療事務員ができる医療事務員です。

そこにはどんなプロセスを経て作成されたかなんてことは、一切加味されません。

あなたがどんなに時間を費やして頑張って作成したレセプトであっても、返戻や減点を受けてしまえば仕事はきちんとできていないのです。

「私はこんなに残業して頑張りました」

「休日出勤もいとわずやり抜きました」

そう言えることは素晴らしいことではありますが、残念ながらそれはただのあなたの主観です。

レセプト業務こそ客観視しないといけません。

あなたの時間外の時給はいくらですか?

残業することで、それに見合う成果が上げられていますか?

費用対効果を考えたことがありますか?

それもなく、ただ残業を頑張っている、仕事が大変と嘆いているようでは話にならない、ということです。

まとめ

 

まとめますが「医療事務で月40時間残業は普通なの?」という問いには「多すぎです」という答えになります。

でもそう言われて「はい、納得しました」という人はいないはずです。

「そんなこと言われても、どうにもできない」と思っている人多数でしょう。

そんな人は次の1点を考えてください。

「自分の行動で変えられることは何か?」

今より効率化できることはないか?

する必要のないことをしていないか?

時間を最大限有効に使えているか?

残業前提で仕事のスケジュールを立てていないか?

今言ったことがしっかり詰められていない所が、必ずひとつはあるはずです。

そこをしっかり直してください。

つまり自分個人でできる範囲のことは、すべて詰め切るということ。

そこまでしてそれでも月40時間残業のままですか?

いいえ、きっと減っているはずです。

「いや、そんなんじゃ減らない」って人。

そうなると組織の構造の問題となるので、あなたにできることはもうありません。

残業を頑張るしかないですね。

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