医療事務の残業がなくならない理由とその解決策【医事課長が解説】

医療事務は残業が多いと言われます。

その大きな原因の1つがレセプト業務があるから、ということもよく言われます。

たしかにレセプト業務によって残業をしている医療事務員の人は、全国にたくさんいます。

そしてその人たちの中には、残業もやむなしと思っている人は少なくありません。

そういう僕も若い頃はそう思っていました。

でも本当にそうでしょうか?

本記事では医療事務の残業がなくならない理由を見ていくと共に、その解決策を考えます。

今回の内容を読むことによって、残業が発生する原因がわかります。

そしてこれから先の残業対策のヒントにきっと役立ててもらえるはずです。

医療事務の残業がなくならない理由とその解決策【医事課長が解説】

結論

レセプト業務のシステム化、効率化の徹底、そして個人の意識改革ができた時、医療事務の残業はなくなります。

医療事務の残業

医療事務の残業スタイル

医療事務の残業にはいくつかのパターンがあります。

①自己満足型

 

いわゆる完璧主義者に多いのがこれ。自分のスタイルを貫き通し他人の言うことに耳を貸さない。

 

②仕事抱え込み型

 

この仕事は自分にしかできない、とか自分の仕事を奪われたくない、という思い込みが強い。

 

③生活費目的型

 

残業代ありきで毎月の給料の額を計算し、勤務時間を調整している。

 

④仕事先送り型 

 

仕事の先送りが多く、時間内だけでは間に合わない。

 

すべてに共通していえるのが、残業はあって当たり前という認識をしているということ。


特に①②のタイプは自分は一生懸命仕事をしている、という自負があるので指導していくのもかなり大変です。


③④のタイプは本人の問題もありますが、上司の管理能力が問題です。

残業の事前申請許可制度の導入や業務分担の見直し、均一化等やれることはいろいろあります。

残業削減のために上司がまずやるべきこと

でもその前にこれらの場合、まず上司と部下のコミュニケーションが上手くとれていません。

いくら上司が残業を減らそうと言ったところで、部下の思いを拾ってあげなければ部下はまったく納得しません。

「理想論ばっか言ってんじゃねえ。現場の状況わかってるの?」と思われかねません。

ですので上司が残業をなくしていこうと本気で思うのならば、まずは部下への徹底的な聞き取りが必要です。

それをもとに業務の割り振り、見える化、共有化を行い均一化することが最優先事項です。

そしてこの場合、実際担当者に細部まで聞き取りを行うと結構驚くことが多いです。

なぜなら僕にとってはムダと思える仕事がどんどん出てくるからです。

これは何のためにしているの?と聞いても「前任者からの引き継ぎなので」という答えしか返ってきません。

そこには自分なりの工夫でもっとやりやすい仕事に変えられないかな、というような思考はないのです。

前任者が残業していた業務をその通り行っているだけならば、残業が減らないのは当然のことです。

医療事務の残業の本丸はレセプト

昔も今もレセプトのイメージは残業です。

レセ期間は残業をしないといけない。

これはほとんどの医療事務員が仕事に抱いている思いです。

それくらいレセプトと残業はセットとして考えられています。

しかしレセプトだから残業するというのは、もう一昔前の仕事のスタイルです。

ICT化が進んできたことによって、昔と今のレセプト業務はその内容が変化してきています。

現在のレセプト点検は、レセプトチェックソフトを使うことによって、点検するレセプト件数を一定数削減できます。

チェック内容は毎月の査定状況をフィードバックします。

それにより点検精度も徐々に上げていくことができます。

すべて人の目で行っていた昔と比べて、今は機械の力を借りることによって大幅な点検時間の短縮が可能なのです。

だから、今はもうレセプト残業なんていらない時代なのです。

【医療事務のウソ】レセプト残業なんてホントはいらない!

残業削減への一番の障壁は個人の意識改革

コンピューターはこちらの狙ったようにはいきますが、いかないのが人間です。

職場によってはいまだに残業している人を、評価するところが少なくありません。

しかし真実は逆で、残業している人の方が仕事の能力は低いです。

残業しない人の方が数段優秀です。

朝15分かかる仕事は昼には30分かかり、夜には2時間かかると言われています。

それぐらい夜の仕事のパフォーマンスは悪いです。

朝から働いていて夜8時にレセプト点検している人っていませんか?

それすぐに帰って寝て、明日の朝にした方が絶対効率的です。

夜8時にレセプト点検って時間のムダです。

やってる気になっているだけ。

そもそも残業ありきで、日中の業務を組み立てているのが間違いです。

生産性、費用対効果を意識しない人が多すぎます。

自分が残業することによって、発生するコスト分の働きができているのかどうか?

そこの視点をぜひ持って頂きたいです。

まとめ

繰り返しになりますが、医療事務の残業がなくならない理由は、大きく分けると次の2つです。

・レセプト業務の徹底的なシステム化、効率化ができていない

 

・各個人の残業への意識が昔のまま

もうそろそろ「医療事務=レセプト=残業」の考えは捨てませんか?

たしかに昔はその式のとおりでした。

ですが時代は令和になり、医療事務もICT、AI化がこの先進んでいくと言われています。

なのになぜレセプト残業だけは昔のまま残っているのか?

それは簡単に言ってしまえば、多くの人が「そういうもんだ」と思っているからです。

だからまず最初にすべきことは、「そういうものではない」と思うことです。

医療事務の残業はなくせるという思いを持つことです。

業務の効率化、担当者のマインドセット、この2つを変えることができれば間違いなく医療事務の残業はなくせます。

できるか、できないかの話ではありません。

やろうとするか、しないかだけです。

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