医療事務がつらいのなら辞めてもいい【でも心理対比はするべきです】

医療事務の世界は人の出入りがとても多いです。

入ってくる敷居が低い分出ていく敷居も低いです。

今や1億総ストレス社会と言われる世の中で人々の仕事に関する悩みは尽きません。

こと医療事務でも同様で今働いていて悩みなんかないって人はほぼいないでしょう。

その悩みもささいなことから仕事を続けることが難しくなるようなことまで様々です。

その中でも続けるのがつらいと思っている人もいるでしょう。

はたして医療事務の仕事にはどう向き合えばいいのか、何を考える必要があるのかという部分を見ていきます。

医療事務がつらいのなら辞めてもいい

結論

仕事に行くことで肉体的にも精神的にも変調をきたしているレベルであるのならば辞めるべきです。

ただし「辞めることイコール自分から逃げること」となっているのならば待っているのは今より底の世界なのでそこは覚悟することです。

仕事とどう向き合うか?

満足感・達成感

職種によって様々ですがそもそも仕事はどんなに頑張ってもそれに見合う見返りがある保証なんてどこにもありません。

特に患者さんを相手にする医療事務の受付ではもちろん感謝されることもありますが、それ以上に苦情やクレームを言われることの方が断然多いです。

それも理にかなっている言い分もあれば理不尽に思えることも多い訳です。

自分のペースでは絶対進められないし良かれと思ってしたことでもそうとられないことがあると満足感や達成感はなかなか得られるものではありません。

またレセプト請求においても正しい請求は当然とされ評価などされませんが対して査定、返戻が少しでも増えると能力不足、怠慢だと上司や他部署などから非難されます。

どんなに残業をして頑張ってレセプトを見ていたとしても周りは結果しか見ませんからそこの努力は評価されません。

まして支払基金や国保連合会の審査委員の独自の判断での査定は理不尽極まりない訳ですがそれも内情を知らない人からすると数ある査定のひとつに過ぎませんから査定を受けるような点検の仕方が悪いと評価されてしまいます。

これで満足感、達成感を得ろと言われてもどだい無理な話です。

もちろん中身まで分かった上で正当な評価をしてくれる人もいますが大多数は外側しか見ませんから本人の思いと周りの評価の乖離がかなり出てきてしまいます。

やりがい

仕事をすることの本質は自己成長にあると以前に書きました。

これは私個人の意見ではありますが組織においても同じようなことを言われることもあると思います。

要は仕事のやりがいは何なのか考えてみなさいってやつです。

ことあるごとに組織はやりがいを振りかざします。

これは正論なので当然そういうもの言いになるのですが、そもそもやりがいは誰かに言われたからといって見つかるものでもないし与えてもらうものでもありません。

やりがいは自分で見出さないといけないもので、実際医療事務のやりがいを答えなさいと言われて即答出来る人もそう多くはないでしょう。

それぐらいやりがいを頼りに仕事を続けるということは難しいことなのです。

ストレス

仕事とストレスは裏表の関係なのでストレスのないものは仕事とは呼べません。

またストレス対策はどうしたらいいのかなどは過去の記事に書きました。

しかしそれでも過度のストレスを抱えたまま仕事を続けている人も中にはいることでしょう。

医事課のストレス要因というものは挙げだすときりがありませんが代表的なものでいうと長時間残業、レセプト査定、苦情・クレーム対応、院内ヒエラルキー、部署間摩擦、採用・退職の繰り返しとそれによる教育のし直し、などがあります。

厚生労働省の労働者健康推進状況調査によると仕事のストレス要因の上位3つは人間関係、仕事の量、仕事の質となっています。

結局そこに集約されますがこれもほどほどならば許容範囲ですが度を超すとただただつらいとなってしまいます。

医療業は安定している?

いまや終身雇用は幻想とされる世の中に入ってきました。

先日も豊田章男トヨタ自動車社長が「終身雇用を守っていくというのは難しい局面に入ってきた」と発言し話題となりました。

世界のトヨタでさえそうであるのならばもはや日本で終身雇用が保証されている企業、法人など存在しなくなります。

世間のイメージとしては医療業は比較的安定している業種と認識されているかもしれません。

そもそも私より上の世代では終身雇用が当然で一度勤め始めたら次辞めるのは定年時というのが常識とされていました。

ですがそんな常識はもう存在しません。

まず知っておかなければならないのはこの先医療機関というのは淘汰の時代に入るということです。

つまりどんどん潰れる病院、クリニックが出てくるということです。

これは既に現在の医療機関の数が過剰であるというのと人口減少が始まっているということをあわせて考えると当然のことなのです。

今全国で病院はおおよそ8000あります。

ですが地域医療構想が示しているとおり病床の機能分化を考え需要と供給を考慮して病床再編すれば半分の4000の数で成り立つとのことです。

そして現在全ての医療法人の3割は赤字経営です。

自治体立は自治体からの繰入金を含めなければ9割が赤字で繰入金を含めても6割が赤字です。

これらの事情全てを鑑みると医療業が安定しているだなんて口が裂けても言える筈がないのです。

ですから少ない給料でも安定していて食いっぱぐれることはないからつらくても我慢するという考えはもう意味をなさないのです。

カオスの時代を生きる

もはや終身雇用も安定もない時代が来ていることは上で述べたとおりです。

大事なのは生きる姿勢、仕事への姿勢です。

誰もが生活の安定、仕事の安定を望む、これは至極当然の話です。

ですがここで思い違いをしてはいけないのが安定と成長の作り出し方です。

現状を維持すること、守ることでは決して安定と成長は作り出せないと知ることです。

回り続けるコマのように真の安定と成長とは常にゆらゆらと変化しながらも継続しているものです。

安定して回っているコマは常に動き続けています。

一点にとどまって回っているのではありません。

それと同じことでそこにとどまっていること、現状維持していることではコマはいつか倒れてしまうのです。

大事なのは前に進まなければ安定も成長もないということです。

このカオスの時代を生き抜く為には攻める姿勢、挑戦していくマインドは絶対必要なのです。

仕事を辞めること

根性論は不要

月曜日が来るのが苦痛、日曜日になると体がおかしくなる、食欲がなくなる、何も楽しいことが感じられない、などはもう完全に病んでいっている過程です。

でも仕事だからとか親を心配させたくないなどで無理やり仕事に行っても改善する筈もありません。

昔、駅に着いたけど電車を降りられなくなったという人もいました。

そこまでいくともう辞めた方が本人の為です。

働くことは大切ですが身を削って働くことに意味はありません。

自分あっての家族、家庭です。

心身共に健康で働くことが大事であってそこを達していなければ働いている意味はありません。

親も世間体も関係ありません。

自分の人生です。そこに根性論はいりません。

現実を直視しているか

とは言ってもつらいです、頑張れません、だから辞めますというのを推奨しているのではありません。

今言っているのは末期の方のことです。

もうどうしようもない状態までいってしまったら出来る選択は退職しかないという話です。

ですがここからは辛辣に言いますがそのような人の大部分は自分に甘すぎます、世間を舐めすぎです。

言い方を変えると自分で自分をかわいそうと思い込んでいるだけです。

周りから見ると全然かわいそうではありません。

今回も出てこざるを得ませんがこのブログではおなじみのメタ認知の問題です。

自分を客観視出来ているか、自分と向き合えているか、まずはそこを自分に問うて下さい。

周りのせいにするのは簡単です。

そう自分で思い込めばいいのですから。

ですがそれでは何も進みません。

次のような言葉があります。

「他人と過去は変えられない、自分と未来は変えられる」

他人をコントロールすることは出来ないのでそこに思い悩むことは意味がありません。

それよりも自分が出来うることは全てしましたか?

考えられる手は全て尽くしましたか?

そこの確認、検証を一切せず、というかしようとしない人が多すぎます。多分出来ないのだと思います。

そこを見返してしまうと自分の非を認識してしまうからです。

だから見なかったことにする。

でもそれではこの先も同じことが繰り返されるだけなのです。

問題なのは辞める行為そのものではなくそのもっと奥の本質です。

自分の考え方の根本です。

努力が全て報われるなんてことはあり得ませんが、絶対なことはしてない努力は報われないという事です。

してない自分は差し置いて周りの批判に終始しているようではあなたが報われる時は永久に来ないです。

上司がきつい、同僚がひどいと思うことはそりゃあります。誰でもあります。

だったらその視点を自分目線ではなくて第3者視点にして下さい。

そして自分を見て下さい。

自分は全く悪くないと言えますか。

自分に全く非がなかったと言えますか。

そこの考察を抜きにして人間関係を語っているようではちゃんちゃらおかしいのです。

心理対比

ここまでいろいろ述べてきましたがそれでも辞めたいという人は辞める前に次のことをやってみて下さい。

これは心理学で用いられる心理対比という考え方の中のタイムリープというテクニックです。

心理対比とは簡単に言うと最悪の事態を想像することで目標達成率がアップしたり物事に対するやる気がアップすることを言います。

タイムリープとは時間跳躍ということです。

具体的には以下のとおりです。

①まずは今の自分の気持ちを理解します。

患者さんからクレームがありその件で上司に報告しなければならないがその上司はことあるごとに自分をつるし上げ責め立ててくる。

今回も何を言われるかと思うと報告するのが面倒だしつらい。

②次に、あなたがその行動をやらなかった結果として起こり得る最悪の未来を想像します。

報告を先延ばしにしている間に再度患者さんがそのクレームを言ってきて違う人からその上司の耳に入ってしまった。

上司に呼ばれ説明するが後の祭りで報告する気もなくもみ消そうとしていたととられてしまった。

以前から自分のことを良くないと見ていた上司は今回の件をきっかけに自分を異動させた。

全く経験のない部署に放り込まれそしてほぼ仕事もないような所で飼い殺しのような状態が続いている。

もはや辞めてくれて構わないというような状況である。

毎日仕事にいくのがとてもつらい。

③最悪の結果から今の状況まで回復させるのにどれぐらいの手間がかかるのかを考えます。

逃げるように退職して新たに転職先を探すが退職に至った理由がマイナスだったことから転職活動は難航した。

失業保険をもらい先行きに不安を感じながら就職活動を続けた。

しかしなかなか決まらず失業保険の給付終了が近づいて来て焦り希望条件をかなり下げて退職から半年後にやっと新たな就職先が決まった。

転職活動期間の分だけ大幅に時間を損した気分にもなるが仕方ないと諦め一からやり直しとした。

④現在の手間と未来の手間を比較します。

ここまで想像すれば①で想像した現在の面倒くささと③で想像した最悪の未来から脱するのに必要な面倒くささが比較されすぐに行動する為のモチベーションが湧いてきます。

一般的に人間は得することよりも損を避けることを重視する生き物であると心理実験の研究で分かっています。

ですのですぐに報告しないと将来はこんなにも悲惨になる、と損する未来を想像した方がモチベーションは湧くのです。

タイムリープではその内容を具体的に想像し更に悲惨な未来から復帰するために要する手間を想像することで今すぐ行動するモチベーションを生み出すこと出来ます。

私達はあの時はこうすれば良かった、過去に戻ってやり直したい、と思っても過去にタイムトラベルして、やり直すことは出来ません。

しかし、未来の最悪な状態を想像しその最悪な未来から現在にタイムトラベルして悪い未来を避けるための行動を今すぐ取ることは出来るのです。

同じことは勉強でも言えます。

勉強することが面倒くさいって思う今があったとします。

そこから10年先に跳びます。

するとそこには新たなスキルが一切身についていなくて給料も上がっていない自分がいます。

それが現実ならもう手の施しようはありません。

10年分どうやって取り返すんだあ、無理じゃんってなってしまいます。

でも今なら間に合います。

10年先から再び現在に戻ってきて今やっておけばいけるんじゃねって思う訳です。

ポイントとしては未来と現在を比較して今やるべき解決法を全力で考え実行していくことです。

今頑張ることが未来のリスクを小さくしているということを認識することが大切です。

まとめ

モチベーションアップには心理対比が有効です。

今回のタイムリープは一度行ってみて下さい。

逆に言えばタイムリープしてみた所でそれでも辞める方を選択するというのであればそれは自己判断なので尊重します。

但し、今よりましな世界は待っていませんので想定の範囲内としておいて下さい。

そうじゃないと後悔しかありませんから。

仕事でも人生でも傷つくことは当然あります。

でもそれを恐れていては自分の満足する未来は来ないです。

そして過去の傷を癒す唯一の方法は今を懸命に生きることに尽きるのです。

きちんと自分と向き合って自分の答えを見つけて下さい。

 

 

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