医事関連のテーマを中心に感じたこと、考えたことを綴っていきます

病院機能評価って必要?【メリット・デメリット】

病院機能評価というものがあります。

当院も認定病院です。

最近近隣の病院が受審したとのことでとある会合の席でその話題となりました。

次回も当院が受審するかどうかは不明ですがそもそも受審することにどれくらいのメリットがあるのか、受審はすべきものなのかという点を見ていきたいと思います。

病院機能評価って必要?【メリット・デメリット】

結論

全てはとらえ方次第です。

メリットにもデメリットにもなり得ます。

病院機能評価

病院機能評価とは

病院の質改善を図るため、公益財団法人・日本医療機能評価機構が第3者の立場で、全国の病院の運営管理や提供される医療について学術的、中立的、専門的な見地から評価を行うものです。

各病院はその評価結果に基づき更なる改善活動を推進し、病院体制の一層の充実や医療の質の向上に努めていくことになります。

病院機能評価の認定有効期間は5年です。

受審状況

2019年8月9日時点では全病院数8342認定病院2174であり全体における認定病院の割合は26.1%となっています。

受審の流れ

申し込み→手続き→院内の準備→書面審査→訪問審査→認定へ

という流れになります。

受審費用

病院の規模、機能によって違ってきますが120万~250万になります。

サーベイヤー

病院機能評価の訪問審査を担当する調査者を「評価調査者」または「サーベイヤー」といいます。

サーベイヤーには「診療管理」「看護管理」「事務管理」の3つの専門領域があります。

メリットとデメリット

メリット

病院機能評価を受けることで病院内の問題点が明らかになるというメリットがあります。

外部から評価を受けることで病院の優れている点や劣る点、改善すべき点を客観的に理解することが出来ます。

そして実際に不備の改善につながったり、職員の意識改革につながることもあります。

また病院機能評価の為に整備したマニュアルや資料によって適時調査などの急を要する時でも大慌てで事前準備をするということもなく、余裕を持って準備が出来るといった副次的効果もあります。

デメリット

・高額な出費が必要

・診療報酬が増えるなどの収入面でのメリットがない

・審査準備に時間と労力がかかりすぎる

・審査基準が実情に合っていない

・一般的な認知度が低い

・認定病院の広告は集患に役立たない

簡単にまとめるとお金と時間と労力をかけただけの見返りがない、ということです。

「社会的な認知度がほとんどなく、機能評価取得による経営面でのメリットがほとんど感じられない」「受審病院の努力が報われるように診療報酬上の評価を実現させてほしい」という意見は多いです。

当初は評価機構の認定が診療報酬で評価されるという話があり受審病院が急増しました。

ですがそれは期待外れに終わっています。

一部診療報酬の施設基準要件に関係するところもあります。

たとえば、緩和ケア病棟入院料の施設基準には「がん診療連携の拠点となる病院若しくは財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院又はこれらに準ずる病院であること。」となっています。

しかしこれも機能評価を受けていることが必須ではなく「準ずる」という文言が入っています。

そもそも緩和ケア病棟を持っている医療機関が限られている上で必須ではない要件ならばもはや推せる要素が見当たりません。

現在の認定病院は全体の3割にも満たないのですが、認定に向けた病院の努力がどこかに報われるという実感を持てなければ今後新規で受審する病院は増えていかないでしょうし、更新しない病院が増えてくると思います。

本質は何か

この機構は厚生労働省の外廓団体です。

ようするに厚生官僚の天下り先です。

そして先にありましたように高額な審査料でなおかつ5年ごとの更新となれば巨大な利権になります。

そして病院機能評価の名の通り病院の機能を評価するということですがこれは本来難しいことです。

そこで考え出された手法が企業評価方法の当てはめです。

つまり書類、マニュアル、委員会・会議などが適切に存在し実施されているかで判定されます。

そうなると普段使ってもいないマニュアルを見直し整理することにかなりの時間をとられます。

また現場特有に対応していることでもマニュアルに沿っていないとして指摘されることもあります。

指摘してくるところはかなり細かくまさに重箱の隅をつつくようなという表現がぴったりです。

そして苦労し準備して審査を受けて認定されたところで何が報われるのかというとそこの判断は難しいのです。

機構側は受審すべき理由の1つに地域住民の信頼を得る為ということを言います。

医療の質を上げ病院の機能を向上させる為に外部の評価が入っていることは信頼を得るの為の1つの条件であると。

これは機構の言い分で病院からすると「日本医療機能評価機構認定病院」なんて誰も知らねえよって話です。

これはもっと国民への周知、広報が必要であり積極的に宣伝していくべきなんでしょうがそれはされません。

それはおそらく目立ちたくないからなんだと思います。

民主党政権時代に事業仕分けがあり一時鬼の首を取ったように天下り機関を叩いていましたがそんなことはまっぴらごめんなのでしょう。

粛々と業務を遂行し甘い蜜を吸い続けたいのだと思います。

ですので積極的な広報活動なんてするはずもありません。

医療業界の一部の関係者だけが知っている機関であり続けるのでしょう。

これはもう国のシステムの問題なので私達がとやかく言う事ではないです。

問題は本質は何かということです。

私個人の意見としては認定取得したいところはとればいいし、意味がないと思うならば取らなけらばいいだけの話だと思います。

一概に病院機能評価が良い、悪いという議論は出来ないと思います。

各医療機関の方針、思惑があってそれに向かう時にその認定が必要なら取得を目指せばいいだけのことです。

そして取得を目指すのであればその意向、想いが上層部だけのものではあってはならず組織全体で共有し1つとなって進んでいかなくてはいけません。

まさに職員エンゲージメントを高めていく必要があるのです。

⇒⇒⇒エンゲージメントって何?【病院と職員エンゲージメントと満足度】

まとめ

 

病院機能評価の認定病院は全体の3割以下です。

つまり残りの7割は必要なしとの判断や受審するほどの体制が整っていない、手が回らないとの判断で受審はしていないということです。

文中でも述べましたがこれは各病院ごとで判断基準が違ってくるので良い、悪いという議論は出来ません。

ですが受審していない病院からすると支出だけあって収入が増えないんじゃメリットなしじゃんとなると思います。

受審している病院でさえもそう思っている人は多いです。

ですがこれもとらえ方1つだと思います。

第三者評価の取組みがいずれ回りまわって質向上と社会評価の獲得に繋がり診療報酬にもいい影響を及ぼすと見れば受審する意義は十分見出せるはずです。

健全な経営体質の構築は必要不可欠な訳ですが 経営を収支の確保と限定的にとらえると第三者評価の効果は十分に活かしきれないかもしれません。

しかし地域において良質な医療を永続して提供する為に第三者評価を活用するのであればその推進力として十分活用出来るはずです。

受審準備を契機にチーム医療の促進や他職種間の理解力が深まり連携強化出来たり、業務改善のきっかけとなる場合もあります。

どうせその場さえしのげればという心構えではそのような成果しか得られませんが指摘されたことは全て宝の山、業務改善の為の大量のヒントととらえれば全く違った成果が得られるはずです。

これは個人の仕事でも人生でも同じことです。

全てはとらえ方次第です。

そしてあとはあなた次第です。

 

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