今回は「地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料」について見ていきましょう。
目次
【2022診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ⑤】<地ケア>
結論
post acute機能に偏りすぎた地域包括ケア病棟の是正、sub acute機能の推進を目指すために、更に評価が厳格化されます。
2020年度改定の概要
まずは前回の改定がどうだったのかを復習しておきます。
前回の改定は完全に、地ケアが狙い撃ちされた改定でした。
実績要件、施設基準、転棟に係る算定方法、届出とあらゆるものに見直しが入りました。
その意図とは「post acute機能に偏りすぎた地域包括ケア病棟の是正、sub acute機能の推進を目指す」というものです。
果たしてpost acute機能の偏向は是正されたのか?sub acute機能の推進はなされているのか?ということの検証を経て現在に至ります。
検証結果と方針
・地域包括ケア病棟入院料及び入院医療管理料1・2においては、在宅復帰率が施設基準の70%を大きく上回る医療機関が多数存在した
・地域包括ケア病棟入院料を届け出ている医療機関において、救急を実施していない医療機関が一定程度存在した
・地域包括ケア病棟入院料2における自院の一般病棟からの転棟割合の分布は、自院の一般病棟からの転棟割合が高い傾向
(90%以上の医療機関は、400床未満の医療機関が多かった)
・2020年度改定後も「自院の急性期病棟からの転棟患者受け入れ」に極端に偏った地域包括ケア病棟等が相当程度、存在する
(地域包括ケア病棟の半数で「自院の急性期病棟からの転棟患者が6割以上」となっている)
・「自院の急性期病棟からの転棟患者割合が極めて高い」病棟は「自宅等からの入院患者割合が高い」病棟に比べて状態が安定しており、医療・看護提供頻度が少なく、医療資源投入量も小さい患者を多く入院させている
・2020年度改定で「入退院支援部門の設置」が義務化されたが「入退院支援加算1」の届け出割合は4割にとどまり、届け出できない理由は「専従の看護師・社会福祉士の確保が困難」が最多である
→自院の急性期病棟からの転棟患者割合が極めて高い地域包括ケア病棟等への評価見直し(減算規定の厳格化)
→救急実施、在宅実施、自院転棟以外患者受入がアンバランスの場合の評価厳格化
→自院の一般病棟からの転棟が8割以上の病棟への点数厳格化
→入退院支援加算の届出促進に向けた見直し
詳細は今後の議論で詰められますので、引き続き注視していきましょう。