「医療事務に協調性はいらない」
こんなことをいう管理職がいたら失格です。
医事課はチームであり一丸となって同じ目標に向かっていくものだという話は以前から何度もしてきました。
だったらタイトルが間違っているのか?
そういうことでもないのです。
その真意を述べていきます。
ごまお
目次
【協調性と同調性】医療事務に協調性はいらない?【同調圧力】
結論
協調性が同調性にすりかわっています。
協調性とは?
協調性と同調性と同調圧力
協調性と同調性、この2つ似ているようでその意味は全く違います。
協調性 互いに協力しあうこと
同調性 周りと同じ行動をとること
また同調性の関連語で同調圧力という言葉があります。
同調圧力
地域共同体や職場などある特定のピアグループにおいて意思決定を行う際に少数意見を有する者に対して暗黙のうちに多数意見に強引に合わせさすことを指す。
ウィキペディア(Wikipedia)引用
本来の協調性の意味
協調性
異なった環境や立場に存する複数の者が互いに助け合ったり譲り合ったりしながら同じ目標に向かって任務を遂行する素質
ウィキペディア(Wikipedia)引用
本当の協調性とはお互いの意見を言ってすり合わせて妥協点を探っていくものであって、決して自分を殺してまわりに合わせることではありません。
しかし私たち日本人が仕事で使う協調性の意味のほとんどが同調性を含んでいます。
というかほぼ協調性=同調性となっているのではないでしょうか。
そして他人に協調性を求めることがただの同調圧力だったりすることが非常に多いのです。
ごまお
正しい協調性の例
一般的に入院係では病棟ごとに担当者が割り振られている場合が多いです。
その場合、内科病棟担当者は内科レセプト、整形外科病棟担当者は整形外科レセプトの請求処理を行っていきます。
ですが場合によっては内科病棟に整形の患者が入ったり逆に整形病棟に内科の患者が入ることもあります。
あるいは整形病棟の患者であっても内科共観となる場合もあります。
その場合内科レセプトの経験しかない担当者であれば手術の入力も疾患の知識もレセプト点検のポイントも分かりません。
反対に整形外科レセプトの経験しかない担当者であれば疾患知識、治療の流れ、検査の目的やレセプト点検のポイントが分かりません。
このとき知っている者が知らない者に教えてあげたり、また共観となった患者のレセをお互いの知識と経験で作成し点検しあう関係こそが正しく協調性が発揮されているパターンです。
間違った協調性=同調圧力の例
1番あるパターンがレセプト点検時です。
自分の担当分の点検はもう終わっているがまわりが残業している中帰りづらいという場合です。
ここで1人だけ定時に帰った場合、「こっちはまだ見る分が山ほどあるのに」とか「楽な診療科でいいね」のようなアホみたいな感情をいだかれる場合があります。
そして「あの人は全然空気が読めない」「協調性がない」という間違った感想を持たれてしまいます。
その結果みんなと一緒に残っている人は協調性があるという認識となります。
ですがこれは協調性ではなく同調圧力です。
こんなところに協調性なんて1ミリのかけらもないのです。
まとめ
最後に1つだけ述べておきます。
レセプト点検において定時に終われる人、残業する人が出てくるのはある意味必然です。
全員が違う能力、違う経験値、違う担当量の中でレセプトに費やす時間が違ってくるのは当たり前です。
ですのでかたや残業している中でかたや定時に終われる人がいておかしくありません。
ですがこのとき早く終われる担当者に負の感情をいだくことが大間違いです。
この場合問題なのは上司です。
ただ単に上司が無能なだけです。
個々の能力を適正に判断して業務量を割り振っていないその上司に全責任があります。
レセプトに限らず同調圧力の原因に管理職が関係していることは往々にしてあります。
本来は率先して同調圧力を排除していく立場の上司が自ら同調圧力を生んでいるパターンってかなりあると思います。
そして当の本人はそのことにみじんも気づいていないのです。
ここでも大事なのがメタ認知なのです。
無能な上司はえてしてメタ認知は効いていません。
私自身、同調圧力を生み出す要因となっていないか十分気をつけていきたいと思います。
ごまお