医事関連のテーマを中心に感じたこと、考えたことを綴っていきます

評価療養と選定療養【保険外併用療養費制度とは?】

厚労省は先日の中医協総会で「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果(速報)」を報告しました。選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果(速報)について

今後関係学会、医療関係団体、国民から寄せられた意見をふまえ2020年度診療報酬改定に向け選定療養に導入すべき項目を議論していきます。

今回はその中身を見ていこうとも思ったのですが、そもそもこの選定療養ってどういうこと?よく似た語句に評価療養ってのもあるけどどこが違うの?っていう人やうる覚えでなんとなくしか理解していない人、または知っているけどもう1度復習しておこうっていう人向けに解説していきます。

評価療養と選定療養【保険外併用療養費制度とは?】

結論

次期改定、そしてその後に向けても議論の動向は注意して見ておきましょう。

評価療養と選定療養

保険外併用療養費と評価療養、選定療養

わが国の医療保険制度では原則として保険診療と自由診療(保険外診療)は同時に受けられないことになっています。

自由診療が一部でもあるとその他の部分も含めて全額自己負担となるしくみです。

ただし厚生労働大臣の定める先進医療や特定の保険外サービスについては患者の同意を要件として保険診療との併用が認められています。

当該技術やサービスにかかる料金については100%自費負担、それ以外の通常の診療については保険診療で受けることが可能です。

この保険が適用される分を「保険外併用療養費」といい自費部分を「評価療養」「選定療養」といいます。

保険外併用療養費制度について

評価療養と選定療養の違い

評価療養と選定療養の違いは、将来的に保険導入されるかどうか、ということです。

評価療養は保険適用の見込みがあるもの、選定療養は患者の選択によるものです。

評価療養

評価療養とは先進医療や高度医療、薬価未収載の新薬などの使用による医療サービスで高度な技術をもつスタッフと設備があると承認された病院でのみ実施することが出来ます。

1.医療技術に関わるもの

現在医療保険の給付対象として正式に認められていない医療技術のうち保険承認前の医療を受けることで先進医療(高度医療)が該当します。

通常の治療と共通する部分の費用は一般の保険診療と同様に扱われ残りが保険外併用療養費となります。

2.医薬品・医療機器に関わるもの

未承認の薬や医療機器を使用する場合一定の条件をもとに高度医療と認められている場合は先進医療の一類型として保険診療との併用が認められています。

具体的には以下のとおり

・医薬品の治験に関わる診療

・医療機器の治験に関わる診療

・薬事法承認後で保険収載前の医薬品の使用など

これらの場合保険給付されない部分は治験を依頼した製薬会社が負担するので患者負担は発生しません。

選定療養

選定療養とは患者自身が選択して受ける追加的な医療サービスでその分の費用は全額自己負担となります。

現在は以下の10類型があります。

A.快適性・利便性など選択に関わるもの

1.特別の療養環境(差額ベッド代)

2.予約診察

3.時間外診察

B.医療機関の選択に関わるもの

4.200床以上の病院の未紹介患者の初診

5.200床以上の病院の再診

C.医療行為などの選択に関わるもの

6.歯科の金合金等

7.金属床総義歯

8.小児う蝕の指導管理

9.180日超の入院

10.制限回数を超える医療行為

選定療養費徴収義務づけ対象病院を拡大?

2016年度改定では紹介状を持たずに特定機能病院又は一般病床500床以上の地域医療支援病院を受診した場合初診時5000円、再診時2500円の選定療養費を徴収することが義務づけられました。

更に2018年度改定では地域医療支援病院の要件が許可病病数400床以上に拡大されました。

これは大病院と中小病院、診療所の機能分化を促す目的がありますが実情は当初想定していた程の効果は得られていないようです。

その為次回改定では更に対象枠を拡大し選定療養費の徴収を義務づける地域医療支援病院の対象を200床以上にまで下げてくるのではと言われています。

中医協総会

選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果

今回中医協にて報告されたものには以下のようなものがありました。

働き方改革に関連するものとしては

「患者や患者家族への時間外の病状説明」

「時間外等に事前に連絡をしないで直接来院した場合」

「医師の時間外労働時間規制の地域医療確保暫定確保水準(年間1860時間)の対象となる医療機関での時間外診療における定額徴収の義務化」など。

「医師が必要と判断しない患者・家族の希望による入院」

「患者の希望による検査の実施」

などもあり医学的な必要性にもとづかない入院・検査が実施されている現状がうかがえる結果となっています。

医師の働き方改革

ここでも医師の働き方改革が強く影響しています。

時間外や休日の病状説明を選定療養とすることはまさしくそこから出てきている要望といえます。

医師の過重労働につながる時間外労働の抑制が求められていることについて緊急時を除き患者、家族に理解を求めるとの趣旨でありまた社会へむけたメッセージともいえるでしょう。

まとめ

選定療養については安倍内閣が2014年6月にまとめた日本再興戦略改訂2014の「対象の拡充を含めた不断の見直しを行う仕組みを構築する」旨の指示を受け学会や国民からの提案を募り中医協の意見も踏まえて適宜拡大することとされています。

2016年度から診療報酬改定のタイミングでの拡大が行われており今回2020年度の次期診療報酬改定に向けて取り組んでいる状況です。

新規の選定療養については国民皆保険制度の維持の為にも慎重に検討していく必要があるとされています。

その中にあっても様々な提案、意見が出てくる訳ですが国がどういう点に着目しているかを知る為にも今後の議論も注視していく必要があります。

 

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