前々回、前回と高度急性期・急性期のポイントとして4点見てきました。
・一般病棟用の重症度、医療・看護必要度
・特定集中治療室管理料の看護必要度
・新指標の創設
・救急医療管理加算の基準の定量化、明確化


今回は特定集中治療室管理料のその他の論点と、短期滞在手術等基本料について見ていきます。
目次
【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ④】<急性期入院医療その3・短期滞在手術等基本料>
結論
短期滞在手術等基本料は、廃止や振り替え、新規技術組み入れなどが行われます。
特定集中治療室管理料
算定上限日数
ECMO到着、臓器移植の患者は2対1以上の看護体制を必要とするため、特定集中治療室での管理が適切である。
そして当該患者は、算定上限日数を超える患者が多い。
→ECMO、臓器移植患者は上限日数を延長する
ただし単純に「〇〇疾病は14日超の算定を認める」というような形は好ましくない。
SOFAスコア(生理学的スコア)を活用し14日を超えるICU管理が必要か否かを見極めたうえでの算定を認めるべき。
→「〇〇疾患でSOFAスコア合計が◇点以上の場合には算定日数を△日とする」などといったような細かい設定が必要
手厚い人員配置を行うICU等の特別評価
新型コロナ感染症対応を進める中で、手厚い看護職・臨床工学技士配置を行うICU等ではトラブル回避などが円滑に行えている
→看護職・臨床工学技士を手厚く配置するICU等の評価(新加算)
バイオクリーンルーム
日本集中治療医学会の指針の見直しに合わせて、設備要件を見直すべき
→バイオクリーンルームの施設基準の緩和
短期滞在手術等基本料
短期滞在手術等基本料2
K067【関節鼠摘出手術】などについて「1泊2日」で実施する場合、医療機関が「短期滞在手術等基本料2」を算定するか、出来高算定するかを選択する
※届け出が必要、DPCで算定不可
・算定回数が極めて少ない
・短期滞在手術等基本料2の対象手術のうち、1泊2日で実施可能な症例は極めて限られている(実際の治療にはより長期間の入院が必要である)
・短期滞在手術等基本料2を算定する(出来高を選択しない)ほうが収益が高いケースは極めて稀である
→廃止を視野に入れて検討
短期滞在手術等基本料3
K616−4【経皮的シャント拡張術・血栓除去術】などについて「4泊5日」までに実施する場合、「短期滞在手術等基本料3」を算定する
※届け出は不要、DPCで算定不可
・一部にほとんど外来で実施されている技術がある
・一部に在院日数の短縮が進んでいる技術がある
・現在対象となっていない手術・検査・放射線治療技術などの中にも在院期間が短く、医療資源投入量の標準化が進んでいるものがある
→(D237【終夜睡眠ポリグラフィー】の「3 1及び2以外」の「ロ その他」、K048【骨内異物(挿入物を含む)除去術】の3「前腕」など)
→対象技術の拡大や点数設定を見直す