面接はゲームです【戦略とシミュレーションが大事】

医療事務は人の出入りが多い職種ですので採用面接もたびたび行います。

いろんな人がいますが面接官側から見てもったいないなあとかここを改めた方がいいのでは、などと思うことが多々あります。

今回は面接官目線で思うところを述べていきます。

面接はゲームです

結論

採用面接はゲームです。

 

戦略を練りゲームクリアを目指しましょう。

面接

面接の重要性

そもそもなんですが面接ってどれぐらい重要なものなんでしょうか。

医療事務だとそのほとんどが医療機関の医事課への就職・転職を目指すと思います。

その場合採用までの手順は履歴書、職務経歴書、ペーパーテスト、面接ぐらいなものです。

ペーパーテストはない所もありますのでその場合は履歴書、職務経歴書、面接となります。

履歴書、職務経歴書で高評価を得たりインパクトを与えることってなかなかありません。

個人個人の差はあれどれも似たり寄ったりの中身となってしまいます。

そうなると判断基準の比重はほぼ面接にかかってきます。

ペーパーテストがあったとしてもその結果はあくまで参考程度なのでやはり面接にほとんどの比重がかかってきます。

そう考えると面接が極めて重要と思えてきます。

面接でその人を評価することは不可能です

これは科学的にも答えが出ていて面接のみで正当な評価は下せないと結論づけられています。

ある会社で面接を通過した人と落ちた人のその後を追跡調査した結果、有能、無能の差は出なかったということです。

つまり面接を通過した人でも無能な人はいるし、面接で落ちた人でも有能な人はいるということです。

これはよく考えてみれば分かることで面接官がほんの数十分話をしただけで、その人の能力を把握することなどできるはずがないのです。

たとえ総合的に評価して判断したと面接官が思っていたとしてもそれが正しい評価とは言えないのです。

合否基準

次の2点で決まります。

1.求人元の医療機関が思い描いている人材像に近いかどうか

 

2.面接官が持った印象

ゲーム

上記のことを踏まえると面接はゲームであることが理解できると思います。

つまり、医療機関が求める人材を理解し面接官に好印象を持ってもらうことができればゲームクリアに近づけるのです。

大切なのは戦略です。

先を読む力です。

ただそこに注力するのです。

そう考えると面接とは面接前の準備がすべてなのです。

面接開始時にはもうすべきことはすべて完了しているのです。

しょせん面接

この考え方は大事です。

先ほども述べましたように面接に落ちたからといってあなたにバツがついたわけではないのです。

面接なんかではあなたの良さを分かってもらうことはほぼ無理なのです。

だから面接に落ちたことは単に面接に落ちたに過ぎないのです。

マッチング、相性の問題だけでただ縁がなかったんだなと思うだけでいいと思います。

そしてさっさと次へ行くべきです。

情報戦を制せよ

下調べはとても大切です。

合否基準の所で医療機関が思い描いている人材像に近いかどうかが判断の1つであると述べました。

つまりするべきことはその人材像をイメージして自分という商品をそこにどう寄せていき売り込むかを考えるということです。

そのために必要なのは情報です。

ですがそのような下調べさえしてこない人が大半です。

そこには大きな思い違いがあるのです。

自分の実績、能力を示し自分の考え、思いを伝えたいと思っているのです。

ですがそれでは伝わらないのです。

採用側には明確に求めている人材像があるのにそれとかけ離れたあなたを押し売られても買う気は起こらないのです。

あなたという商品を買おうという気になるにはまさに「今足らなくて困ってるんだよね、どこかにないかな」って思っているそのものがあなたであればいいわけです。

ですのでそう思わせるように自分を作り上げた上で面接に向かわなければ意味がないのです。

その為の肝が情報なのです。

自分を売り込む為にはその医療機関の役に立つ人材であることをアピールする必要があります。

そしてそもそもその医療機関がどういうところなのかを把握しておかないと何も始まりません。

であるならまず第1歩は基本情報のインプットです。

その医療機関のホームページ上の情報は把握しておきましょう。

病床規模、診療科、理念などの基本情報はホームページに掲載されているので全てインプット可能です。

とれる情報は全てとる、情報戦を制するにはまずそこからです。

想像せよ

下調べが完了すればここから面接対策に入ります。

ここで最も重要なことがあります。

想像と考察です。

まずは求人の読み込みです。

これはまず医事課のどの部署の求人なのかということを確認します。

これは誰しも当然します。

次にどのレベルを求めているのかを確認します。

外来受付なのか、入院係の1担当者なのか、管理職候補なのかで求める人材はまったく違ってきます。

この部分も確認はするはずです。

ですが大半の人はここで終わると思います。

まあ求人票にはこのあたりのことだけしか載っていませんからそれが普通です。

ですが普通のことをしていたら他の人との差別化はできないのです。

自分ともう1人候補がいた場合どこかでアドバンテージがないと選ばれる可能性は低くなってしまいます。

ですので差別化はどこかでしておく必要があるのです。

ではどう差別化をはかっていくのかというとまずは現場を想像するということです。

例えば400床の病院の外来レセプト担当者を募集しているとした場合、まず月単位で何件レセプトが出て、請求額がどれくらいかはおおよそ推測できます。

そして現在は一体何人でどれくらいの時間を投入して業務をしているのか、査定率がどれくらいなのかということは分からないので質問項目にあげておきます。

次に自分なら何件見れるか、どういった点検手法、ノウハウを持っているかのかを確認しておきます。

そして今回求人が出ているということは退職者が出て欠員の為に現場が困っているからなのか、それともレセプトを見れる人が慢性的に足らなくて苦しくなっているのかということを考えます。

これも分からないので質問項目に上げておきます。

最後に現在のその現場がどのパターンであったとしても自分が入ることで確実に良くなりますよ、という売り、アピールポイントを用意しておきます。

つまり、求人が出ているということは必ず現場は困っているのです。

その悩みは自分が入ることによって解消できた上でさらに大きな力になれますよと言える答えを用意しておくということです。

そのためには事前のシミュレーションが大切なのです。

どのような話の展開になっても最後は自分なら役に立てますと言えないといけないのです。

そして当然ですがそう言えるだけの根拠も用意しておかないといけません。

ゲームクリアへの道

誤った認識

多くの人が犯してしまいがちな誤った考えがあります。

それは面接とは自分のすべてをさらけ出した上で理解してもらい評価してもらう場である、という考えです。

これは完全な思い違いです。

面接とは上手く自身を取りつくろい、商品として価値あるものだと認識してもらう場なのです。

ここを認識しておかないと採用側と全然かみ合わなくなります。

先にも述べましたがほんの数十分の会話で自分を理解してもらうことなど不可能です。

そもそも面接官はそのようなことを分かろうとははなからしていません。

なぜならそんなことは無理だし時間のムダだからです。

見ているのは医療事務員としてのコミュニケーション能力のレベルと求めている人材とのマッチング度合いです。

その点を判断、評価しようとしているのに自分語りをされたところで何の興味もないのです。

アピール

多くの人はどうしても自分のこととなると実績や経験にばかり注目してしまいがちです。

ところが面接官が見るのは可能性です。

ですので本来アピールすべきなのは可能性なのです。

これは面接を受ける側だと分からないことですがする側に立つと至極当たり前のことです。

必要な人材とはこれからどのように役立ってくれるのか、活躍してくれるのかということを明確に示してくれる人なのです。

そのためには自分なりのビジョン、根拠を持っていないといけないのです。

「レセプトを10年みてきました。ですのでレセプトには絶対の自身があります。」

このようにアピールすることは良いことです。

ですがそれは誰でも言えます。

大事なのはそこから何を得て今後に活かしていけると見ているか。

何が現状の課題でどういう対策をとっているか又はとっていこうとしているかを示せることです。

そもそもですがたとえば、「将来的にはレセプトのコンピューターチェックが加速していって人の目でのレセプト点検の比重が軽くなってくることになりますがその時あなたはどういう役割が担えますか」と質問された場合に明確に答えられるかということです。

その問いにはレセプトを10年間みてきた実績は何の意味も持たないわけです。

レセプト担当者の求人であるならばそこまで踏み込んで自分なりの答えというものを用意しておく必要があります。

面接とは面接前の準備がすべてといった真意はここにあります。

短い時間で採用の否決を決めるゲームなのですからこう来たらこうするという事前の準備が極めて重要なのです。

やってはいけないこと

転職時面接でのしてはいけないことを挙げておきます。

他人目線で見れば当たり前のことなのですが当人は意識せず話している場合がありますので気をつけましょう。

1.現在の職場批判

今いる職場のここがダメ、ここがいけないと言う人がいます。

これは論外です。

そもそも何の為にそのことを持ち出すのかが分かりません。

こんなに大変な中自分は頑張ってきましたというアピールなのでしょうか。

それはプラスのアピールではなくてマイナスのアピールです。

それは心の中にとどめておくもので他人に、まして転職希望先の面接官に言うものではありません。

これはは完全に面接をゲームだとわかっていないパターンです。

先程もあったように面接官が見たいのは可能性です。

何をしてきたかよりも何ができるかなのです。

それなのに過去の報告と感想を言われてもなんの意味もないのです。

それではレベルが低すぎます。

2.話が長い

これは自分語りにも関係していますが、求められていることに対してのみを答えることです。

すごく基本的なことから入りますが、面接官の目をきちんと見ていますか。

面接官の話にうなづいていますか。はきはき話していますか。

質問を理解した上で簡潔、明快に答えていますか。

これすらできていない人がいます。

それなのに自分のことの話が長いとなるともう面接でどうこうというレベルではなくなってしまいます。

3.逆質問がない

これは以前にも記事にしましたので是非ご覧下さい。

医療事務面接の成功するポイントとは?【面接官が解説します】

まとめ

ここまで見てくると面接に1番必要なものが何かが見えてきます。

それはメタ認知です。

私の大抵の記事はメタ認知に帰結するのですがやはり人生においてメタ認知は最重要能力の1つなのです。

そしてメタ認知能力が高ければ面接をゲーム化することは割と簡単なのです。

面接には当然熱意は必要です。

この病院に入りたいという気持ちをアピールすることは大切です。

ですがそれは気持ちを込めてとかではないのです。

きちんと情報を収集、分析し戦略を練ることが必要なのです。

そして論理立てて明確に説明出来ることが伝わるということなのです。

面接をゲームとしてとらえられるかどうか。

すべてはそこで決まります。

 

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