いよいよ佳境に入ってくる次期診療報酬改定議論ですがどうみても時間が足らずにそのままなだれ込んでいく公算が高いです。
今回はそんな中でも今までの議論から想定される改定予測をひとまずまとめておきます。
ごまお
目次
【2020診療報酬改定】第2ラウンドを見る【中医協ウォッチ中間まとめ編】
結論
働き方改革を筆頭に病床機能分化、在宅医療推進など対応課題は山積みです。
自院の立ち位置を明確にし今後のビジョンを練る必要があります。
改定予測
働き方改革・タスクシフト
■労務管理について入院基本料等での新しい評価の導入
■看護職員夜間配置加算、夜間看護体制加算、夜間急性期看護補助体制加算 → 「夜間看護職員の負担軽減策(複数項目)」の要件見直し(「早出・遅出」や「夜勤後の休日確保」などの項目追加等)
■救急医療体制
・救急医療管理加算の一部については重症度スコアを記載へ
・重症度の要件化については2022年以降へ持ち越し
・一部については次期改定でも要件厳格化が行われる見込み
・救急搬送件数が多い病院を新たな体制加算で評価へ
・救急搬送看護体制加算 → 専任看護師を複数名配置へ
■医師事務作業補助体制加算 → 20対1~40対1の要件「緊急入院患者(200件)」「全身麻酔下手術件数の基準(800件)」の緩和
■入院時支援加算、入退院支援加算 → 「専従、専任看護師等の配置」要件の緩和
■事務書類、事務作業の簡素化・レセプト摘要欄の選択式化の推進
入院料等
■急性期一般入院料1
・看護必要度Ⅱへの推進
・重症度、医療・看護必要度のB項目の評価方法を「患者の状態」と「介助の実施」に分けて評価する
・A項目、C項目の変更、追加
■総合入院体制加算 → 精神医療・産科・小児科医療などの要件緩和、負担軽減計画項目に「医師・看護職員の業務分担」、「特定行為研修終了看護師配置」などが追加
■ICU → 管理栄養士による早期の栄養管理を評価
■地域包括ケア病棟
・DPC病棟からの転棟患者ではDPC点数を期間Ⅱまで算定する
・自院の一般病棟からの転棟割合に制限を設ける
・入院料及び管理料1・3において評価されている地域包括ケアに係る実績評価指標を見直す
・400床以上の病院が届け出る際には「地域医療構想調整会議の意見を求める」という要件を追加する
■回復期リハ病棟
・回復期リハ病棟1・3・5 リハ実績指数の基準値を引き上げる
・制限規定(発症後2か月等以内の回復期リハビリ病棟入院料算定)を廃止する
・データ提出加算 → 200床未満の回復期リハ病棟への提出対象拡大
・特定機能病院では回復期リハビリ病棟入院料の届け出は不可とする
■慢性期機能
・医療区分 → 「中心静脈栄誉」長期実施患者への「感染リスク軽減対策」の要件化
・排尿自立支援指導料 → 指導医師要件などの緩和
・データ提出加算 → 200床未満の回復期リハ病棟への提出対象拡大
DPC
・DPC退出ルールは先送りへ
・診療密度が特に低いなどの該当病院への調査(ヒアリング等)を実施
・激変緩和係数 → 次回改定でも設定
・機能評価係数 → 地域医療指数の見直し(治験実績要件、新型インフル病院指定への対応)
その他
■チーム医療・病院薬剤師業務
・病棟薬剤業務実施加算 → 「常勤薬剤師2名配置」要件の緩和
■入院ポリファーマシー対策
・薬剤総合評価調整加算 → 「(病棟薬剤師の)減薬に向けた総合評価等プロセスを評価」する新加算の創設
■フォーミュラリ加算
・体制評価については次回へ持ち越しか?
■リハビリテーション
・リハビリ計画書 → 書式の簡素化
・経口摂取回復促進加算2 → STの専従要件の緩和
・摂食機能療法 → 栄養士、看護師などの摂食嚥下訓練チームを新たに評価
■ICT
・「DtoPwithD」のオンライン診療の評価
・ビデオ会議などの他職種、多機関の退院時共同指導をさらに推進
■高度医療機器の共同利用
・PET → 他医での実施時の入院料減額緩和措置の対象へ
・超音波検査 → 胸腹部はまるめ等の算定ルールの見直し
・CT/MRI → 共同利用時点数の対象機器拡大
■外来機能の分化
・紹介状なし患者の定額負担徴収義務化 → 対象医療機関の拡大(200床以上の地域医療支援病院へ)
・小児かかりつけ診療料、小児科外来診療料 → 対象年齢の引き上げ(原則3歳未満→6歳未満へ)
・機能強化加算 → 対象疾患の限定など算定要件を厳格化へ
■在宅医療
・在宅療養支援病院 → 「往診担当医の24時間配置」など要件の緩和
・複数医療機関での訪問診療 → 医療機関同士の定期的な情報共有を要件化、実施可能期間(6か月)の緩和
ごまお
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