「医療事務=レセプト=残業」の図式は昔も今も変わりません。
昔ほどではなくても、未だにレセ期間に多くの残業が発生している医事課は多い。
残業をなくすためにいろんな取り組みをしてはみても結局減らない、そんなところが少なくないです。
でもそれって根本的な解決策になっているのでしょうか?
本当の原因を突き詰めているでしょうか?
本当の原因、それは「同調圧力」なのではないか?
今一度このことについて考えてみましょう。
そして残業を減らす糸口をぜひ見つけましょう。
目次
残業が減らない本当の理由って「同調圧力」じゃない?
結論
残業の根本的原因は職場の「同調圧力」です。
残業が減らない理由
残業が発生する原因
そもそもなぜ残業が発生するのか?
残業の原因はいくつかありますが、ここでは残業の発生原因として多い2つを挙げます。
それは、
・仕事量に対して取り組む人数が合っていない
・残業が当たり前という風潮がある
ということです。
突き詰めるとここが根本原因です。
この部分に手を入れずに、残業を減らすことなど不可能です。
そして「仕事量に対して取り組む人数が合っていない」については、対応しているところは多いでしょう。
しかし「残業が当たり前という風潮がある」については、放ったらかしにしているところが多いのではないでしょうか。
レセプト残業論
レセプト残業については過去にいくつも記事にしています。
それらの要旨は以下のとおりです。
・レセプト残業は不要
・レセ期間=残業と思っているのであれば、マインドセットを変える必要がある
・レセプト残業が多いところは上司が無能
・結果(査定率)を最重視すべきで、過程(やり方や投下時間)にこだわることには意味がない
・残業ありきの思考では、時間内の生産性は絶対上がらない
・残業なしでやりきるためにはどうすべきか、という視点が必要
・レセプト点検の精度と点検スピードを両立することは可能
読んでわかるとおり、残業には一切メリットがありません。
残業するくらいならさっさと帰って早く寝た方が、よっぽど生産性は上がるはずです。
どう考えても夜に向かって残り続けて、高い生産性が維持できるわけがありません。
むしろ生産性はいちじるしく落ちていきます。
でもこれはたとえ正論であっても、現場の思いは違います
そもそも医療事務の現場担当者で、生産性を意識して仕事をしている人は多くありません。
だからこそ残業するのでしょうが。
生産性を意識するのであれば、時間内のタイムマネジメントはもっとシビアになるはず。
何時までにこれ、何時までにここまで、という意識で仕事に向かっていないとおかしいです。
だってそうじゃないと時間内には終わらせられないから。
でもそこまで厳密に時間を詰めて、計画的に進める人は少ないです。
多くの人はなんとなく昔から踏襲している流れに乗って、なんとなく進めて時間内に終わらなかったら残業する、そんな感じです。
本人にそんな意識はなくても、客観的にはそう見えます。
みんな心の奥底には「レセプトだから残業も仕方なし」という気持ちが必ずあります。
そしてなぜそんな気持ちを持つようになったのかというと、それは間違いなく自分の上司や先輩から引き継いでいます。
つまり根本的原因は上司や先輩だということです。
同調圧力残業
残業において職場の空気感、これは非常に大きな影響を及ぼします。
特に上司の働き方は強く影響を与えます。
上司が残業を良しとしていて、みずからも残業をいとわない人である場合、その職場は全体的に残業しがちな職場となります。
逆に上司が残業はしないという思いが強ければ、職場全体も残業しない方向へ進みやすいです。
そしてこれは上司に限らず先輩であっても同じこと。
もはやレセプト経験10年目みたいな人であれば、上司以上の影響力を現場に及ぼす場合もあります。
上司が現場の仕事をしていないとなれば、現場担当者が見本とするのはその10年目職員になります。
そうした場合、その10年目の人が残業をいとわない人であればやっかいなことになります。
なぜなら、そこには同調圧力が働くからです。
10年目の人が残っているのに2、3年目の人がおいそれと帰れるか?ということです。
中には帰れる人もいます。
ですがそんな人はごくわずか。
1人でもその状況に躊躇して残る人がでればもうおしまいで、それを察知した違う人もまた残るという連鎖が始まります。
そしてそれはもう自分の仕事の進捗どうこうの話ではなく、ただ同調圧力に屈して残っているにすぎません。
この同調圧力残業はどうすればなくせるのでしょう?
それは10年目の人がさっさと帰るか、その上司が早く帰るよう指導するしかありません。
まとめ
同調圧力残業がある職場で、残業をしないためにはどうすればいいのでしょう。
それには、鋼のメンタルを作り上げるか、それとも受け入れるか。
もうこの2つのどちらかしかありません。
同調圧力残業にならず定時で帰れるという人はそれが1番です。
ですがそのためには、周りが残っている中帰っていくという強いメンタルを持っておく必要があります。
とてもじゃないがそれは無理っていう人は、もうその状況を受け入れてください。
変わる可能性、変えられる可能性に期待する人もいるかもしれませんが、その職場の風土、土壌というのはちょっとやそっとでは変わりません。
長らく残業体質だった職場から、残業をなくすというのは至難のワザです。
ただあなた自身が上司や先輩になってしまえば、それは可能なことになるかもしれません。