病院内ヒエラルキーと医療事務【医事課の役割とポジション】

医療事務として現場で働いていると実感するのが病院内でのポジションの低さです。

これは医事課員の被害妄想ではなく客観的に見て明らかにそうなっています。

今回は医事課の役割とそのポジションということで思うところを述べていきます。

病院内ヒエラルキーと医療事務【医事課の役割とポジション】

 

結論

他部門がどう思おうと僕は事務部門の重要性を主張し続けます。

病院内ヒエラルキー

ランキング

まず前提として病院内には職種ごとにヒエラルキー(身分制度や力関係)が明確に存在しています。

ざっくりと言いますと

1位 医師

 

2位 看護師

 

3位以下 薬剤師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、診療放射線技師、臨床検査技師 臨床工学技士、管理栄養士etc

 

最下位 医事課

となります。

1位 医師 2位 看護師はどこの医療機関でもそうであると思いますが、3位以下の集団は各医療機関ごとのパワーバランスで順位は上下します。

ですが事務部門が一番下なのはどこでも共通なのではないでしょうか。

中にはそうではないところももちろんあると思いますが一般的な認識としては上記のようになります。

最下位の理由

3つあります。

まずは資格の有無があります。

医療事務に国家資格はありません。

対して他の職種はというと、医師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、臨床工学技士、社会福祉士、歯科衛生士、精神保健福祉士等全て国家資格です。

当然ながら国家資格者でないと業務に就けません。

対して医療事務は全く資格がなくても業務に就けます。

だから極端に言ってしまえばどんな人でもなれるし出来る(実際はそんな訳ではない、専門的な知識が必要ですが)と他部門からは思われています。

 

2つ目に病院の利益を生み出していないからという偏見です。

医師以下他の部門は診療行為という価値、利益を生み出している、

要は収益の源泉となる所だから重要だという理論です。

これは全く的外れな話でそんなことをいうと厳密にいえば収益を生み出しているのは医師だけです。

医師の指示がなく部門独自に生み出せる価値なんて存在しません。

互いの専門性を尊重しひとつのチームを結成して治療にあたることで最大限の能力を引き出し患者に対し最良の治療を行うのがチーム医療であり、

その中で医師には診療に専念してもらい医師でなくても出来ることを他職種で行っていくことは極めて合理的な病院経営の考え方です。

そういう意味では医師とその他となるべきで当然その他には事務部門も入ります。

医師事務作業補助者などは目に見えて医師の負担軽減に貢献していることが認識されているはずです。

だとすれば病院収益に貢献しているのは全ての部門なのです。

どの部門も必要不可欠であることは明らかなのです。

 

3つ目は慣習です。

要するに昔から根づいているみんなの意識ということです。

たとえば新人看護師が入職するとします。

新人なので当然院内ヒエラルキーなんて概念はありません。

ですが先輩看護師が医事課に対して横柄な態度をとっているのを目の当たりにするとそれがここでは普通なんだと覚える訳です。

そしてそういう意識が植えつけられていくのです。

これが最も怖いことです。

当の本人は何も考えていない訳ですから。

見て覚えて刷り込まれていくのです。

それが次の新人、またその次の新人への引き継がれていくのです。

医事課のポジション

医事課の役割というのは様々ありますが最大のミッションは診療行為をお金に換えること、そしてその利益を最大化させることにあります。

いくら診療部門が頑張って診療行為という価値を生み出してもそれをお金に換えなければ病院は潰れます。

また外来診療ひとつとっても医師は診療業務、各部門はそれぞれの役割を担えばいい訳ですがその前後ではあらゆる業務が存在しています。

受付、案内、計算、会計、書類受け渡し、電話対応、クレーム対応などすべて事務部門が対応します。

また明確には定義されないようないわゆる雑用のようなものも処理しないといけない場合もあります。

少しでも事務的な要素が含まれていれば医事課へ振ればいいという意識がどの部署にもあります。

それは医事課へ、そんなことは医事課へ、これぐらいのことなら医事課で、ということが非常に多いのです。

全てを否定する気はありせん。

もちろん医事課ですべきこともあります。

ですがそれは持ちつ持たれつなことで一方的に判断されることではないのです。

普通ならそんなことは起こり得ません。

きちんと部署間での相談、調整がなされるはずです。

だったらなぜそんなことがまかり通るのか。

まさにこれは院内ヒエラルキーのなせるワザなのです。

ヒエラルキーはなくならない

残念ながら院内ヒエラルキーは未来永劫変わらないでしょう。

だったらお先真っ暗じゃんってことではないです。

まず言いたいのは院内ヒエラルキーはダメだよね、とか改善していくべきだという意見の記事はよく見かけます。

医事課は病院経営の視点でも重要な役割を担っていて他部門とも対等な地位なんだ、

そのことを全ての部門の人達の認識としていけたならいいな、ということはよく言われています。

ですがそれは綺麗ごとです。

そんなことはほとんど誰も思ってもいないし今後も思うこともないでしょう。

何十年と続いているこの構図をひっくり返すことなんて不可能です。

ですが私はそれを悲観している訳ではありません。

ヒエラルキーを自分の感情と一緒にして見てしまうから嫌になるのです。

それはあくまでただの構図に過ぎません。

他人が勝手に思い描いている構図です。

自分が対等と思っていればいいだけの話です。

何も悩むことじゃない。

理不尽だと思えば反論すればいいのです。

昨日の記事にも同じようなことを書きましたが他人は他人です。

自分の担当分野に踏み込まれてきたならばよく考えた上で自分の主張をすればいい、正当性を訴えればいい。

それを聞いて相手がどう思うかは相手の問題なのです。

そこに上下関係なんてないのです。

もし自分が経験も浅くて言いづらいというのであれば先輩や上司に相談して下さい。

それで動いてくれない先輩、上司ならばそこはもう腐っています。

ほかを探した方がいいかもしれない。

でもそんなところはそうそうないはずです。

ヒエラルキーはあるけどそれが何か?ってぐらいのマインドでちょうどいいと思います。

まとめ

 

院内ヒエラルキーは悪という思い自体持たない方が幸せだと思います。

そこに縛られると医事課の地位が低い、どうしたら上げられるのかという出来もしないことに悩むことになります。

そしていつになっても医療事務をしている自分ってかわいそうという被害者意識だけを持ち続けることになります。

昨日の記事でも書きましたがもう1度言っておきます。

あなたはかわいそうではない。

もっと医事課の重要性を認識しておくことです。

そして自分の業務が病院経営の一翼を担っているという自覚、自負を持って下さい。

医療事務は十分なやりがいのある仕事です。

でもそのやりがいを見つけるのはあなたです。

院内ヒエラルキーをどうとらえるのかもあなた次第です。

医事課の一員としてどのような働き方をしていくべきか自分なりの答えを出して進んでいって下さい。

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