働き方改革を理解する3つのポイント【仕事の仕方を考えよう】

4月から働き方改革関連法が順次施行されています。

働き方改革とはすなわち仕事の仕方を変えることであり業務の効率化と生産性の向上、働きやすさと働きがいの両立を目指すことでもあります。

今回の関連法により日本の労働慣行は大きな転換点を迎えることになります。

今回は医事課員として知っておくべき点を3つに絞り解説していきます。

働き方改革を理解する3つのポイント

 

1.年次有給休暇

2.時間外労働の上限規制

3. 同一労働同一賃金

以上の3つになります。順に見ていきます。

年次有給休暇

厚生労働省は過労死等の防止の為の対策に関する大綱で2020年までに年次有給休暇の取得率を70%以上にすることを目標に掲げ労働基準法を改正しました。

それにより2019年度からは年10日以上の年次有給休暇の権利がある職員について最低でも5日間以上の年次有給休暇の計画的付与を行うことが義務づけられました。

これは最低5日間は雇用主が計画的付与を行うことで取得率を向上させる狙いです。

医療機関においては職員からの申請を待つのではなく、業務の調整を行い年次有給休暇を計画的に付与していくような試みも必要になってくると思われます。

時間外労働の上限規制

これについては労働基準法を改正し特別条項つきの協定を年720時間(1ヶ月平均60時間)以下に規制します。単月でも100時間未満、2~6ヶ月の平均で80時間以下に抑えなければなりません。

医師については2024年4月から一般的な勤務医は1年で960時間を原則とし特例として研修医や地域の特定の病院の医師については1年で1860時間まで認められることになりました。

但し追加的健康確保措置をして連続勤務時間制限、勤務間インターバル、代償休息の3つが義務化されます。

同一労働同一賃金

パートタイム労働法が改正され名称も短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律へと変更されます。(2020年4月施行)

これには同一労働同一賃金に関する条文が盛り込まれます。

非正規雇用労働者と正期雇用労働者との格差をなくし短時間でも働ける人を増やすことが目的です。

働き方改革の推進に向けて端的に言えば生産性の向上と働きがいのある職場作りの為の仕組みを確立することが大切です。

いくら残業を減らしましょうと掲げても組織、仕組みが今までと同じならば何も変わりません。

また、残業を削った結果生産性が落ちるのでは本末転倒です。

そうならない為の組織づくりが必要となってきます。それでは具体的には何をしていくべきなのかを見ていきます。

業務の効率化

これが最も重要です。しかしこの点はどこでもさんざん行ってきたところなのではないでしょうか。

業務の見直し、マニュアルの見直し、変更などです。

ですがこの見直し作業というのはそんなまるまる変わったというような見直しはなかなかされにくいのではと思います。

結局今までやってきた手順をベースに変更していくようになっているのではないでしょうか。

これは医療機関の事務というのは正確性が命、間違いは許されないという意識が極めて強い為考えが保守的になりがち、ということが関係しているように思います。

その結果現場は前例を踏襲しがちになってしまうということなんだと思います。

ですがこれだと思考停止しているのと同じことです。

前例を踏襲することの全ては否定しませんがまずは自らゼロベースで考えるということがとても大切です。

例えばマニュアルを変更する際においてでも原案があると書いてある項目は当然そこにあるものとしてスルーしてしまいがちです。

なぜこの項目が入っているのかとか、この帳票のファイリングって必要なのみたいなことはそもそも考えない訳です。

だってそれは前からずっとそうされてきたものだからです。

ここの考え方を変えていかないと業務の効率化の本質にはたどり着きません。

まずは疑問に思うことが必要です。

なぜこの手順なのか、なぜこのやり方なのか、そもそもこの項目は必要なのかなどということから考えなければいけません。

つまりそこには必ず目的がある訳でそれを完了するにはどうするべきかということを常に問い続けることが肝要です。

業務改善とはそういうことなのです。

なぜこれを行っているのか、その意味は何か、これが現状の最善か、ということを問い続け、常に考える。そのような姿勢があってはじめて業務の効率化へと繋がるのです。

働きがいの創造

働きやすさと働きがいの両立を目指すとありますが働きがいとはどのようなことで生まれるものなのでしょうか。

働きがいとは仕事へのやりがいです。

医事課の仕事のやりがいとは一体何でしょうか。

これは人それぞれですが、やりがいを生む土台としては仕事への向きあい方が大切です。

仕事から満足感、自己効力感(⇒⇒⇒セルフ・エフィカシーって何?【自己効力感を持とう】)を得るに為には能動的な仕事の仕方が必要になってきます。

仕事がなぜ面白くないのかと言えばやらされ感があるからです。

外からの要因によってやらされ感がある仕事はしんどいしつまらないものです。

やりがいを得る為には自分から動くしか方法はありません。

そしてそこでの達成感が仕事への満足感、自己効力感へと繋がっていきます。

医事課員として働いている人は常に変化に挑戦し飛び込んでいく気持ちを持っていてほしいですし、その上司の人は彼ら彼女らがそのような行動がとれるような考え方や仕事の与え方を工夫する必要があります。

まとめ

仕事がホワイト、ブラックという言い方は今では普通に使われます。

医療事務については一部でブラックだという論調がありますが私はそうは思いません。

⇒⇒⇒医療事務はブラックなのか?【その答えと理由】

⇒⇒⇒新・医療事務はブラックなのか?【リア充はネットに書き込まない】

本来医療事務という仕事は患者の役に立ち、法人の役に立ち、院内の各部門の役にも立つという人の役に立っている率がハンパない超やりがいのある仕事の筈なのです。

でもそのことが十分に享受されていません。

給料が安い、残業が多い、院内ヒエラルキーが低いなどマイナス要素ばかりが先行してしまいがちです。

しかしこれらは変えようとすれば十分変えられます。

ですが多くの人は変えられないのです、というか変えないのです。

なぜなら変化することが面倒だからです。

目の前の見慣れた景色が変わるのが怖いからです。

つまり働き方改革の行きつく答えはここにあります。

いくら有給休暇の取得率が向上しても、残業時間が減少してもそれが強制的にされたものと本人が認識している限りその改革は表面上だけのものです。

全て自分から動いた結果でなし得たものでなければ何の意味もないのです。

「業務の効率化と生産性の向上、働きやすさと働きがいの両立を目指す」といとも簡単に書かれていますがこれはそんなに簡単に出来るものではありません。

なぜ難しいか。それは最後は本人のマインドセットで決まるからです。

⇒⇒⇒ストレスは敵、味方?【マインドセットは超重要です】

管理職が出来ることはあくまでその補助的な役割に過ぎません。

最後は自分の仕事の捉え方、姿勢が全てです。

本当の働き方改革を目指すのであればここの個人の問題の部分にどうアプローチしていくのか企業、法人としてもしっかり考えていかないといけない部分だと思います。

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