医療事務はブラックって本当なの?【医事課長が解説します】

医療事務ってブラックって聞くけど本当なのかな?

 

医療事務はやめとけっていわれたんだけど、なぜだろう?

 

現場のリアルが知りたい。

この記事は、医療事務を選ぼうかどうが迷っているあなたに向けて書きます。

この記事を書いている僕は医療事務歴23年の管理職です。

今までの経験をベースにリアルを語ります。

医療事務になろうかどうか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

医療事務はブラックって本当なの?【医事課長が解説します】

結論

 

このテーマ自体がナンセンス!

医療事務はブラック!?

医療事務はブラックといわれる理由

なぜ医療事務はブラックといわれるのか?

よく取り上げられている理由としては次のようなものがあります。

1.給料が安い

 

2.激務である(月初めは残業続き・休めない)

 

3.陰湿な女の職場である

 

4.仕事上覚えることが多い

 

5.医療従事者との格差が激しい

 

6.資格を取っても優遇されない

 

7.患者からのクレームが多い

1.給料が安い

ここにネットに載っていた医療事務員の平均年収というデータがあります。

それによると

現役医療事務で働く人たちの平均年収はおよそ250~350万円ほどという結果が出ています。

ただしエリアでも差があり、低いところだと平均年収が180~250万円ほどとなっています。

とあります。

僕の感想をいうと、この金額はおおむね当たっています。

正直医療事務は薄給です。

一般事務より高い給料設定の医療事務求人というのは、なかなかありません。

ここはしっかり認識しておくべきです。

ですので、まず給料ありきの人は医療事務を選んではいけません。

他の職種に行くべきです。

そうではなくて、それよりもスキルを身につけて長く働きたい人や、人と接する仕事が好き、という人なら合う可能性は高いです。

2.激務である(月初めは残業続き・休めない)

これは一概にはいえません。

なぜなら、働く先とそこでの担当いかんで、全然違うものになるからです。

まず働く先の医療機関がどういう状況か?ということ。

簡単にいえば、山ほど残業する医事課もあれば、残業ゼロの医事課もあります。

こればっかりは入ってみないとわかりません。

面接時に「うちは月平均10時間くらいかな」といわれても、実際本当に10時間のところもあれば、30時間のところもあります。

次に何の担当をするのか?ということ。

受付なのか、計算なのか、レセプトなのか、クラークなのか?

外来係なのか、入院係なのか、診療情報管理なのか、医師事務作業補助者なのか?

配属先がどこかによっても残業時間は全然違ってきます。

同じ医療機関内でも、外来係は残業ゼロなのに入院係は毎日残業しているなんて状況はあり得ることです。

つまり、医療事務は激務である、月初めは残業続き、休めない、という文章は正確ではないのです。

そういう人もいるし、そうでない人もいるということです。

唯一いえるとすれば、レセプト関係の担当になれば月初めは残業になる可能性が高い、ということ。

しかし先ほどもいったようにこれも医療機関によりけりです。

3.陰湿な女の職場である

ご想像のとおり、医療事務は女性が圧倒的多数派です。

男女比率は1対9か2対8ぐらい。

医療機関によってはリーダー以外全員女性なんてところも珍しくありません。

よって医事課は女の職場である。

これは間違いありません。

そして女性は、大きな集団のなかに小さな群れをつくりたがります。

その結果どうしても派閥ができてしまう。

もうこれはどうしようもありません。

ですがだからといって陰湿かどうかは、各自の捉え方しだいです。

陰湿だなと思うのであれば、イヤだな、ブラックだなと感じるでしょうし、そんなもんだと割り切っていればそこまでは感じないかもしれません。

しかし思うのですが、これは医療事務に限ったことではないはずです。

女性は群れをつくりたがるのです。

別にそれは男女比率5対5の職場であっても同じことです。

医療事務だから陰湿な女の職場であるといういい方は、かなり悪意が含まれている表現だと思います。

4.仕事上覚えることが多い

これはいいがかりに近いです。

それでは逆に聞きたいのですが、、仕事上覚えることが少ない仕事って何ですか?

どんな仕事だって最初は覚えることばっかりです。

「診療科によって覚える内容が異なる」という理由をネットで見つけましたが、それが医療事務ですよ。

いろんな診療科があることなんてわかりきっていること、今まで触れてこなかった診療科に当たったらまた勉強するだけです。

ここでひとつわかっておいてほしいのは、医療事務の学習って就職先が決まったら終わりじゃないんです。

むしろ働きながら継続して勉強していくのが医療事務です。

2年に1度は診療報酬改定があり、算定方法が変わることなんて当たり前。

教科書どおりに算定していても、平気でレセプトが返戻されてくる。

そんな中入職時からまったく知識のアップデートをしていない人では、仕事なんか任せられません。

ですので、覚えることが多くてつらいという人にはおすすめしません。

医療事務は覚えることが多いという前提で入ってこないと、実務についたとき「これ無理」って思うかもしれません。

でもそれって初期中の初期に経験することです。

要は慣れるまで我慢できるか、どうか?だけだと思います。

5.医療従事者との格差が激しい

院内ヒエラルキーは必ずあります。

医師がトップに君臨していて、次に看護師、薬剤師みたいな。

そして医療事務は一番下みたいな。

だからときには高圧的な態度で接される場合もあるかもしれません。

これも捉え方の問題で、そんなもんだと思えるかどうかです。

ちょっとでもそんなことがあったら耐えられない、という人はやめておいた方がいい。

割と強い口調で上からものいう人は、いないわけではないですので。

6.資格を取っても優遇されない

医療事務は資格というイメージが強いですが、過度な期待はしない方が賢明です。

僕の経験則でいうと、資格があるだけで優遇されたという例を知りません。

経験という土台がある上で、資格を取得して評価されるというパターンならあります。

まずは何より経験を積む方が先です。

7.患者からのクレームが多い

これはどうしても避けられません。

医療事務が一般の仕事と最も異なっているのは、職場が病院であるということ。

対応する相手が患者であるということ。

患者は不安な気持ちを抱えて来院しています。

だから普通ならなんとも思わない些細なことでも、過敏に反応してしまいます。

診察や会計の待ち時間が長い、窓口の対応が気に食わないなど、クレームはどうしても多くなります。

しかしクレーム対応もひとつのスキル。

経験を積めば上手くなります。

まとめ

 

ここまでブラックといわれる理由を7つ見てきたのですが、いかがだったでしょうか?

最後に私見を述べさせてください。

この「医療事務はブラックか?」論は昔からずっといわれていることです。

本文中でも書きましたが、これは実際自分で入ってみないことには判断がつきません。

ネット、SNSで書かれていることはすべて疑ってかかった方が賢明です。

なぜならそれらは医療事務に嫌な思いを抱いた人たちが書いたものだからです。

医療事務に限らず、仕事って最初はつらいものです。

そのつらさも勉強と捉え乗り越えた人だけが経験者として残り続けます。

反対にそこで挫折した人は、医療事務に嫌な思いを抱きます。

そしてその人たちが医療事務を悪くいいます。

また、現役の医療医務員でありながらSNSで愚痴っている人もいます。

こんな人も参考にはできません。

その人はただ自分がうまくいっていないから愚痴るのです。

そこは自分と向き合わなければいけないのに、それが怖くて医療事務のせいにしているだけです。

逆に聞きますが、「医療事務サイコーだぜイェーイ!」というツイートを見たことがありますか?

「医療事務で働いていて毎日充実してます」という書き込みがどこかにされていますか?

それは決してないのです。

なぜなら仕事に満足している人は書き込む必要がないからです。

他人に承認してもらう必要がないし、他にもやることがたくさんある。

だからネット上には医療事務の悪評しか出てこない。

あなたはこれを信じますか?

 

「医療事務は給料が安い、休めない、人間関係がダメ、ほんと超ブラック」

そう思うのならそれでもいいと思います。

しかしうまくいっていない人の意見だけで決めてしまうのは、あまりにも短絡的だと思います。

この記事で僕は現場のリアルを伝えました。

これを聞いてどう判断するかはあなたしだいです。

何ごとも経験していないことは不安です。

その不安はやってみることでしか消せません。

事前にブラックかどうかなんてわからないんだから、とりあえず飛び込むしかないのでは。

そう思います。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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