【医療事務と転職】転職するつもりがなくても転職を目指せ【転職の思考法】

「自分に今の仕事は向いているのか?」

「このまま続けていっていいものか?」

「この先の将来が見えない」

そんな悩みを持ってはいませんか?

「そうは言っても今さら違う職場でスタートするなんて考えられない」

だからこのままでいい、そう自分を納得させてはいませんか?

そんな人にこそ今回の記事は読んでほしいのです。

「転職するつもりがなくても転職を目指せ!」とはどういう意味なのか?

最後まで読めばその真意は伝わるはずです。

ぜひ読み進めてみてください。

【医療事務と転職】転職するつもりがなくても転職を目指せ【転職の思考法】

 

結論

 

大切なのは転職という選択肢を持つことです。

転職

転職の思考法

今回の内容は

北野 唯我著 「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法」

を参考にしています。

いろんなブロガーやユーチューバーの方が推していて評価が高いベストセラー本ですので読んだことがある人もいるのではないでしょうか。

今まさに転職を考えている人は当然として、全然転職を考えていない人にもおすすめできる本です。

市場価値

本書では市場価値について触れられています。

人材の市場価値とは簡単にいえば仕事の値札です。

それは労働市場の中で業界、組織規模、職種などで決まります。

決して自分のポテンシャル、スキル、経験、資格で決まるものではありません。

本書では給料の期待値の大きさは

業界の生産性・技術資産・人的資産

の3つの要素の掛け算で決まるとしています。

「業界の生産性」は選んだ市場に伸びしろがあるかどうかです。

「人的資産」とは人脈のことです。

「技術資産」とはスキルのことです。

以前に「医療事務はそんなに給料が上がる職種ではない、なぜなら病院が儲かっていないから」ということを書いたことがあります。

つまり、給料が上がる上がらないかは医療事務員の頑張りは一切関係しないのだと。

これは上記3要素のうちの業界の生産性を指しています。

金融業界の人間が 20 代で2,000万円稼ぐ一方、ウエディング業界の人間は 30 代後半でも200万円で働いている。

両者は同じくらい忙しい。

でも、10 倍も給与が違う。

このことはまさに医療事務とIT業界などでも同じことが言えます。

マーケットバリューというのは、『業界の生産性』 に最も大きく影響を受ける。

たとえば、この国の一人当たりのGDPは約400~500万円だが、これを産業別で見たとしよう。

金融業界、飲食業界……さまざまな業界があるが、産業別のGDPは最大何倍違うか知っているか。

最大で 20 倍近い。

この差はきわめて大きい。

仮にいちばん低い産業の、一人当たりの粗利が1,000万円だとしたら、いちばん高い産業では2億円。これだけ違う。

粗利はそのまま、給料の原資だ。

つまり、そもそもマーケットバリューというのは、どの業界を選ぶか? で圧倒的に上下する。

業界によって生産性が違います。

その差は20倍ほどです。

この生産性の違いがそのまま給料の違いとなります。

下記は業種別平均年収・生涯年収一覧ですが、見ての通りその差は歴然です。

業種別平均年収・生涯年収一覧
1位 電気・ガス・熱供給・水道業 41.4 692万1800円 2億6700万3300円
2位 情報通信業 40.1 640万4200円 2億5198万7400円
3位 教育、学習支援業 43.1 615万9100円 2億2812万円
4位 金融業、保険業 41.4 607万9500円 2億3563万7800円
5位 学術研究、専門・技術サービス業 41.6 597万7800円 2億3271万3300円
6位 鉱業、採石業、砂利採取業 46.5 507万9200円 1億9708万8800円
7位 不動産業、物品賃貸業 42.5 487万3000円 1億9875万3200円
8位 製造業 41.9 485万8200円 1億9065万7000円
9位 建設業 43.8 465万100円 1億8079万1900円
10位 複合サービス事業 41.6 460万8000円 1億7777万200円
11位 卸売業、小売業 40.5 455万4700円 1億8020万2800円
12位 医療、福祉 39.9 420万8800円 1億6426万2800円
13位 運輸業、郵便業 45.3 420万7600円 1億6354万7800円
14位 サービス業(他に分類されないもの) 42.8 368万5200円 1億4505万9700円
15位 生活関連サービス業、娯楽業 38.6 356万500円 1億4606万100円
16位 宿泊業、飲食サービス業 40.7 332万4000円 1億3313万4200円
賃金構造基本統計調査より集計
※生涯年収は22歳~59歳まで。各年齢の収入を加算算出。

ですので高い給料を貰えるか否かは個人の生産性とは関係ありません。

業界の生産性が高いかどうかしだいなのです。

いくら技術資産や人的資産が高くても、 そもそもの産業を間違ったら、 マーケットバリューは絶対に高くならない

医療事務の給料を上げるには?と問いに対するシンプルアンサーが上記のとおりです。

残念ながらそれが事実です。

医療事務という職種において、業界の生産性は低いと言わざるをえないのです。

医療業界かつ労働集約型産業の病院。

そして院内唯一の国家資格なし職種であり自発的に利益を生み出しているわけではない事務職においては、そのマーケットバリューは高くなっていかないということです。

結局のところ医療事務で給料を上げたければ、手当(資格手当や役職手当など)をつけるか転職しかないのです。

だからといって医療事務から医療事務の転職では、給料が大きくアップすることはありません。

なぜなら業界の生産性が低いからです。

将来的に今よりもっと医療事務員が必要とされ人材が不足して売り手市場になっていけばまだ給料がアップする可能性もなくはありません。

かなり低い確率ですが。

残念ながら、将来的に医療事務の業務範囲が狭まっていくことは確実です。

それはAI・ICT化の波が押し寄せるからであり、医療事務業務の計算化できる業務は完全に代替されていくからです。

だったら我々はどうすべきなのでしょうか?

その答えとしては、希少性を持つことにつきます。

要は代替できない仕事をするということです。

それには2つのアプローチがあります。

・専門性に特化する

 

・スキルをかけ合わせる

まず1つ目は専門性に特化すること。

それは診療報酬でもいいですし、接遇でもいい。

他の誰も追随できないレベルのスキルを身につける。

そうなれれば間違いなくそれだけで食っていけます。

しかしこれができるのはごくわずかでしょう。

ですので現実的なのは2つ目です。

スキルをかけ合わせること。

そうやって希少性を持つ。

どちらにせよ今の仕事にあぐらをかいているような人では、先の展望が暗いことは間違いありません。

「転職しない」か?「転職できない」か?

「転職しない」と「転職できない」

この2つには圧倒的な差があります。

それは市場価値が高いか低いかの差です。

君の給料はなぜ発生する?

「なぜって、会社から言われたことを、ちゃんとやってるからでしょうか?」

「それが、上司を見て働く者の発想なんだよ。

全く違う。

給料は、君が『自分』という商品を会社に売り、会社がそれを買うから発生している。

あくまで売り込んでいるのは君なんだ。

~中略~

マーケットバリューを理解するには、先ず自分を商品として考えることだ。」

はっきり言って市場価値を意識して働いている人って少ないです。

大部分の人が見ているのは自分の病院、自分の上司。

それは病院に忠誠を誓ってあたかも正しいようにもうつりますが、市場価値はまったく上がりません。

自院のことはものすごく詳しい、頼りになるという人でも一歩外に出ればまったく通用しない場合だって少なくありません。

そして本人はそのことすらもわかっていません。

これは本人にとっても病院にとっても不幸なできごとです。

やはり見るべきなのは医療事務業界の市場なのです。

転職をする、しないに関わらずつねに転職市場に自分をさらし、自分の市場価値を客観的に把握しておくことがとても重要なのです。

自院の医事課しか知らないでいると、現在の実力が市場の実力と錯覚してしまう恐れがあります。

そういう意味でつねに外部との交流をもつことは大事ですし、研修、セミナーなどで積極的に院外に出ていくこともとても大事です。

大事なことは転職できない人材に成り下がらないということ。

一生転職しないと決めていても、いつでも転職できる人材でいることが必要です。

いいか、転職が悪だというのは、新たな選択肢を手に入れる努力を放棄した人間が発明した、姑息な言い訳にすぎない。

人間には居場所を選ぶ権利がある。

転職は『善』なんだよ。個人にとっても、社会にとっても」

新たな選択肢を手に入れる努力を放棄してはいけません。

転職は裏切り者のすることだと言われました。」

「真逆なんだよ。会社にとっても社会にとっても」

「真逆?」

「よく考えてみろ。

転職しようと思えばできる人がたくさんいる組織と、転職したくてもできない人間、それどころか今の会社にしがみついて足を引っ張るような人間だらけの会社。

どちらの会社が強いと思う?」

「いつでも転職できるような人間が、それでも転職しない会社。それが最強だ」

いつでも転職できるような医療事務員が、それでも転職しない医事課。

そんな医事課が最強です。

まとめ

 

「転職するつもりがなくても転職を目指せ」とはつねに自分の市場価値を客観的に見るようにしよう、ということです。

転職というカードを使う、使わないに関わらずそのカードをつねに手持ちにしているということが重要です。

そして自分の価値観、軸はどこにあるのかをはっきりさせておくことも必要です。

給料を重視するのか、ライフワークバランスを重視するのか。

そのどちらであっても市場価値の概念は持っておくべきで、転職するつもりがなくても転職は目指すべきなのです。

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